【提案】10月の訪日外客数から考える、今後の訪日マーケティングの方向性 週刊インバウンドニュースマガジン11月4週号
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2019年10月の訪日外客数が発表。東南アジア、欧米豪からの旅客増に注目せよ
10月の旅客数の前年度との違い。東アジアの占める割合が減り、反対に東南アジア+インド、欧米豪の占める割合が増えている。
11月20日、10月の訪日外客数(推計値)がJNTO、日本政府観光局から発表されました。
訪日外客数(2019 年 10 月推計値) (JNTO)
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/a6sb87000002kton-att/191120_monthly.pdf
発表によると、昨年同月比 5.5%減の 249万7000人という結果となりました。
韓国からの旅行者減が今も続いているため、それが全体に影響した、と考えるのが自然でしょう。ただし、実は先月9月も同様の状況にありながら、こちらは昨年度比5.2%も旅客数は増えています。
9月の旅客データ(昨年対比)。韓国人旅行者の大きな減少は10月と同じだが、その分を中国人旅行者の増加が補っているのがわかる。
参考までに、9月の旅客データ(昨年対比)をチェックしてみましょう。
すると、9月は韓国人旅行者の減少を中国人旅行者の増加が補っている一方、10月は中国人旅行者の伸びが2018年と比べてそれほど大きくないことがわかります。
それどころか、今年9月(約81.9万人)と今年10月(約73.1万人)を比較すると、中国人旅行者の数は減少すらしているのです。
JNTOの分析によると、1.台風19号による欠便、2.元安による一部旅行商品の価格上昇を理由に上げています。
ちなみに、過去数年をさかのぼってみても、訪日上位を占める東アジア4カ国では9月⇒10月で旅客数は増える傾向にありますが、中国では2016年にも同様の減少が起きています。
(参考:日本の観光統計データ)
ここで言えるのは、本メルマガで再三申し上げたように、現在の訪日インバウンドで中国の与える影響が非常に大きくなっており、そのちょっとした動向が全体の統計数値に影響を与えているということです。
中国がくしゃみをすれば日本が風邪を引く。
そのような状況も予測されますので、読者のみなさまにおいては、将来的なリスクヘッジの方法を確保しておくことが肝要でしょう。
その他注目すべきは、「東南アジア+インド、欧米の存在感増」です。
中国の影響力増と矛盾するようにも見えますが、データを国別ではなく地域別に考えると、そうでないことがよくわかります。
10月の地域別旅客数を昨年と比較すると、東アジア4カ国(中・韓・台・香)の占める割合は69.5%から61.0%に減少。一方で東南アジア+インド(タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナム・インド)は12.2%から15.8%に増加、欧米豪
(米・豪・加・英・仏・独・伊・露・西)は13.7%から16.8%に増加しています。
つまり中国だけは例外的に1国での存在感を増しているものの、全体を見ると東アジア偏重の状態から、世界中からまんべんなく旅行者が訪れる状態に近づきつつある、ということになります。
今後のインバウンド施策の方向性としては、これまで一般的だった「上位の主要数カ国」に対するマーケティング手法は効果が低減し、「1.特定の1カ国に絞ったマーケティング」「2.全世界・全エリアに向けた幅広いマーケティング」のいずれかの効果が増すのではないか、と予測しています。
「1.」に関しては、国内での訪日客の取り合いが激しくなっているため、他とは違うターゲティングが効果を増すであろう、という分析です。
Airbnbがオリンピックスポンサーに&JapanTaxiとGrabが協業。シェアリングエコノミーの浸透に追い風
先週はシェアリングエコノミーに関しての気になるニュースが2つ届きました。
1つめは民泊大手のAirbnbに関するニュース。
Airbnbは11月18日、国際オリンピック委員会(IOC)と東京2020オリンピック競技大会(以下、東京2020大会)を含む2028年までのIOC「TOP(The Olympic Partner)パートナー」契約を締結したと発表しました。
オリンピック期間中は、都内を中心に宿泊施設不足が予測されています。そんな中、Airbnbではこの機会に新たに民泊を始める方への支援を実施するとともにアスリートによる「体験」カテゴリをスタートさせるとのことです。
シェアリングエコノミーを利用した短期的な需要増への対応、モノ消費からコト消費というトレンド変化への対応と、現在の訪日の流れに沿った施策となります。
続いてはこちらのニュース。
東南アジアでの人気のライドシェアサービスGrabと、タクシー配車アプリなどを手がけるJapaxTaxiが協業を発表しました。
今後、Grabのユーザーは日本において、GrabアプリからJapanTaxiアプリに加盟するタクシーの配車を行えるようになります。
ライドシェアサービスは、各国で様々な企業がサービスを実施しており、国・地域ごとにメジャーなブランドが異なります。
訪日客にとっては、自国で使い慣れたサービスのほうが利用のハードルが下がるため、今後は東南アジアの人々がGrabアプリを利用して国内でタクシー利用する事例が増えるでしょう。
現在の日本では厳密な意味でのライドシェアサービスは広まっていません。また、民泊に関しても、2018年に民泊新法が施行されたことで一時的に市場は縮小しました。
中長期的に見れば、シェアリングエコノミーは訪日を含めた日本の課題を解決する手段の一つとなります。
現在は日本の社会・経済状況に適応する過程であり、今回の2つのニュースはそのあらわれです。本メルマガでは、今後もシェアリングエコノミーに関する動きに注目します。
MATCHAの繁体字版が月間200万PVを達成。台湾・香港向けとして国内屈指のメディアに
訪日メディアMATCHA( https://matcha-jp.com/jp/ )が、台湾・香港で使用される繁体字版のサイトのみで月間200万PVを達成したことを発表しました。
繁体字版はこちら⇒https://matcha-jp.com/tw/
台湾は、日本を訪れる旅客の国別ランキング上位4カ国(中・韓・台・香)のひとつ。その他の3カ国が政治・経済的な問題で旅行者の数が上下に大きく変化する傾向にある中で、台湾は安定的な旅客数を維持する安心してターゲティングできる国です。
リピーターも多く、東京・京都・大阪以外の地方部への関心も高いことで知られ、これからインバウンド集客を目指す地域・企業にとっては、ぜひチェックしておくべき国です。
訪日メディアMATCHAは、日本語を含め10言語を扱う多言語メディアであり、ターゲットを限定しない幅広いPRにも強みを持ちます。
今回繁体字単体で月間200万PVという数字を記録したことで、台湾・香港向けだけに特化したPRにおいても、みなさまに対しより強いお力添えができるようになりました。
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楽しんで学べるインバウンドクイズ!
