成り行きに任す暮しの返り花                           鯨井孝一

何でも見たがりで知りたがり屋である私は、返り花をよく見つける。落葉した太い幹に小枝を伸ばして咲く桜。ほんの一輪二輪なのに、目に留まる。思わず近づいてまじまじと見てしまう。強烈に惹きつける力があり、健気によく咲くものだと感じ入る。菊が群れ咲く中にまじって、小さな手毬のような花に違和感があり、近寄って見ると、ハイドランジア(西洋紫陽花)。他にも深紅が目立つグロリオーサなど。季節に囚われず咲きたいときに咲く。