怖さの裏には優しさがある
〇:今日からお世話になります 白石〇〇です
よろしくお願いします!!
飛鳥:じゃあ君の担当はぁ、梅〜
梅澤:はいっ
飛鳥:この子、よろしく
梅澤:分かりましたっ〜 梅澤美波、よろしくね??
〇:よろしくお願いします!!
期待を胸に就職出来た大手企業、頑張って勉強したかいがあった
さらにお世話を見てくれるのは高身長で美人な人
〇〇は全く嫌とは思わず懸命に働いたのも僅か1ヶ月
仕事は着々と覚えていったが同僚の男と仲良くできず毎日1人で弁当を食べたりしていた
他の同僚達は仲良くしているのに上司が梅澤美波だった事に嫉妬感を抱かれたのか喋りかけてくれなかった
そしてある日からある人の態度が変わった
〇:チェックお願いします。
梅澤:どれどれ、これ、誤字あるけどちゃんと見たの??
〇:あ、すみません
梅澤:ここ!!改行してって言ってるよね?!
〇:すみません!!
梅澤:そこの説明は資料使う!!
〇:すみません!!
今までは優しくやり方さえ教えてくれた梅澤さんが怒るだけで何もしてくれなくなった
社会人として甘えすぎていたのだと〇〇は思い必死にパソコンの使い方や資料の作り方など勉強していた
この会社に残業という概念は無く即帰宅だった
会社と言うよりは……
飛鳥:はいっ 定時〜 全員帰れ〜鍵閉めるぞ〜
〇〇どうした??
〇:すみません もうすぐで終わりそうなので終わらしてから帰ります
梅澤:鍵なら私閉めて帰りますよっ
飛鳥:おう、じゃあよろしく 程々にしとけよー
〇:お疲れ様です!!
梅澤:お疲れ様です〜
〇〇はせっかくの一人の時間が無くなり少しテンション下がっていると梅澤は何も言わずにカバンだけ置いて部署を出た
〇〇はそれに気づかず夢中で資料を作っていた
〇:冷たっ!!
梅澤:ふふふっ どうぞ??
〇:え、あ。すみません あ、お金、
梅澤:いいのいいの これくらい
〇:すみません、いただきます
梅澤:どう??終わりそう??
〇:まぁ、もうすぐで、
梅澤は気になったのか僅か20cmぐらいの距離まで近づいてきた
梅澤:お、良いじゃん 成長したねっ
〇:ありがとうございます。
梅澤:最近、どう??同僚とは
〇:最近初めて喋りました笑
梅澤:ほんと?! 何話したの??
〇:趣味のこととか色々と笑
梅澤:おーいいねぇ そういえば〇〇君甘党なんだよね??
〇:あ、はい
梅澤:いいお店知ってたりする??
そこから〇〇と梅澤はプライベートでの会話が多くなった
だが仕事中は変わらず……
梅澤:〇〇!!これは違うって言ってるでしょ!
〇:すみません。
男子:なんか、可哀想だな、美人なのにめっちゃ怒るし
男:流石に心折れて辞めるけどな……
昼休憩
男子:〇〇
〇:あ、はい
男:ちょっと飯行こうぜ
〇:あ、分かりました
男子:ぶっちゃけさ、嫌いだろ??
〇:え??
男:美波先輩の事だよ あんなに毎日怒られて嫌じゃないの??
〇:まぁ、でも悪いのは僕なんで……
男子:時には反論することも大事だぞ??
男:聞いてるこっちまで怒られてるみたいになるしな
〇:すみません、ご迷惑おかけして
男子:いやいや、そういう訳じゃなくてな??
先輩に折り入ってもなんも言わないし飛鳥部長もスルーだし案外ブラックなのかもな??
男:大企業なほどあるっていうしな
辛いことあればここで吐き出せよ? 俺らだけの秘密だからさ
〇:うん、ありがとうございます
男子:同僚なんだから敬語無し 助け合いっだろ??
〇:ありがとう。
その日から職場でも3人が会話をしている姿を見て一人の人は微笑んでいた
会社に通い半年が経った頃〇〇はプライベートで梅澤と会う約束をしていた
〇:さっむ……あっつ!!
梅澤:ふふっ お待たせっ 行こっか
〇:直は火傷しますって笑
梅澤:ごめんごめん笑
たまたま2人が空いていた日が12月24日だった為周りも男女が多く見えた
梅澤:やっぱりクリスマスだから多いね
〇:カップルばかりですもんねぇ
梅澤:もしかしたらうちらみたいな関係の人達かもよ??
