冬もみじ晩年すでに始まるか 安住敦

青々とした広葉樹が、頭の方から紅葉してくる。次第におりていく。すでに全身黄色やら茶色に変身している樹もある。風にあおられてゆらゆら枝ごと揺れている。動いていないように見える樹も、見続けていると小刻みに震えているのがわかる。風に吹かれて裏返り表になり返りながらゆらゆらゆれ、ちらちらきらきら星が瞬くように煌いている。こんな感じに余生を生きられたらいいなあと感慨に耽る。くすんだ茶色も魅力的に見えてきた。

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