にんげんの重さ失せゆく日向ぼこ                           小倉涌史

何もかも忘れさせてくれる開放的な日向ぼこ。ガラス一枚隔てた向こうが氷の世界であればなおさらこちらは別天地の心地よさ。煩わしい揉めごとに心が重く沈んでしまったとしても、まったりとした柔らかい日差しを浴びているうちに、次第にほぐれ溶け軽くなっていく。思い患うな、ケセラセラ。心身ともにリラックスして心が軽くなる。一回限りの人生をどのように生きるのか。縛り付けていた足枷がとれ自由の身になり執着心が消える。