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200万分の1を勝ち取った話し

定時だろうと残業だろうと帰ってきての第一声はほとんどこうだと思う

〇:あ〜疲れた〜

疲れない仕事など無い、楽な仕事などない

楽になったのはそれまで沢山努力し成果を上げてきたからだ

最初から楽な仕事などあれば皆そこで働いている

日々人への気配り、上下関係、ミスが無いようにする集中力

そこに日本人は毎日8時間滞在している

疲れないわけが無い

だがその後のプライベートでどれだけ疲れを取るかが生きる道だと実感した

〇〇は即座に手洗い、風呂を入れてその間に料理の下準備をする

その間も音楽を聴く、当然好きな乃木坂46の歌だ

〇:It's a single life!! あ、やべ風呂はいろ

風呂、飯、片付け、乃木坂

何も無いかのように思えるが〇〇にとっては乃木坂は人生の支えになっていた

〇:美月可愛いなぁ……ドラマとはいえあんなこと言われたらイチコロだろ。

あ〜なんかの間違いで会えたりしないかなぁ〜

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美月:よっ

〇:……ホントにいた

美波:怪しいと思ってたの??

史緒里:君の為に時間空けたんだよ??

〇:なんでこうなった。

遡ること2週間前〇〇のポストにあるハガキが届いていた

〇:なにこれ……当選した?? 

なんか応募したっけ、えーとえーと……え、嘘でしょ??

〇〇が応募したのは1日推しメン3人と会えるイベントだった

総応募数は200万を超え、当たる人は1人だけだった

〇:あれ当たったの。え、まじ?!やったー!!

推しメン3人かぁ、まずは美月、あとどうしよ

せっかくだしこの3人にしてっと

推しメン3人を書いて送り返し集合場所はもう記載されていた

そしてそれから2週間後

会場だと思っていたのだがまさかのマンション

怪しさが大きくなるがインターホンを押した

美月:よっ 〇〇君だよね??

〇:はい

美月:よし、入って入って

〇:あ、お邪魔します

美月:来たよ〜

美波:お、〇〇君おかえり

史緒里:おかえり〜

〇:あ、どうも。

美月:そこは、ただいま、でしょ??

〇:た、ただいま……

美月::よしっ じゃあ何したい??

〇:え、何って言われても。

美波:まぁやれる事は限られてるけどね

史緒里:まずご飯作る??

美月:ありっ 何食べたい??

〇:何って食材がもう餃子用しか……

美波:お、鋭いね 料理得意??

〇:まぁ、

史緒里:じゃあ皆個々で作って誰の餃子か当てるクイズしようよ!

美月:いいねー!!

美波:外した人は皿洗いね

〇:僕不利なんじゃ、

3人:料理開始ー!!

〇:ホントプライベートに参加してるみたいだ。

3人は黙々と作り始めた 〇〇は作るのは勿体ないと思い作り姿を目に焼き付けていた

美月:私たちが作ってる姿見ておきたいの??

〇:え、あ、まぁ。

美波:まぁ、二度と見ることないだろうしね

史緒里:梅、夢壊すね笑

美波:だってこの3人が〇〇のこと好きになると思う??

〇:確かに……

美波:でしょ?? 天変地異起きんないとないよ

美月:それは分かんないじゃんっ 私が恋するかもよ??

史緒里:出た、アイドルの釣り

美月:ふふっ 本気かもよ??

〇:いつも見てるやつだ

美波:これを本気にはしない方がいいよ

〇:分かってても、好きになるんですよ

美波:ふふっ そっ

美月:〇〇のために頑張って作るねっ

史緒里:いや、ホントすごいわ

美波:ほんと、ファンの前では絶対アイドルだからね

それから3人は黙々と餃子を作り〇〇は作ること無くずっと眺め続けていた

美月:できたぁ〜

美波:これ私達も自分の分からなくない?

史緒里:形も一緒だしね

美月:運んでくれるの手伝ってくれる??

〇:はい!!

史緒里:なんか新鮮だね笑

美波:あまり違和感がないね笑

美月:よーし!じゃあ〇〇君っ どれか当ててみよっか

〇:………外したら皿洗いですもんね??

美波:そうだけど、推しメンの料理外すのは、ねぇ〜

〇:美波さん?!

史緒里:まぁでも仕方ないかぁ〜食べたことないし〜それにそこまで愛が伝わらなかったって事でっ

〇:……史緒里さんまで。

美月:大丈夫っ 自分を信じてっ

〇:はい、いただきます うまっ

もう一個食べて決めていいですか??

