秋澄むや山を見回す人の眼も                           大串章

暑さが遠ざかると視野が広がり、広がる大空に繰り広げられる雲の流れに日々感嘆する。その下には、大地にへばりつくように息づく日々の暮らしがある。青い空と緑の大地の間には、凸凹と波うつ山の稜線が連なる。片雲の風に誘われて、漂泊の 思いやまず。大自然に囲まれた山への憧れが疼く。等高線を読み、コンパスを当て、山頂を目指す。見渡す限り険しい山々が広がる日本アルプス。なぜ山に登るのか。澄んだ心をとりもどすため。


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