総勢50組同時進行の大施策における、コンテクストドリブンの実現とは
レギュレーション遵守とクリエイターらしさの両立
──では、改めて概要の説明からお願いします
(プランニング S)
「アサヒスーパードライ」36年目にして初のフルリニューアルですから、それはもう、アサヒビールさんが手掛けるプロモーション全体像というのも非常に大きなプロジェクトでした。そこには三つの軸があって、ひとつはテレビCM、もうひとつは飛行船です。
そしてもうひとつが、UUUMで担当させていただいた、インフルエンサー施策です。重要な軸のひとつとして、UUUMを選んでいただけたということになります。50本のタイアップ動画、長尺11本とショート39本、公開しました。規模、ジャンルとも幅広いクリエイターを起用していただいたプロモーションになりました。
── 今回、その数という側面でも、ディレクションチームが担う部分も大きかったのではと思いますが
(ディレクション まる)
お酒のプロモーションは、UUUMとしてもチャレンジングな領域といえます。お酒の広告表現に関しては、厳格なレギュレーションがありますから、そのレギュレーションを守った上で、50組という数のクリエイターの「らしさ」が活きたコンテンツを公開まで実現するにはどうしたらいいのか、というのが、私たちの一番考えるべきところでした。
50組中、最初となる撮影の時、大規模撮影だったこともあって、我々も現場で立ち会いましたが、アサヒビールさんや代理店さんと一緒に、本当に試行錯誤しつつ、そこでコツをつかんで、それ以降の49組についてやり抜いたという感じです。
(プランニング S)
「飲む」シーンは特に、気をつけましたね。
(ディレクション ジェイ)
クリエイターさん側も気にしてくれて、我々に細かく確認しながら撮影や編集を進めてくれたことも多くて、助かりました。
約40本を同日公開
──あえて聞きますが、大変だったのはどういう点ですか?
(プランニング S)
それはやっぱり「数」ということになるんじゃないですか。
(ディレクション ジェイ)
特に3月18日には、一気に40本近く公開したんです。制作はほぼ同時進行ですから、まず物理的に大変でした(笑)
(プランニング S)
ほぼ先例ない数です。その上で厳格なレギュレーションを伴いますし、すごくディレクションチームに助けてもらいました。
──ディレクションチームのノウハウが活きたということですね
(ディレクション まる)
ディレクションとしてはもう「タスク、スケジュールをしっかり切る」ですね!アサヒビールさんや代理店さんも含め、大変な進行をみんなでやり遂げた感じです。お互い限られたリソースの中で密にコミュニケーションがとれたことも、とても大きかったと思います。
(プランニング S)
これだけの数を同時進行だと、深夜や土日でも動画をクライアントサイドに見ていただくような場面は多くなってしまいましたね。ワンチームでやり遂げた案件だと思っています。
(ディレクション まる)
クリエイターさんもバディも、レギュレーションをしっかり意識してくれて、事前すり合わせも丁寧にしながら進めてくれました。
(ディレクション ジェイ)
レギュレーション資料はクライアントサイドからベースをいただき、細かく補足整理した上でバディに展開しました。さらにオリエンも行ったことで各バディにしっかりと意識してもらえたと思います。数が多いだけに最初のすり合わせが大事ですね。先回りしてやれることをやっていくようにしました。
当初から根幹が明確ということの強み
(ディレクション まる)
ここまでどうしてもレギュレーションのお話が前に出てしまいましたけど・・・今回の案件に関して、クリエイターさんの文脈をとても大切に大事にしてくれた、アサヒビールさんのご理解にもとても助けられたと個人的に思っています。
(プランニング S)
「スーパードライ」のコンセプトが「気持ちが高まる瞬間に飲む」だったんですね。それで、特に長尺タイアップ動画では「気持ちが高まる瞬間」表現というのが訴求ポイントとして明確でした。それが当初から明確だったことは、クリエイターのコンテクストを活かす上で、アドバンテージになりましたね。
(プランニング S)
たとえば、フィッシャーズでいえば、海賊船✕宴という象徴的なディテールを活かせましたし、瀬戸弘司さんでいえば、自画像を描きたかったという文脈が活きました。各クリエイターさんがやりたいことを活かしつつ、商材の訴求につなげていきやすかったと言えると思います。
──コンセプトそのものもクリエイターさんに求めやすい内容だったんですね
(プランニング S)
だから、クリエイターさんたちとしても「おー、じゃあ何をしようかな!」と楽しみながら考えてくれた部分もあったんじゃないでしょうか。「うーん、どうしたらこの商材を絡められるんだ、、」みたいな無理やり感なく。
(ディレクション ジェイ)
そこは、 Sと代理店さん間にそもそも信頼関係あったというのも大きかったですね。クリエイターさんやバディに「スーパードライの案件でこういうことを表現したいんです」まで、最初のオリエン段階で明確に示せたというのは、その関係値があったからこそかなと。
──最初に企画コンセプトが固まっていることは重要ですね
(ディレクション ジェイ)
そうですね、多くの動画が進行した中で、軸からブレてしまったような企画が出てきたことは、ほとんどなかったんです。
(ディレクション まる)
結果、それぞれのクリエイターさんの個性というか色が活きた動画ができたんじゃないでしょうか。
(プランニング S)
今回のように、多くのクリエイターさんの、バラエティ豊かで魅力あるタイアップ動画を作っていこうという、そういうときこそ、企画の根幹がしっかりしていることが大事なんですね。
あまりのビール好き、スーパードライ好き
──少し各論も聞かせてください。フィッシャーズの動画に関しては、シルクさんが冒頭ですっごく喜んでるじゃないですか 笑
(プランニング S)
シルクさん、ビールがめちゃくちゃ好きで、かつ、スーパードライをこよなく愛しているんですよ。嬉しくて湖に向かって叫んでますからね 笑
(ディレクション まる)
それに、メンバーのみなさんもビール大好きなんですよね。
(プランニング S)
そうなんですよね、楽しみながらタイアップに取り組んでいることが、すごく伝わる動画になりました。
ちなみにシルクさんはあまりのビール好き、スーパードライ好きから、個人チャンネルで「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を初めて飲むという動画を公開したこともありまして、アサヒビールさんがその飲みっぷりに感動されたそうで。その後「生ジョッキ缶」のWEB-CM出演も決まったんですよ。
それぞれの得意なところは任せて、でもみんな同じ方向を向いて
──フィッシャーズの海賊船のタイアップ動画には、どのような関わり方だったんですか?
