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観光の第一歩を変えること、インバウンドへの参入コストを下げること

先週末は神奈川県の小机城と石垣山城という2ヶ所の城跡を巡ってきました。

仕事でも何でもなく、完全に趣味です。

お城好きには有名な日本100名城というものがあるのですが、前記の2城はこの春新たに定められた続100名城に含まれているのです。

実は社内にも台湾人の城郭好きがいて、日本100名城作りを趣味にしています。以前は上海出身でやはり日本のお城好きが採用面接に来てくれました。彼女は確か100名城スタンプをコンプリートしていた。これはすごいことです。

ともかく。

日本100名城は城好き、歴史好きには非常に有名なコンテンツで、100名城のスタンプラリーを目標に全国を旅している人も珍しくありません。

今回の旅程では100名城を定めている財団法人日本城郭協会の方の話を聞く機会があったのですが、続100名城を選定するにあたって、全国から「おらが地元のお城をぜひ」といろんな方が訊ねていらしたそうです。

それだけ観光にも影響があるのでしょうね。

インバウンドはまだ「観光の2番手」

しかし実際に足を運んで思ったのは「インバウンド対応はまだまだ先になりそうだな」ということでした。

小机城は、複雑な堀や郭の構造がしっかり残っていたし、石垣山城は苔むした石垣が美しくてまるでラピュタの世界に来たようでした。

知識や楽しみ方さえわかれば、日本人以外でもきっとおもしろい城跡になると思います。

でも、いずれも案内も看板も少なく、アクセスも大変。おそらくこれから予算が発生し、休憩所やトイレが作られ、パンフレットや駅からの案内板などが設置されるのでしょう。

インバウンド対応(多言語対応、多言語ガイドなど)、インバウンドでの告知はその先になるはずです。

インバウンドが盛り上がっているとはいえ、全ての自治体の観光予算がめちゃくちゃ増えたわけではありません。インバウンドで最初に何をすればいいのか、というセオリーも定まっていません。

どうしても、インバウンドは日本人向けにある程度何かをしたあとの「2番手の施策」なのです。

※逆に、「日本人が来ないからインバウンド」と考える自治体さんもいますが、ちょっと思考の順序が違うと僕は思っています。

観光事業の「第一歩」は日本人のためのもの

日本100名城でも、世界遺産でもなんでもよいのですが、自治体や地域が「これから観光に力を入れるぞ!」という良きタイミングになる出来事があります。

その際、「まず最初にこれをしよう」という項目に、まだインバウンドは含まれていないと思うのです。

観光の準備は、まず第一に「インフラ整備」と「現地での受け入れ体制の整備」に大別されるかと思います。それが「観光事業の第一歩」だとして、その後に、PRだとか、現地でお金を落としてもらうための商品や仕組みづくりがあり、インバウンド(客層の拡大)はその後�です。

カタログを作るにしても、webでPRするにしても、コンテンツを翻訳するのは予算も時間を余計にかかります。限られた予算とスケジュールを与えられたら、まずは日本人だけに向けてリリースしてしまうのは仕方ないことだと思います。

「日本史」という日本人以外にはとっつきにくいジャンルであればなおさらですよね。

観光するならまずはインバウンドという時代が来る

でも、この第一歩の中身は変わる、変えられると思っています。

例えば20年前に、webサイト作りは観光の最初の一歩には含まれていませんでした。

それが現在ではwebサイトがあるのは当たり前で、どう作りどう運用するか、という点でみなさん頭を悩ましています。

いずれインバウンドが観光の柱になれば、この「観光集客の第一歩」にインバウンド施策も含まれるようになるでしょう。もちろんこれは、日本人向けよりも訪日客向けの施策が優先されるだろう、という予測ではありません。

民間の努力で、観光地の「インバウンド参入コスト」は下げられる

webでのPRが常識になったのはなぜでしょう。時代の変化と言えば簡単ですが、僕は「1.情報の一般化」「2.ノウハウの整備」「3.コストの低下」の3つに分類できると思います。

インバウンドに当てはめてみれば、1.インバウンドという言葉・業界が一般的になること、2.各自治体やインバウンド事業者がノウハウを積み重ね、業界内で知見を共有することが、観光地がインバウンドに参入する障壁を下げることにつながるはずです。

では3.のコストの低下については、どうでしょう。業界全体で何ができるのかはわからないのですが、僕達メディアができることは、「インバウンド進出のパッケージ作り」だと思っています。

インバウンド進出のパッケージ作りとは何か。次回(いつかは知らん)はその中身についてお話したいと思います。



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