【消費税増税】標準税率と軽減税率のカオス状態にウツワ巻き込まれる
令和元年(2019年)10月1日から消費税10%増税が予定されています。当店では、店内飲食とお持ち帰り両方可能なため、標準税率と軽減税率適用されます。「外食産業における消費税増税対策」について調べ、どのように対応すべきか検討しています。今回は現時点での考えを書いていきます。また今後対応内容が決まりましたらそちらもnoteで報告したいと思います。
消費税及び地方消費税の税率と時期
平成30年(2018年)4月1日現在法令等、令和元年(2019年)10月1日から消費税の税率が8%から10%に引き上げられる予定です。国税庁のサイトに記載がありましたので参照します。
今回着目すべき点としては、日本ではじめての軽減税率導入です。税率が商品やサービスによって異なります。
知ってる方も多いと思いますが、わたしたちが日頃認識している”消費税”は実は、”消費税(国)”と”地方消費税”の二種類から構成されているようです。調べるまで知らなかった。
現行の消費税率は、消費税6.3%と地方消費税1.7%を合わせて消費税8.0%として納めています。10月1日からは消費税7.8%と地方消費税2.2%を合わせて標準消費税10%、また軽減税率の場合は消費税6.24%と地方消費税1.76%を合わせて消費税軽減税率8.0%を納付する必要があります。
消費税の軽減税率ってなに?
軽減税率とは、特定の商品やサービスを標準の消費税率より低く設定することで支払額の負担を減らす目的で導入されます。ここでいう特定の商品やサービスですが一般的に生活に必要な食品類などが対象になります。海外では、アメリカ・イギリス・フランス・カナダなどにも軽減税率があり、各国対象となる商品やサービスが異なります。その国独自の生活に必要なものが垣間見えてきます。
日本における軽減税率対象品目
さて日本ではどのようなものが対象となるのでしょうか。
基本的には標準税率の場合サービスが伴う商品、軽減税率はサービスが伴わないもしくは教育や医療などの特定施設で提供される商品については適用されるものもあるようです。なぜか新聞は軽減税率が適用されていて数年前一部では大問題になりましたがしれっと入ってきています。
【お客様】持ち帰り8%、店内飲食10%の考えられる懸念点
テイクアウトや出前が軽減税率対象品目で、店内飲食やケータリングなどが標準税率なのかです。なぜなら、外食・中食どちらも提供する事業者はサービスを伴います。お客さまは自己負担額が少ない方を選ぶのは当然。なので通常であれば、”持ち帰り”のご注文が増えることが予想されます。
ただ、”持ち帰り”と注文、お支払い後”店内飲食”されるケースも必ず出てくると考えられ、その場合わたしたちはどのように対応するべきか。なぜなら”店内飲食”としてお支払いいただいた方は”持ち帰り”としてお支払いいただいた方より多く支払っているにも関わらず、どちらも店内ご利用となれば不公平になるからです。
【事業者】持ち帰り8%、店内飲食10%の考えられる懸念点
“持ち帰り”も”店内飲食”どちらも材料費や人件費や賃料などの諸経費、そして売上から消費税も納付します。”店内飲食”の場合は場所や施設使用料が掛かります。その点”持ち帰り”の場合、店外でお召し上がりになる分にはこれらの費用は事業者にとって負担とはなりません。
ただ、忘れてはいけないことは持ち帰り商品には必ず「資材費」が店内利用者以上に掛かってしまう点です。
例えば、ウツワでおむすびブリトー1点お持ち帰りいただく場合の資材は包装紙(14円)・シール(3.5円/ロゴ版代除く)・ビニール袋(1.6円)・紙ナプキン(0.6円)・お手拭き(4.6円/ロゴ版代除く)・保冷剤(10円/有料)が掛かります。保冷剤を抜くと資材費だけで24.3円[税別]が掛かっています。
一方、店内飲食の場合、資材費は耐油袋(2.6円)と紙ナプキン(0.6円)・お手拭き(4.6円/ロゴ版代除く)の資材費7.8円[税別]を提供する毎に掛かります。ただ、食器類の購入費用や提供しているお水、食器を洗う水道代や洗剤、人件費の費用は含みませんが。
ここでわかるように原材料とは別の資材費が都度費用として発生し、お持ち帰りが増える度に店側にとっては大変な負担です。もし同じ商品にも関わらず、軽減税率対象のテイクアウトが増えてしまうようであれば全体の値上げも検討しなければなりません。
外食産業の消費税対応の違い
先日、大手コーヒーショップ「スターバックスコーヒージャパン」は軽減税率制度対応を発表しました。
税率8%の持ち帰りと、税率10%の店内飲食をそれぞれ別の税込み価格で販売
つまり同じ商品であってもお持ち帰りの方か、店内でお召し上がりの方かによってお支払い金額が異なることになります。
外食産業では、税抜価格を調整し、持ち帰り、店内飲食どちらの場合でも最終的にお支払い価格が一律になるよう対応する事業者もいるようです。
あの人気店スターバックスコーヒーがテイクアウト・イートインそれぞれ別の税率で販売することでどのような影響があるのか興味がありますし、他の店舗の対応も気になります。
食品廃棄0とゴミを少なくを目指して
日々大量のゴミを出すわたしたちですが、少しでもその量を減らすよう日々試行錯誤しながら営業しています。それは資材だけに限りません。
食品に関して、努力の甲斐あって廃棄が少なくなっています。提供方法や調理のタイミング、仕入れもですし、お客さまのご要望を伺いながら適量をご提案。有難いことに返却されたお皿を見るとほぼ完食されています。
もし、軽減税率によってお持ち帰りが増えることになれば、使用する資材が増えて不要なゴミが増え兼ねません。
店舗のすぐ近くに公園がありますが、ゴミ箱以外のポイ捨てされる可能性も残念ながら容易に想像できます。
・ウツワとしてはロゴが入ったものが落ちているだけでイメージを損なう。・お米やソースがついた包装紙によって虫が発生し、衛生面も悪化。・小さいお子様やペットなどが誤ってその商品を口にし、体調を害した場合誰がその責任を取るのか。(お店になるんだろうか...)・ゴミの廃棄費用を誰が負担するのか。・ゴミを誰が掃除するのか。・環境汚染に繋がる。
お客さまのことを考えると負担額が低いテイクアウト用の軽減税率8%で提供すべきかもしれませんが、ざっと考えただけでもこんなにも懸念点があります。店を運営する立場としては「”お持ち帰り”でも”店内利用”OK」とすることはできません。脱税ももちろんしません。
お客さまの負担額の違いによって不公平になるような状況を極力避けたいです。スタッフのオペレーションの問題も抱えており、一律料金の方が混乱が少ないのではとウツワとしては考えています。
あと3ヶ月足らずで決断と対策。もしメニューや看板などのツール類を一新するならその費用も掛かってきます。またお客さまにも税率の説明が必要となり、オペレーションも大変になるでしょうね。
どちらにせよ増税前、増税後の影響が恐ろしいです。
おわり
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