見出し画像

いま、この人がおもしろい

 おもしろいってゆーのは、ユニーク、笑いのセンスなど、笑かす人のことではない。この先、どんな人になるのかワクワクする、愉しみであるが期待しているとは違う。こちらの想像の範囲を超えた人になりそうであるをひっくるめて、おもしろいと感じるティーンが何人かいます。その一人が、ラポールゆやで上演する子どもミュージカルのステージに登る莉緒さん。彼女のことは機関紙(ゆうゆう便り12月号)に挙げました。リンクはこちら

夢の続きは、夢の中

 俵山は幼児園と小学校が地区にあるけど、中学校、高等学校はありません。地区全体で850人程度の町です。中学生以上はスクールバスか路線バスに乗って通学。中学生は18名が俵山に暮らしています。彼らは市街地に建つ深川中学校まで、当法人が送迎する2台のスクールバスに乗って通います。俵山は中山間というより重山間。大きい車が入らない自宅が点在し、送迎に車両を2台走らせないと学校に連れてゆけません。送迎は俵山中学校が閉校した9年前から始まりました。
 俵山の世帯の特徴でしょうか、市内中心部と比べて核家族がほとんどありません。また、ひとりっ子も少なく、兄妹は3人が多い。そうすると、3人の子どもが順番にスクールバスを利用し、末っ子がバスを卒業するのに7年から9年かかります。その期間、家族を通じて学校やら家庭やら、あらゆる情報がわたしたちに届きます。中学校に上がる前の下の子たちの動向も何かしら聞こえます。バス送迎がきっかけとなった、一つのコミュニティが作られたと言うべきでしょうか。
 莉緒さんはイベントを通じた交流により、小学生時代から知っていました。すごく目立つタイプではありませんでしたが、溌溂とした身のこなし、対話に物怖じしない顔色から違和感を覚えたあの日。だけど、歌と演技をステージに上がって、伝える側に並ぶ人には見えんかったです。秘めた想いはそれぞれにあり、まだ上っ面に染み出してこない年ごろ。彼女の10年後の居場所がどこにあるかなんてわかりません。それでも愉しみ。

もうひとり、おもしろいのが居ます。
 就職先の内定を取り付けた卒業年度生ですが、航海コースで船の操縦やら機械、設備を学びながら選んだ先が陸の企業。在学中から船には乗りたくないと宣言(なんで航海コース選んだんや)。魚を触るのNGなくせに遠洋航海実習を幾度もこなし、同乗クルーがげろげろ船酔いしてもケロッとしている特異な体質。船の操舵が苦手と自白しつつ、接岸操作は上手い。企業の入社試験で乗る電車を間違え遅刻。担当面接官に愛されて事なきを得た。
来春から慣れ親しんだ俵山を離れ、600キロ東に動く。
さてさて、どうなりますか。