『氷河鼠の毛皮』(宮沢賢治)
【朗読教室ウツクシキ】
2022年12月オンライングループレッスン
*ビギナーコース②
ビギナーコース②は、宮沢賢治の作品を毎月一作品づつ紹介していきます。継続して受講していただくと、様々な賢治の作品に触れることができます。
一度ご紹介した作品はビギナー①でときどきご紹介したり、個人レッスンでも随時受講可能です。
12月のテキストは、『氷河鼠の毛皮』(宮沢賢治)です。
|朗読テキストを考える|
このおはなしは、ずゐぶん北の方の寒いところからきれぎれに風に吹きとばされて来たのです。氷がひとでや海月やさまざまのお菓子の形をしてゐる位寒い北の方から飛ばされてやつて来たのです。
十二月の二十六日の夜八時ベーリング行の列車に乗つてイーハトヴを発つた人たちが、どんな眼にあつたかきつとどなたも知りたいでせう。これはそのおはなしです。ー
まもなく師走を迎えます。この物語では、(このnoteを書いている月と同じ)12月の26日夜8時に出発するベーリング行きの列車の中で起こる出来事が描かれています。
宮沢賢治の作品には、たびたび日付が登場します。
例えば先月の「雨ニモマケズ」は、その本文が書かれた手帳に添えられた日付から、以前は「11月3日」と呼ばれていたものでした。『風の又三郎』では各章のタイトルが9月1日から始まる幾つかの日付ですし、あるいは『水仙月の四日』では、「水仙月」という架空の月の名前も登場します。
日付は一見単なる数字にすぎないものですが、その数字が含む季節や現代との共通項みたいなものが、物語に想像の膨らみをもたらします。(余談ですが、「無印良品くらしのラジオ」でも、最後に読み上げる掲載日から「こんなに前に書かれた文章だったのか!」とハッとする、と言われることが少なからずあります。その年月に、コラムが暗示していた未来、というものを想起させるようです。)この物語の「12月26日夜8時」というのもやはり、冬至を迎え本格的な冬であることや、クリスマスの翌日であることも少なからず意味合いを膨らませることがありそうです。
12月のビギナーコース②は、『氷河鼠と毛皮』です。少し遊び心も含んで、12月26日夜8時のレッスン回も設定してみました。ぜひベーリング行きの列車に乗り込む想定で、朗読教室へご参加ください。お待ちしております。
|12月のビギナーコース② 『氷河鼠と毛皮』|
12月3日(土)20:00~21:30 (夜)
12月6日(火)13:00~14:30 (昼)
12月9日(金)15:00~16:30 (昼)
12月14日(水)13:00~14:30 (昼)
12月21日(水)20:00~21:30 (夜)
12月26日(月)13:00~14:30 (昼)
12月26日(月)20:00~21:30 (夜)
|お申し込み・詳細|
お申し込みはメールで受け付けております。
utukusikirodoku@gmail.com
詳細は下記WEBをご参照ください。
http://utukusiki.com/202211_online/
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