12.小説の中の小説
こんばんは!出口です!
本日は最近読んだ小説の感想をシェアしたいと思います。
綾崎隼さんの「死にたがりの君に贈る物語」です。
大人気小説「Swallowtail Waltz」が最終巻発売を前に作者の死という結末で未完の作品になってしまいます。作品にピリオドを打つために、小説のファンである男女七人がストーリーをなぞって廃校で生活します。そこから様々なことが起こっていく、そんな内容になっています。
小説の中の小説にまつわる話です。ややこしいですね(笑)
めちゃくちゃおもしろくて、隙間時間あればずっと読んでいました。
半分を過ぎたあたりから特に止まらなかったです。
熱冷め止まないうちに感想シェアさせてください。
感想にはネタバレを含みますので、読んでいない方は是非先に読んでみてください。
①ミマサカリオリは誰?
この小説のミステリー要素、醍醐味はミマサカリオリを探すことではないでしょうか?
ミマサカリオリは生きているという事実を知ってから、探していましたが全然わかりませんでした(笑)
正解を知るともう一度読み返したくなりますね。
後半に佐藤友子とミマサカリオリの過去・心情が交互に描かれています。
あれは最大のヒントだったんだと思いますが、僕は逆に別人物だと思ってしまいました。
対称の人物だと思っていた二人が同一人物であったとは。。。
当てられなかったのが非常に悔しいです。
同時にこの事実に納得もしました。
表裏一体という言葉もあるように、表向きは全く異なっても根本は同じだったりします。
饒舌なお笑い芸人が実は裏では無口っていうのと似てますよね。
佐藤友子とミマサカリオリの話で、僕は人の根本を理解する重要性を学びました。外見や上辺の性格で判断するのではなく、その人の人物像をしっかり知ることがコミュニケーションの本質なんだと思います。
知るって何事においても大事ですね。
②炎上について考える
ミマサカリオリが筆を置いた原因が想像以上に受けた誹謗中傷でした。
ミマサカリオリはヒロインが死ぬ第五巻での炎上は覚悟していました。
それでも耐えられませんでした。
きっと想像もできないような破壊力があったんだと思います。
ここで少し僕の話をします。
あくまでも僕のコミュニティの範囲で炎上というような経験を二度したことがあります。
そのうちの一つの経験をこの小説を読みながら思い出したので、少しお話しさせてください。
大学生の頃、所属していたサークルの何人かで遊んでいた時のこと。
お酒も入り、悪ノリもあって、サークルのLINEグループを荒らしてしまいました。
当時の先輩には怒られて謝罪しました。そして何人かのサークルメンバーがTwitterでこの件のことをツイートしていました。
このツイートが名指しするでもなく、事件に具体的に触れるでもなく、やんわり遠回しの攻撃だったことにめちゃくちゃ腹が立ったのを覚えています。
迷惑をかけたことは本当に申し訳ないと思っていましたが、このTwitterのやり方だけはずっとモヤモヤしていました。
ミマサカリオリが小説を再執筆するきっかけになったのが、中里純恋の「Swallowtail Waltz」への愛です。
作品の中で純恋がミマサカリオリに放った言葉が僕の胸に突き刺さりました。
このセリフが自分の経験が重なりました。
Twitterで批判してきた人たちはサークルを愛していたから声を上げたんだなと。
そして僕もサークルを愛していたからTwitterという拡散力の強い媒体で事件の大きくしていくこと、サークルにこれ以上悪影響を及ぼすことに対して嫌悪感を持っていました。
つまり、両者サークルを愛しているという気持ちは同じでした。
これも表裏一体です。
SNSで誰もが発信できる時代。
良い情報もそうでない情報も発信しやすく且つ受け取りやすくなりました。
でも、どちらにも共通していえるのは愛があるということではないでしょうか?
炎上は愛情の裏返し。
こう思えると世の中愛で溢れかえってますね。
では、また。