美波:いいよっ

〇:これがしお……

ーーーーーーーーーー

史緒里:先トランプやってるねぇ〜

〇:くそぉ!! 美月さんのは当てれたのに……

美波:外したのに変わりは無いからねー

美月:ふふふっ 可愛い

3人:え??

美月:え?? なに。

史緒里:いや、なんでも

美波:よし、ババ抜きしよう!

史緒里:さんせーい!!

美月:私カード切る!!

〇:まぁ、これも1つの思い出かっ

美月:よっ

〇:うわっびっくりした

美月:どう??もう終わりそう??

〇:はい、後ちょっとです

美月:そっか ありがとね

〇:いえいえ、作ってもらったので。

美月:優しいね ねぇ、私が卒業するって言ったらどうする??

〇:え……そりゃショックですけど、でも僕はどこで何してようと応援しますよ

アイドルの山下美月じゃなくて、山下美月が僕は好きなので。

美月:ふふふっ 自分で言って照れてるじゃん笑

〇:そら、本人に言うのは恥ずかしいですよ……

美月:そっか、でもありがとうね

乃木坂に入って良かった。

よし、あっち行こ!!

〇:はいっ!

史緒里:何話してたの??

美月:2人だけの秘密っ

美波:まさか、口説いてたの??

美月:さぁ??

史緒里:え、なになに教えて

〇:秘密なので、笑

史緒里:色染められてるじゃん笑

美波:まぁ、いいけど、じゃあやるよ!!

4人は揃ってるカードを減らしていき美月が6、史緒里が5、美波が4、〇〇が6となった

ジャンケンで史緒里、美波、〇〇、美月の順番になった

中々揃わず苦戦する4人

史緒里:えっ、1周して揃い無し??

美波:ある意味すごいよ笑

〇:ババは動いてるんですかね

美波:どうだろ、美月が持ってそうだけど

美月:さぁ??

史緒里:あっ揃った

美波:え〜揃わない

〇:よしっ はいっどうぞ

美月:ババ持ってる??

〇:持ってませんよ??

美月:じゃあ、これが私の持ってるカード??

〇:それは分かりませんよ笑

美月:あ、そっか笑 それ!! よしよし、

史緒里:絶対美月じゃーん!

美月:違うよ〜??

史緒里:うんうん、はいっ

美波:こわっ

1抜けしたのは……

〇:よしっ、あがりっ

美波:負けたっ あっ揃った はい美月

美月:うわぁぁぁ 一騎打ちじゃん

史緒里:絶対負けない。

美月:さ〜どれでしょ〜

史緒里:これ!!外した〜!

美月:よしっ

史緒里:どれでしょう〜

美月:ん〜これ??こっち??

史緒里:…………

美月:これだ!!やったー!!

史緒里:うわ〜!!まけたー!!

もっかいしよ!

美波:いいよ笑

美月:〇〇いーえーいっ

〇:やりましたねっ!

美月:うんっ!!

その後〇〇が最下位になるまでトランプは続いた

〇:今日はありがとうございました。楽しかったですっ

美月:ほんと??良かった

美波:普通の休日みたいになっちゃったね笑

史緒里:同期だから仕方ないよ笑

美月:なら最後に……

3人は〇〇を囲み抱きしめた

〇:うおっ

美月:今日はありがとう

史緒里:また会いに来てねっ

美波:待ってるよっ

〇:は、はい!!

美月:またね〜

〇:ありがとうございました。

こうして一日が終わった

そして数ヶ月後山下美月の卒業発表があり更に1年が経過しようとしていた

今の隣には彼女がいる、2000000分の1を勝ち取った日から1年経ったがそれを遥かに更新し、75億分の1を手に入れた

〇:おはよっ 美月

美月:おはよ〜 今日休みになったんだけどどこ行く?!

〇:ゆっくりしなくていいの??

美月:何言ってるの!出かけるよ!!はやく!はやく!

〇:分かったから!ちょっと待って!

美月:置いて行くよー!

〇:車出すの僕なのに??

美月:待ってる……

〇:ふふっ ありがとっ

実はあの日ポケットに連絡先が入っておりそこから卒業後付き合うことになり同棲も始めた

美月はアイドルを卒業したが僕の前では未だにアイドルなのだ

〇:お待たせ 行こっか

美月:うんっ 運転お願いね??ダーリンッ

【完】




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