:0009 永瀬清子現代詩賞2022を読む
どうも、うたももです。
わたしの信念note回です。
いつかだれかにわたしの思いを
わたしは選ばれなかった詩賞の詩集を読んだ。優れた詩とはなにか分かってきた。
好きな 詩/詩人 の方々の名前をあげる。
一日/中西邦春
もしも一生が一日に凝縮されたとしたら。ゆっくりと読者にも考えさせるように改行が多い。「と」だけで改行しているタイミングが3回もある。もしも一日だけだったらと考えるきっかけはとある虫だったという。ここで具体的な虫の名前は出さないのは、一日の間に生まれて死ぬ虫だからだろう。読者に与えるインパクトを調整している。
終電車/オノカオル
厳しい終電にすがりついたが降りてしまった。同じ駅に降りて赤子をあやす母は、この詩の中では社会的弱者だ。横柄な態度は取れないが、彼らは強い。僕・くたびれたサラリーマン・酔っ払った若者・母親・赤子・駅員の力関係をじっと観察できる。我が振りを見返せる詩。
あの日/浅井洋子
娘を道連れにしようとする母が怖い。まだわたしは二十代で親との死別の話はまだ理解しにくかったが、怪異の話としてなら頭に入ってくる。恐れていたのはなにより「母がいないこと」だったようだが、それ以外は戦時中なのに穏やかな暮らしに見える。死別の瞬間だけが怪異な時空だった。