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『蜜のあはれ』(室生犀星)

【朗読教室ウツクシキ】
2022年11月オンライングループレッスン
*アドバンスコース
毎月一人の作家を取り上げてご紹介していくコースです。朗読のレッスンだけでなく、作家の人生や作品が作られた背景などを学び、テキストをより深く味わうことができます。都度自由参加ですが、1年経つと12人の作家について知ることができ、広大な文学の世界へ地道な朗読を積み重ねてアプローチしていきます。

|朗読テキストを考える|

『蜜のあはれ』(室生犀星)

「金魚というものは泳ぎながら、みんな何時でも睡っているんだ、口をとじたままでね。」
「それからタクシーに乗ったら、燐寸(マッチ)一つ貰いました。お釣銭を貰おうとしたら、手を握られちゃった。言い分が気障(きざ)じゃないの、お嬢さまのおてては何ておつめたいんですと来た、あたい怖くなって、さよならと言って降りたわ。」
ー(本文より)ー

小学生の娘が、時々小説を書きます。お願いしてそれを見せてもらうと、物語は全て会話で進行していて、地の文がありません。でも、面白い。進行に必要な情報は会話の中で十分事足りていて、ぐんぐん読み進んでいけるのです。考えてみると現実世界には地の文はありません。誰かとの会話と、周りの映像 ー言葉にする以前のものー で進んで行きます。その映像も、見えていながら認知していない時さえありますから、会話で進む物語というのは本当はとてもリアルなものかもしれませんね。

そんな室生犀星ですが、10月にとりあげた萩原朔太郎と仲が良かったそうで、手紙のやり取りをしたり、金沢から群馬県前橋までわざわざ会いに行ったりしていたそうです。朔太郎の描く『猫町』の凝縮した文体とはまったく異なりますが、仲良しってきっとそんなもの・・・。

11月のアドバンスコースは、金沢生まれの作家、室生犀星の『蜜のあはれ』です。幻想文学に漂う色気ともどもご一緒できますのを楽しみにしています。

|11月のアドバンスコース|
 11月18日(金)20:00~21:30 (夜) 
 11月23日(水・祝)20:00~21:30 (夜)
|お申し込み・詳細|
お申し込みはメールで受け付けております。utukusikirodoku@gmail.com
詳細は下記WEBをご参照ください。
http://utukusiki.com/202211_online/

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#岡安圭子

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