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多国籍な人材の集まる組織のおもしろさ【言語編】

こんにちは。インバウンド(訪日)メディアMATCHAで編集長をしている植松と申します。

MATCHAは海外の方を読者対象とするメディアであるため、当然社内にも日本人以外のメンバーがいます。その割合はいまは3分の1程度ですが、今後はもっと増えてくるでしょう。

そうすると、日本人だけの職場では気づかない、生まれない問題が出てきます。

本日はそんな多国籍な人材が集まる職場ならではの難しさや問題、その解決法について考えてみます。

とはいえ、とても多岐に渡るので、今回はまず「言語」の観点から考えてみます。


コミュニケーションの偏り〜水は易きに流れる〜

当然言語の違いは、問題を生じさせる一番の要素になります。

全員が使用できる共通言語を決め、それを使える方を採用するのは当たり前のこと。

それでも問題は生じます。例えば「コミュニケーションの偏り」です。

たとえ日本語が堪能な方でも、母国語を同じくする人がいれば、そちらとばかり話をしてしまう恐れがあります。水の流れと同じで、通りのよいルート(母国語を話す人同士)があれば、水(言葉)はそちらに流れてしまうのです。

雑談程度なら個人の自由ですからいいですが、それがチーム全体での情報の偏りにつながるようなら、マネジメント側で上手に対処する必要があるでしょう。


不信感の増大〜他人の言葉は強く聞こえる〜

また、いくつもの言語が飛び交う環境は、場合によっては周囲の大きなストレスにつながります。

例えば、隣のデスクで外国人スタッフ同士が母国語で会話をしている場合。

普通なら気にならないことも、信頼関係が醸成されていない状態なら、談笑でさえ「もしかして自分のことで笑っている?」と思えてくるし、適切な議論も「何か問題が起きている?」と不安に思えてきます。

東京の人が西日本の人の会話を聞くと「喧嘩をしている」と感じるように、他言語の会話は実際以上に白熱して聞こえるからです。

この問題に関しては「信頼関係の醸成」と「ちょっとした周囲への想像力」が一番の解決策かな、と考えています。

話す側も周囲への影響を気遣う配慮があったほうがいいですし、マネジメント側なら気づいて声掛けする、会話の中に入ってみるなど、コミュニケーションの輪に穴を空ける、閉じているコミュニケーションの輪を広げることが大切だと思います。信頼関係が築けたらそんなことしなくていいんですけどね。

必要なのは配慮と想像力

また、この問題は、日本人側でも起こり得ます。日本語がわかるメンバーを集めても、難しい日本語だけで会話していては外国人メンバーは、ついていくのに必死になるし、「のけものにされている」と思っても仕方ありません。

ある程度、使用する日本語を調整する配慮と想像力は必要です。自戒を込めて。

「日本語、ないしは英語だけでしか会話しちゃだめ」ってルールも会社によってはあるのかもしれませんが、今の所MATCHAでは考えていません。


効率性と多様性のどちらを優先するか

軍隊などでは、メンバーの能力やバックグラウンドを統一することで、組織としての効率化を図ることがあると聞きます(でも、具体例が『スター・ウォーズ』のクローン兵しか思い浮かばなかった)。

確かに予想外のリスクを防ぐため、組織運営をスムーズにするためにはいい方法かもしれません。ただし、MATCHAは様々な国の方を読者対象とするメディアです。できれば社内にも多様な人材を集め、様々な知見やアイディアを集めたいと考えています。

多様な人材を集める組織づくりは、正直、コストがかかります。

また、ルールだけでそのような問題を解決しようとすると、最初に求めていた多様性を犠牲にする可能性もあります。

効率性と多様性、どちらを優先するのかは各組織で決める必要があるでしょう(どちらかだけを選ぶ、という話ではありません)。

もしもあなたの率いる、または属する組織が多様性を優先したいなら、様々な問題が起こりうることは覚悟してください。そしてそれらの問題は、ルールや仕組みではなく、「気づき」や「想像力」という、なんとも言語化しづらい力でしか解決できないことも、参考までに覚えておいて下さい。

次回は、「文化の違い」についてお話します。

植松

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