〇:それ言われたら分かりませんね笑
梅澤:でしょ??
2人でレストランでご飯を済まし予約していたスイーツを買って〇〇の家に訪れた
〇:どうぞ、
梅澤:おじゃましまーす なにも、無いね笑
〇:ゲーム機ぐらいしか笑
梅澤:趣味見つけないとダメだよ??
〇:はい。
梅澤:スプーンある??
〇:えーとここに
梅澤:ありがと 食べよっか
〇:あ、はい
梅澤:あ、お皿に移した方が良かった??
〇:あ、いや。女子力高いので移すかなと笑
梅澤:すぐ食べるしいいかなって笑
〇:同感です笑
梅澤:いただきますっ
〇:いただきます
梅澤:うわっ 何これめっちゃ美味しい
〇:このスポンジと生クリームがいいんですよね
梅澤:ふふふっ ほっぺにクリーム付いてる
〇:え、ほんとですか??
梅澤:ほらっ とれたっ
〇:ありがとうございます笑
1つのホールケーキをつついて食べていたがあっという間に無くなってきた
〇:イチゴ食べます??
梅澤:いいの??
〇:全然
梅澤:やったぁ うんっ おいひ
〇:良かったです笑
その後もゆっくりして時刻は23時になろうとしていた
〇:あ、梅澤さん、時間大丈夫ですか??
梅澤:あ、もうこんな時間?! ちょっと居すぎちゃったね
明日遅刻しないようにしないとね
〇:頑張ります笑 梅澤さん送りましょうか??
梅澤:ううん 大丈夫 じゃっまた明日ねっ
〇:はい。
梅澤はそのまま帰宅し〇〇は勇気が出せず悔やんでいた
2人は遅刻すること無くいつも通り仕事をしていると
飛鳥:梅〜〇〇〜ちょっと来て〜
2人:はいっ!!
飛鳥:次回の会議で案発表して貰うかどうか決めるからとりあえず資料作っといてくれる? 2週間で
梅澤:了解です
〇:分かりました
飛鳥:戻っていいよん
〇:会議で……
梅澤:初めてだもんね 一緒に頑張ろ
〇:はいっ
梅澤:じゃあとりあえず一通り作っといてくれる?? 私は何も言わないから
〇:あ、分かりました
その日から〇〇は家で黙々と資料を作っていた
夜遅くまでしている為目にクマなどが出来ていた
そして資料が半分ぐらいできた頃には1週間が経過していた
〇:2週間ってこんな短いのか。
梅澤:〇〇ちょっと
〇:はい
梅澤:どう??資料出来た??
〇:いえ、まだ半分です
梅澤:まだ半分?! 他の子はもう出来てるのに?!
そんなギリギリ完成してどう修正するの!!
〇:すみません。
男子:いたっ
美月:ボーッとしない 君は早かったけど訂正箇所多すぎるんだから
男子:すみません。
史緒里:うんうん、いいね あと細かい所は話して決めようか
男:はいっ
梅澤:はぁ……ちょっと鍵貸して
〇:鍵、ですか??
梅澤:君の家の
〇:あ、はい
梅澤:今日完成するまで帰さないから終わったら連絡して
〇:そんなぁ
梅澤:戻っていいよ
〇:はい。
プライベートでは優しい梅澤が仕事場だと真反対になる為余計にダメージをくらう
〇〇は言われた通り資料を完成させるまで帰宅せず終わったのは日付を通り越していた
連絡しても既読がつかないため合鍵でドアを開けるといい匂いがしていた
リビングにはラップされた料理が並んでいた
〇〇は母が来たのだと思い何も気にせず手を洗い風呂を済ましソファーに座ろうとすると……
〇:え……梅澤、さん??
梅澤:ん。あ、おかえり うぅぅぅ寒い
〇:これ梅澤さんが??
梅澤:へへっ 頑張っちゃった 資料出来た??
〇:はい めっちゃかかりましたけど
梅澤:やるじゃん え、2時?! 寝すぎた……
〇:すみません、僕のために。タクシーで帰られます??
梅澤:うーん 君はどうして欲しい??
