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第1話 バーガーキングでハピな~る♡

寝れないと色々な事を考えてしまう。
昨日は架空の先輩について考えていた。
バイト先の年上の女性の先輩。
仕事は出来るし誰に対しても人当たりはいいし頼れるし、非の打ち所が無い人。
研修の時から自分に対しても優しく業務について教えてくれて、中々バイト先の人と打ち解けられない自分も、先輩に対しては喋る声のトーンが少し上がる。
折角だし、先輩の誕生日には普段からお世話になってるお礼として、なにかプレゼントを贈りたい。
寒くて乾燥する時期なので、ハンドクリームとか喜ばれるだろうか。消耗品ならプレゼントとしてあまり重苦しくはないだろうし。
バイト終わりに他の人に見られないタイミングを見計らってサッと渡して帰りたい。
割と思ってたより喜ばれて普通に帰れなくなりたい。

次のシフトの日、自分より先に入ってた先輩と挨拶を交わした時にハンドクリームの香りがして、でもその香りは、自分が購入する時に嗅いだはずのあの香りより比べようがないぐらい素敵で、魅力的な香りに感じて、どうしようもなくドキドキしたい。

少し表情を緩めた瞬間、シュウウウウウウウン...と音を立てて世界から先輩もバイト先も消え、文字通り世界から色は無くなった。
何が起きたのか分からなかった。

ただ、いつからか手に持っていた小さい箱をひっくり返すと、もうとっくのとうに役目を終えたマッチ棒が、雪の中に消えて行った。

こういう事を考えていたら真剣に落ち込んで更に眠れなくなったので、Youtubeを見てた。
寝れない時は諦めて眠気が来るまで待つに限る。これは真実。本質。TRUE。
オモコロチャンネルのバーガーキングのメニュー全部食う動画をつい再生してしまう。
涙。
バーガーキングに帰りたい。
バーガーキング、何故帰ってこない。
(解説:うど~んの最寄りのバーガーキングは、去年だか今年だかもう忘れたけど閉店しました。)
バーガーキングは発展、成長を続ける○○駅周辺に必ず戻ってきます。と閉店の貼り紙に書いてあったのに。
苦しい。
こんな事なら、最初から君と出会わなければよかった。
君を知らないまま生きてそのまま死ねばよかった。

ブツブツ呟きながら苦しんでたら、「じゃあ明日一番近い所まで車で行こうよ!」と母から声をかけられる。
母。
好き。
そんな私にも理解のある母くんがいます。じゃん。
人類で母が一番好き。

食った。
人生最高。
十万回生まれ変わっても僕はずっと、バーガーキングに出会いたい。





おわります。

ありがとうございました。

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