少年院生活の終わり
ついにこの日が来た。半年間の少年院生活。
社会生活の中では更生が難しいと言われた次男の矯正教育が終わる。
少年院を出たから終わりではなく、継続して保護観察はつづく。今回も前と同じ保護司が担当になり有り難かった。
次男には守らなければいけない遵守事項がある。
仕事をする、帰宅時間を守る、交通違反をしない
といった難しくない内容だった。
少年院を退院した次男は1番に散髪に行きさっぱりとした。すぐに友達にも会いに行った。
少年院で勉強していた原付の免許も取りに行った。
すると早速免許試験場から電話がかかり、
「未成年なのにタバコを吸っていました」と言われた。
保護者への電話だけで特にお咎めなしで済んだが、少年院を出てすぐだったこともあり私の心がざわついた。
次男が鑑別所、少年院へ行っている間に長男は大学へ進学し一人暮らしを始めていた。
夫、私、次男で長男のアパートを訪ね、近くで焼肉を食べてお店の人に写真を撮ってもらった。
全員笑っている今までの人生で一番大切な写真。
全く登場していないが長男の話もいずれ絶対に書きたいと思う。
非行の立ち直りには仕事をするといった社会とのつながりは特に大切だ。
少年院を出た後はすぐに働くことを勧められる。
少しゆっくりさせたかったが暇な時間があることは再犯につながる可能性が高いそうだ。
次男は保護司から紹介してもらった土木の仕事についた。
次男の保護司さんは地域で顔が利き、次男の更生のために努力してくれた。
新しい会社の社長さんも心ある方だった。
コンビニへ行くと必ず「何かいるか?」と声をかけてくれ、次男が断ると「遠慮するな」と勝手に何か買ってくると次男が話していた。
はじめての給料日にはじゃんけん大会をして最後まで残った次男は1万円をもらって帰ってきた。
誕生日にはプレゼントを用意してくれた。
お古の道具や保温の効くお弁当箱をくれることもあった。
若い次男がやる気を失わないよういつも気にかけてくれていた。世の中にはこんな人がいた。