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片想いだった子と同窓会で再開したらまさかのアイドルでした

男:よ!!〇〇!こっちこっち!!

男1:久しぶりだなぁ 元気にしてたか??

〇:うん ごめん 全然連絡取れなくて

男:気にすんな 漁師になれたのか??

〇:うん、まだ新人だけど、

男1:夢叶えたのか そういえば今日同窓会にアイドル来るらしいぞ

〇:アイドル?? ゲストで??

男:違うよ 同じクラスだ

〇:そうなんだ

〇〇は高校を卒業すると北海道に引越ししテレビやメディア等ほとんど見ずにこの5年過ごしてきた

同窓会は30人集まりアイドルという子だけがまだ着いてなかった

〇:どんな子なんだろ 

男:ほんと何にも見てないんだな

男1:楽しみにしときなって

〇:う、うん

女:もうすぐ来るってー

男:ならとりあえず人数分の飲み物頼むか!!

まとめ役がいることで同窓会もスムーズに進み料理も着々と並んできた

??:ごめん おまたせ

男:お、きたきた うわ、テレビの人だ

男1:〇〇挨拶しに行きなよ 滅多にないぞ

〇:え、誰……

男:おま、まじか。まぁ無理もないか全然見違えるほど可愛いしな  遠藤さくらちゃんだよ

〇:…………え、え?!

男1:ほら、行ってこい!

〇:あ、え、ひ、久しぶり、覚えてくれてる??

さくら:〇〇君だよね、久しぶりっ 元気にしてた??

〇:う、うん。凄く雰囲気変わったね 誰か分からなかったよ

さくら:そう、かな。いい女の子になれてるかな

〇:可愛くなってる

さくら:へへっ 嬉しい 隣いいかな??

〇:あ、うん

男:俺らちょっとあっちの方行ってくるわ

男1:久しぶりに会えたんだから連絡先聞いとけよっ

〇:え、あ、ちょっと!

男二人は〇〇にグーサインを出して他の女の子の所に行った

〇〇とさくらで2人きりになり、まるで初対面かのような喋り方をしていた

〇:アイドルになったんだって?

さくら:うん 知らない?? 乃木坂46って言うアイドル

〇:ごめん、ずっと仕事でテレビとか全く見てなくてさ、

さくら:そ、そうなんだ

〇:え、こんな有名なんだね 来て大丈夫なの??

さくら:え?? う、うん 皆は黙認してくれてるしそれに……

〇:ん??

さくら:ううん!!なんでもない!!

ちょっと飲み物取ってくるね!

〇:あ、分かった

6年前……

吹奏楽部に入り個人練習の時間があった

でもそれは私にとって苦痛の時間だった

自分に音色に自信がなくて中々曲の練習に入れなくなっている時あの人が声を掛けてくれた

〇:音色綺麗だね

さくら:あ、え?? すみません!!勉強してる所で

〇:ふふっ ずっと居たんだけどね笑

さくら:え?? す、すみません!! すぐ出ます!

〇:あ、待って 遠藤さくらさん、でしょ??

ずっと読書してる

さくら:あ、はい

〇:音楽好きなの??

さくら:はい でも自分の音色が好きじゃなくて。

〇:そんな事ないよ 凄く透き通った音してるよ

真っ直ぐで綺麗な音  少なくとも僕はその音好きだよ

さくら:えっ……

この言葉のおかげで私は大きくかわれた

そしてずっと音色を〇〇に聞いてもらっていた

私にとって友達であり初恋の人でもあった

それは今になっても変わってない

さくら:おまたせ

〇:うん お酒呑めるの??

さくら:うん、結構好き、かな

〇:え?!ほんと?! オススメのお酒ある??

そこから同窓会というより2人だけの世界に入りずっと会話をしていた

5年前までしていたことが再び出来ていることに嬉しく思えた

時刻は22時をすぎて他のメンバーは二次会行くことに……

〇:明日も仕事なんだね、頑張ってテレビ見るようにするよ

さくら:あ、あの!!

〇:ん??

さくら:また会える??

〇:どうだろうなぁ 漁師は忙しいから難しいかもね

さくら:そ、そっか。

〇:今聞くのはあれかもだけど、もしかして勘違いだったらごめん 

さくら:どうしたの??

〇:僕らもしかして両想いだったりした??

さくら:…………

〇:ご、ごめん!!思い違いだったね! じゃあね!!

気まづくなり〇〇は走り出そうとした時さくらは咄嗟に〇〇の上着をギュッと掴んだ

〇:え、

さくら:言葉は言えないけどこれが答えだよ

答え合わせ出来て良かったっ  それぞれの道で頑張ろ!!  じゃあね!!

〇:ふふっ うんっ  じゃあね さくら

さくら:うんっ!!

こうして同窓会の幕は閉じた

そしてアイドルと漁師としての道を歩み続けた




〇:うぅぅぅ さっむ  東京も寒いのは変わらないな

かえって早く魚捌きてぇ〜 今日は鰹だからあのお酒買おっと

遥香:さくちゃん今日何鍋にする??

さくら:ん〜どうしよっかなぁ あ、かっきーちょっと先行ってて!!

遥香:え、さくちゃん?!

あやめ:女の子の顔になってた

遥香:あの歩道橋に居てる人??

あやめ:かもしれないね

さくらは懸命に歩道橋の階段をのぼり人間違いかもしれないが大きな声で呼びかけた

さくら:あの!! 

男:はい??どうかされました??

さくら:あ、すみません 人間違いでした。

男:いえいえ

さくら:見間違いだったのかな……

〇:さくら!!

さくら:え……

〇:はぁはぁ降りきった後にさくららしき人が見えたから向こうの信号渡って来たんだよ

さくら:………もぉ 恥ずかしい思いしたじゃん

〇:ごめんごめん  卒業おめでとう

さくら:ありがとう

〇:良かったらさ鰹捌いて呑もうと思うんだけど、どう??

さくら:あ、でも今日は……

遥香:いいよ さくちゃん 行っといで

さくら:かっきー

あやめ:さくの気持ち優先していいよ 

さくら:………じゃあいってもいいかな??

〇:もちろん さくらをお借りします

遥香:何かしたら許さないからな??

〇:あ、あはは そんな事しませんよ

あやめ:その前にさくがなんかしそうだけどね笑

遥香:うわ、乙女さくちゃんだ

さくら:いこ??

〇:う、うん

さくら:あの時アイドルだから言えなかったのもあったけど恥ずかしくて言えなかった

でも今なら言える

貴方のことが初恋の人でした

〇:え………

さくら:今もずっと気持ちは変わらないよ 

さくの大好きな人だから

〇:そ、そっか……

さくら:あれ、照れてる?? 顔真っ赤だよ??

〇:ま、マフラーのせいで暑いからだよ!

さくら:へへへっ 

2人は手を繋ぎ、少し経つと恋人繋ぎをしながら家に向かった

それからさくらは芸能界を引退し漁師と結婚したと元メンバー内で噂が回った

[完]



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