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ヤンキーかと思ったらまさかのアイドルでした

〇:はぁ……疲れた、あ、すみません。

??:は??それだけ??

〇:え、謝ったんですけど、他になにかいりますか??

??:謝ったら許してくれると思ってるの??

〇:あ、いや。そういう訳では……

??:ちょっと面貸しなよ

〇:あ、ちょっと、

〇〇はこの時心の中で終わったと思った

今日はとことんついてない

カバンを電車で忘れ水溜まりにハマり更にヤクザに絡まれる

これ以上に無い最悪の一日を迎えていた

2人の女性に連れられ着いた場所は……

〇:あ、あれここ、

??:お前の家だろ?? 身だしなみ整えてこい

事はそれからだ

〇:わかりました。

頭が殺されるとしか思ってなく自分の好きな服を着て1時間後に玄関を開けた

扉の先にはさっきの2人が立って待っていた

帽子やマスクのせいで顔がほとんど見えない状態

恐怖のあまり警察に連絡するという頭も無く素直に言うことを聞いていた

そして3人タクシーにのりどこかへ連れて行かれた

耳栓と目隠しをされて何も情報が入ってこないまま不運のせいか眠りについてしまった

肩を叩かれ2人に誘導され椅子に再び座らされた

そしてやっと目隠しと耳栓が開放されるとそこには理解しきれないほどの情報が入ってきた

〇:え……

白石:拘束されてるのに眠るって凄い度胸だね笑

奈々未:普通は怯えるのにね笑

〇:今日は災難ばかりだったので……

白石:何があったの??

〇:いや、その前にどうしてこんなことしたんですか??

奈々未:ここに住んでもらおうと思ってね

〇:………なぜ??

白石:前から目はつけてたんだけどね、説明めんどくさいから誘拐した方が早いなと思ってっ

〇:………頭がぶっ飛んでる。

奈々未:それで今日これをしようとしたらあんな姿で居るからさ何があったの??

〇:実は……

ーーーーーーーーーー

白石:え〜なんか悪いことしたね

〇:今頃ですか、

白石:あ??

〇:いえ、なんでも。

奈々未:ならいっその事いいじゃん

ここに住みなよ 住まわせてあげるから

〇:え??いや、だってあなた達アイドルですよね??

奈々未:知ってくれてるんだ

〇:まぁ、顔と名前くらいは、

白石:なら話し早いじゃん! 

料理出来るんだよね??

〇:料理人なので……

奈々未:じゃあ今日から君を料理人として雇ってあげる 住み込みでねっ

〇:断ればどうなるんですか

白石:今すぐ警察に連絡するよ??

2人が言えば君は悪者扱いっ

〇:しれっと強烈なこといいますね、

奈々未:どうする??

〇:断れないんで受けますよ、その代わり部屋はあるんですよね??

白石:基本家に居ないから好きに使って

朝と夜作ってくれるだけでいいから買い出しとかも任せるよっ

〇:わかりました。

奈々未:私たちがキャラ変しても引くなよ??

〇それは大丈夫です

白石:よしっ じゃあさっそく〜

〇:うわっ

白石:スラッとしてるのに筋肉あるね

〇:どうも……

〇〇はいきなり抱きついてきた白石に動揺したが無意識に頭を撫でていた

白石:えへへっ 

〇:あ、すみません。

白石:いいよっ 謝らなくてももっと撫でてくれてもいいんだよ??

奈々未:ふふっすっかり甘えん坊じゃん笑

〇:髪サラサラですね

白石:褒めることそこじゃなくて

〇:可愛い、ね??

白石:へへっ 

奈々未:ふふっ じゃあさっそくご飯よろしくね〜

〇:わかりましたっ 麻衣さん、そろそろ

白石:んぅぅはぁい

白石は渋々離れ〇〇は今ある材料で料理を始めた

その姿を2人はチラチラと覗いていた

〇:どうしました??

白石:ううんっなんでもないっ

〇:そうですかっ

奈々未:ほんと好きだよね笑

白石:べ、別に。好きじゃないし……

奈々未:アイドルなの忘れたら??たまにはさ

白石:………いいの??

〇:………え、あ、僕ですか?? 別に嫌では無いので、

白石:………〇〇〜

〇:危ないよ笑

白石:くっつきながら一緒に作るっ

〇:ふふっ じゃあこれお願い

白石:了解っ!!

奈々未:ふふっ 良かった

2人が楽しそうに料理している所を奈々未は微笑みながら眺めていた

〇〇はこの時誘拐されても良かったのかなと思った

〇:完成しました

白石:うおー美味しそう〜

奈々未:親子丼か、じゃあ。

3人:いただきます!!

白石:ん〜!!おいひぃ

奈々未:ん。流石料理人

〇:いえいえ やっぱりいいですね

美味しいって言って食べてくれるの

奈々未:不味い時は不味いって言うけどね笑

〇:お、怖くなってきた笑

白石:〇〇っあーん

〇:ん??あ、あっつ!!

白石:あははは!!

奈々未:ふふふっ今絶対わざとでしょ笑

〇:底のやつじゃん!

白石:まいちゃんにアーンしてもらうなんて10年早い!!

〇:ふふっ これも人生ですね笑

奈々未:なに急に笑

〇:いや、悪いことばっかりだと思ってましたけど今はとっても幸せです

奈々未:ふふっ いいじゃんっ

白石:えっへん!!

〇:あ、白石さん はいっ

白石:あーん あつ!!

〇:引っかかった〜

白石:もぉ〜こらぁ〜!!

奈々未:子供じゃないんだから走らないの

〇:あはははは!!

10年後……

麻衣:じゃあ行ってくるね〇〇っ

〇:おう、行ってらっしゃい麻衣

麻衣:おはよぉななみん

奈々未:今日から2日間会えないね笑

麻衣:あっ、抱きついてくるの忘れた!!ちょっと待ってて!!

奈々未:はいはい笑

麻衣:〇〇〜!!

〇:え、うお!!

麻衣:麻衣ちゃんが居ないからって浮気しちゃダメだからね!!

〇:しないよ笑 気をつけてね??

美波:ママ!!行ってらっしゃい!!

麻衣:美波〜お利口さんにね??

美波:うん!!

麻衣:行ってきます!!

2人:行ってらっしゃいっ

扉が閉まり〇〇と美波はリビングに戻りあの時撮った写真を眺めた

ある日ヤクザに当たって良かったと思った……

【完】


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