そよそよと生きて来しなり春袷 山田みづえ

天候が不順である。記録的に暖かくなったり急に寒さがぶり返したり。人生の見本が身近にあるものだから翻弄される自分の姿も客観的になる。『北風と太陽』は示唆に富んだ童話である。冷たい北風には身を固くして立ち向かう。燦燦と降り注ぐ太陽には自然にからだがほぐれてくる。基準となる縦軸を上下に長くとれば、我が人生の曲線は横軸に寄り添うようにそよそよと波打っている。自然と笑みがこぼれてくるような春袷を纏いつつ。

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