(ディレクション まる)
ディレクションの役割はまず、海賊船で宴をしたいというクリエイターさんの要望を受けての、フィジビリティ確保からです。
明らかに大規模な撮影が必要だったので、プロダクショングループ(ドラマ制作なども手掛ける、UUUMの制作部門)に相談しました。ドローン撮影の要望も出てきましたし。
(ディレクション まる)
クリエイターさんの思いを叶えたいという想いのもと、協力し合っていい撮影になりましたね。プロダクショングループは、私たちにはないアイディアを持っているんですね。クリエイターさんからやりたいことは無限に出てきますが、それを実現する上で、社内リソースをとても活用できた事例ともいえるんじゃないでしょうか。
── ディレクションとプロダクションは、同じプロダクションユニットですしね
(プランニング S)
たしかに、横連携がすごくよかったです。
(ディレクション ジェイ)
特に箱根の海賊船撮影に関しては、プロダクションユニットにかなり任せることができました。ディレクション側としても、やるべきことに集中することができたと思います。
──それぞれの専門分野での経験は大きいですね
(ディレクション まる)
今回、フィジビリティ確保の段階でプロダクショングループにすぐに相談したのが大きかったと思っています。
(プランニング S)
社内にいろんなリソースがあるから役割分担して、それぞれの得意なところは任せて、でもみんな同じ方向を向いて、という連携ができましたね。
それに、クリエイターさんも今回のタイアップをとても喜んでもらえたそうなんですね。その熱量が伝わる動画になったことで、幅広い視聴者さんに支持されているフィッシャーズだけに、SNSでの反響にもつながったと捉えています。
完成度の高さもファンに喜んでいただける
(プランニング S)
瀬戸弘司さんの自画像の動画もすごく素敵でしたよね!いつも見ているファンの皆さんがすごく楽しんでくれて、かつ、商材の訴求もすごく丁寧にされているという。それも瀬戸さんらしさなんですよね!タイアップ動画としての完成度が非常に高かったと思っています。
(一同)
さすが瀬戸さん!という感じでした。
──「さすが瀬戸さん」という感想、きっとファンのみなさんもそう感じるんでしょうね
(プランニング S)
「ここは訴求ポイント」というのが明確にわかるんですけど、そこに全然違和感ないですからね!そのタイアップとしての完成度が高いところまで含め、瀬戸さんのファンの皆さんに喜んでいただける動画ですね。
ショートの良さを活かしつつ、コンテクストに乗せて訴求も
(ディレクション ジェイ)
今回の施策ではショートも多数出したというのは特徴的だったと思います。個人的に印象に残っているのはナカモトフウフさんのショートです。
(プラニング S)
ちなみに640万再生ですね。(2022年7月時点)わかりやすかったし、訴求もできているし、テンポがすごく合っていて、ショートの良さがすごく活きていましたよね。
(ディレクション まる)
今回、初めてショートのタイアップ動画を作ったというクリエイターさんがけっこういたんです。
(ディレクション ジェイ)
ナカモトフウフさんは、ショート動画が初めてで、このタイアップのショートをきっかけに、その後ショートに積極的になったそうですよ。
(プランニング S)
ショートの60秒の中で「フルリニューアル」を表現するために、各クリエイターさん、工夫してくれました。
クリエイターさん独特のテイストを活かして、そこに乗る形で作った動画というのが、特に視聴者さんに楽しんでいただけたようです。マナル隊さんのショートもそうですね。
(プランニング S)
ヒーローの休日という、マナル隊さんらしいわりと雑な(すみません)コスプレで始まるんですが、いつものマナル隊テイストというかコンテクストが活きているという動画だったと思います。
──本当に大きなお取組みでしたが、クライアントのアサヒビールさんの感想というのはどうでしたか
(プランニング S)
総再生数がアサヒビールさんの想定を大きく上回る形で達成できましたし、喜んでいただけていると捉えています。アサヒビールさんにとっても、これだけの大きなYouTube施策というのはチャレンジングだったのではと思います。
(ディレクション ジェイ)
振り返りの際にクライアントさんから「熱意を持って取り組んでくれたことを感じました」というお言葉をいただけたのは嬉しかったです。
(ディレクション まる)
クリエイターを本当によく理解してくださいましたし。
(プランニング S)
よく理解していただいたことによって、クリエイター側も楽しみながら取り組むことができ、それぞれの強みが引き出せたのではないかと思っています。
アサヒビールさんも代理店担当者さんも、難しい調整もしていただき様々助けていただきました。その中で大きな結果を出すことができて、我々UUUMとしても嬉しく思っています。
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