高地啓吾、純国産ロックとしての「葛藤」と「誇り」-前編-

※以下の文章は全てフィクションです。実際の団体、個人とは一切関係ありません。

 ラグビージャパンリーグ2019-2020、現在3勝1敗の4位タイで第五節を迎えるのは、昨年16チーム中12位と低迷を見せた柏オリオンナイツだ。今年のオフシーズン、チーム内での意識改革に努めたオリオンナイツは、さっそくその結果を他チームに見せつけている。

 今回、そんなオリオンナイツの原動力の一人である選手から話を聞くことができた。

 彼の名は高地啓吾。現在入団3年目の若手選手でありながら、昨シーズンから今シーズンにかけてはオリオンナイツ不動の4番として八面六臂の活躍を見せている。190㎝/105㎏という恵まれた体格と献身的なハードワークでチームをけん引する25歳は、早くも「次世代を担う純国産ロック」として次のW杯の日本代表候補として注目されている存在だ。

 果たして次世代を担う若武者はオリオンナイツを、そして日本代表をどのように考えているのだろうか。


ーーシーズン中の忙しい中、インタビューをお受けいただき、ありがとうございます。

高地「こちらこそ自分なんかを取り挙げていただき、ありがとうございます。答えられることは何でも答えていきたいと思うので、よろしくお願いいたします。」

ーーありがとうございます。早速ですが、高地選手は今年のオリオンナイツの好調をどのように受け止められていますか?

高地「まだ序盤の四節が終わったところなので何とも言えないですが、チームの意識改革の結果が出ていると思います。耐えるところを耐え、押すところで押し切る、という意識が全員で共有できていて、その上でキャプテンの央樹(飯島央樹選手・HO)を中心に全員がハードワークできている、というのが大きいんじゃないでしょうか。」

ーーその中で高地選手が今シーズン心がけていることはありますか?

高地「そうですね、今年は同じポジションにピート(ピーター・マクドネル選手・LO)という大きな存在がいることもあって、スクラム・ラインアウト等、セットプレイに安定感が増したような気がします。なので自分はもっとフィールディングを活かしたプレイができるように心がけてはいますね。」

ーーその結果が山陽ブラックホエールズ戦での決死のタックルだったというわけですか。

高地「あれは少し出来過ぎでしたけどね(笑)。自分がすべきことをしっかりできたんじゃないかと思います。あの試合の時はマツ(松本裕司選手・WTB)とリッキー(エリック・バーコウ選手・SO)の調子が非常に良かったので、FW陣がしっかり守り切ればBK陣で押し切って勝てるビジョンが見えていました。」

ーー逆にここまでの四試合で高地選手が課題に感じていることはありますか?

高地「そうですね…自分としてはまだまだプレーの粗さが目立つかな…と思いますね。」

ーーと言いますと?

高地「敗北した姫路アイアンズ戦でのインターセプト(パスをカットしてボールを奪うプレイ)が一番顕著ですけど、細かいプレイにまだ若干の苦手意識があるんだと思います。もっと細かいプレーを突き詰めていかないとこれから先勝ち抜いていくのは難しいかもしれないですね。」

ーーこの先五節、六節と昨シーズンで6位、8位となっていた蔵前重機ブルーギガンツ、オオタヴェリオンズとの対戦が続きますが、高地選手はこのカードについてどのようなビジョンをお持ちでしょうか。

高地「両チームとも世間では格上と言われてるチームですが、序盤で格上に二勝できているので、やることをやれば勝ち切れる自信があります。
 ブルーギガンツに関しては本当にFWが強いチームなので、いかに攻撃で横に展開できるか、いかに縦に押し込まれないか、というのがポイントになってくると思います。
 ヴェリオンズは今シーズンになってスタメンが安定していないところを見ると色々試してるみたいですね。元々選手層が厚いチームなので、何というか、引き出しが多いんですよ。相手への対策とプレーが後手後手に回ってしまうと相手のペースで試合が進んでしまうので、早い段階からしっかり作戦を組む必要があると思います。」


後編では高地選手の日本代表への思い、そして昨年ご結婚された高地選手の私生活に迫る。


取材・文/長倉収蔵

高地啓吾(たかち けいご)
1995年2月11日・千葉県生
身長190㎝/体重105㎏
翔栄学園佐倉高校・翔栄学園大学卒業。柏オリオンナイツ所属。
ポジションはLO(ロック)。


 

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