甲賀衆のしのびの賭や夜半の秋                           与謝蕪村

忍者発祥の地と言えば、伊賀・甲賀。東に鈴鹿山脈、西に笠置山地に囲まれた山間の地は、時の権力者の亡命地であり、大和街道や東海道が通る東西の要衝として重要な地域。主君のために情報を集め、護衛する少数精鋭の忍者部隊は、決して表舞台に出ないが、オリンピックの選手並みに日夜訓練を重ねていたであろう。そのとき勝負を賭けていたと想像する。真剣でありながらふっと力が抜ける。蕪村が敬慕する芭蕉忍者説が脳裡を掠める。

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