〇:え、
梅澤:私がぁこのまま帰るか、残るのか
〇:そ、それは……
梅澤:ふふっ まだまだ恋愛不足だねっ
そう言って梅澤は〇〇に抱きつき頬通しをくっつけた
〇:うっ……
美波:仕方がないから私から言ってあげる
好き 君は??
〇:僕は……
梅澤:ん??
〇:僕は………だ、だ。い好きです。
梅澤:ふふふっ まぁ、合格にしてあげるっ
〇:……知ってたんですか??
梅澤:気持ち隠せてると思ってたの??
〇:…………
梅澤:そういうことっ じゃあ今日泊まっていくね??
〇:はい あ、服
梅澤:あるよ??
〇:え、なんで、
梅澤:私の手の中ってねっ
〇:やられた笑
梅澤:ふふっ ご飯ちゃんと温めるんだよ??
〇:はい、いただきますっ
梅澤:じゃっ お風呂借りるねえ〜
次の日は休みだったのが幸い、〇〇はご飯を食べて片付けをし寝る準備も終わりベットで待っていようと思ったが一向に上がってこず眠りについてしまった
〇:………ん。ん〜!! ん??
美波:スゥスゥ……
〇:かわいい。 スマホスマホ、あ、あった
美波:ふふっ残念っ おはよ
〇:あ、おはようございます。
美波:プライベートは敬語無しっ それにもう彼女なんだから美波、分かった??
〇:わ、分かった
美波:どうしたのまだこうしてたい??
〇:うん……
美波:甘えん坊さんだなぁ〜 私が甘える時来るのかなぁ〜
〇:ねぇ、美波仕事中厳しくしてたのって……
美波:しー。それは聞かないの 甘えさせてあげないよ??
〇:分かった。
美波:今日休みだけどどうする??
〇:その前に、美波お誕生日おめでとう
美波:え、知ってたの??
〇:うん、
美波:嬉しい じゃあ今日は記念日と誕生日だねっ
〇:ふふっ確かに笑
美波:何買ってもらおうかなっ〜 ボーナスも出たし〜
〇:あ、それずるい笑
美波:じゃあ今日から一緒に住もっか
〇:え、今日から?!
美波:うん 家解約すんでるし 荷物も実家だから
元々引っ越す予定だったからね
〇:いいよ、じゃあ一緒に住も
美波:そう来なくっちゃっ よしっ 着替えて取りに行くよ!!
〇:あ、さっむ〜!!
美波:ほーら!起きるよ!!
同棲が始まり資料はと言うと何一つ変えず〇〇の資料通りに発表し無事に会議で言う権利を得た
2人はこれからも……
梅澤:〇〇ー!!外行くよー!
〇:あ、はい!!
美月:お似合いだなぁ
男子:僕は……
美月:ごめん、マジでない
史緒里:みなみんにしかれてるなぁ
男:僕がエスコートしますよ??
史緒里:あ??
男:え、こっわ
飛鳥:ふふふっ いいじゃん
梅澤:早く早く〜
〇:待ってくださいよ〜美波先輩!!
ーーーーーーーーーー
助産師:おめでとうございます!!元気な女の子ですよ〜
美波:はぁはぁ〇〇に似てるかもね
〇:いや、絶対美波だよ笑
??:う〜あう
〇:もう少しだ 頑張れ〜さくら〜
さくら:ぱ、ぱ
〇:え、今……美波?!
美波:なになに
〇:今パパって!!
美波:そんな訳、
さくら:まんま
美波:………さくら〜!!
さくら:うゆゆゆ
〇:よく言えたねぇ〜!!
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飛鳥:〇〇〜この子見てあげて〜
〇:あ、はい!!
井上:井上和です!!よろしくお願いします!!
〇:よろしくね??和ちゃん
和:はい!!
〇:ただいまぁ〜
美波:おかえり〜
さくら:パパおかえり!!
〇:ただいまさくら〜いい子にしてたか??
さくら:うん!!
〇:美波今日入ってきた後輩の子同じ名前だったよ
美波:ほんと??偶然だね笑
和:スゥスゥ………
さくら:にゃぎ お昼寝っ
〇:さくらが寝かしてくれたのか??
さくら:うん!!
〇:お、いい子だ
さくら:えへへっ
美波:ふふふっ ご飯食べる??
〇:うんっ
この先2人は喧嘩も言い合いも無く幸せに過したのは言うまでもない……
さくら:パパ、ママ、だいしゅき!!
【完】