インバウンドの知識は、わかっているようでいざ聞かれてみると意外と抜け落ちているもの。このコーナーでは毎週1問、インバウンド担当者ならぜひとも知っておきたいインバウンドの基本知識を出題します。
回答は翌週のマガジンでご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてください! 今週のメルマガでは、訪日客全体の中で最も割合が大きいのは「東アジア」というお話をしました。そちらに関連した問題です。
質問:以下の都道府県のうち、欧米豪からの旅行者の割合が一番大きいのは? (難易度★★☆☆☆)
選択肢:
1.京都
2.東京
3.広島
4.栃木
↓こちらに回答すると、他の人の回答割合がわかります!↓
http://www.benchmarkemail.com/Poll/Vote?g=8157&id=1073498&w=220
-------------------------------先週の答え----------------------------
さて、先週の答え合わせをしてみましょう!
「ビーガンが口にしてもいい食べ物はどれ? (難易度★☆☆☆☆)」
という問題に対し、答えは……
「1.缶ビール」でした!!
以外に思われるかもしれませんが、ビーガンの方にとってアルコールの摂取はNGではありません。一方で、動物に関わる食品は広く禁忌とされており、蜂を家畜のように扱って作られるはちみつや、カツオ出汁などもNGとなります。
ちなみに、回答状況は以下の通りでした!
1.缶ビール:38%
2.はちみつ:19%
3.讃岐うどん:42%
4.ステーキ:1
缶ビールを選ばなかった方は、アルコールが禁止されているムスリムの方と混同したのかもしれません。また、3.を讃岐うどんを選んでしまった方も多かったのですが、こちらはまったくの不正解とは言えません。
カツオ出汁を使わない醤油ぶっかけうどんのようなメニューであれば、食べられる場合もあります。
↓こちらに回答すると、他の人の回答割合がわかります!↓
http://www.benchmarkemail.com/Poll/Vote?g=8148&id=1073498&w=220
MATCHAより
月間626万PV、300万UUのアクセスがある日本最大級の訪日メディア「MATCHA」。この運営実績から得たノウハウを生かし、メディアMATCHAへの記事掲載を中心に、お客様の海外プロモーションをサポートしています。
一方的な情報発信ではユーザーには届きません。お客様と訪日観光客両方の目線で、それぞれに共感頂ける解決策を提供します。
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あとがき
先週、訪日客向けの団体ツアーを実施している方とお話をする機会がありました。
今週のメルマガでは東南アジアの存在感が増していることを指摘しましたが、その方によると一口に東南アジアといっても国や人ごとにニーズはまったく違うそうです(当然といえば当然ですが)。
ひとつ面白かったのは、インドネシアのとある富裕層の方のお話。インドネシアの富裕層の間では、子供の成人の誕生日にパーティーを開き、その子のこれまでの写真をお客に披露するそうです(一部での習慣かもしれませんのでご注意ください)。
そこで最高の写真を披露する(自慢する?)ために、その富裕層の方は毎年我が子を海外旅行に連れて行くのだとか。
そう、彼は「我が子の写真のため」だけに、ある年日本を訪れていたのです。そのため必要になるのはいわゆるインスタ映えスポットですし、さらに誰かに自慢するために「日本らしい」景観である必要があります。
わたしのような庶民にはあまり想像できない感覚ですが、これは多くの自治体の方、観光事業者の方にとっても同様なのでは無いでしょうか?
その反面、多くの自治体では、富裕層の姿を描けていないまま、彼らを呼び寄せることに意識を傾けています。誘客をするためには、まずは彼らのニーズを知ること。それが第一歩です。
FITの訪日客のニーズについては、私達MATCHAにもぜひご相談ください!
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