入院先の看護師がまさかの推しメンだった？！

推しが卒業して1年半が経とうとしていた

未だにアイドルの頃と変わらず推しており齋藤飛鳥に没頭している

そんなある日いつもと変わらず買い物に出かけていると小さな男の子が道路に飛び出す姿が見えた

迷うことなく足が動いており気づいた頃には意識が無かった

〇：ん、あ、あれここは……

？？：あれ、起きた ここ病院分かる？？

意識がもうろうとしている中聞き間違えるはずのない声が聞こえた

〇：え、あ、飛鳥ちゃん？？

飛鳥：その状況でも聞き間違えないの流石だね

〇〇

〇：なんでここにいるの

飛鳥：なんでって仕事だから看護師になった

〇：え？？

飛鳥：君の介護担当だからよろしく

とりあえず先生呼んでくるから待ってて

頭の整理が追いつかないまま先生が到着し事情を説明された

小さな男の子は無事だそうで〇〇だけが両足と右手を骨折全治半年と推定された

その間に推しメンの齋藤飛鳥が看病してくれるという最悪で最高な日常がやってくる

上司に電話すると1年休むように言われた

飛鳥：よく無事でいれたね

〇：そら死ねるわけないよ 飛鳥ちゃんをまだまだ拝まないと

飛鳥：ふふっ そっ  

〇：会話の相手してよ？？

飛鳥：忙しいからなぁ〜

〇：担当じゃん

飛鳥：何人も居てるの あんただけに時間を取られる訳には行かないの

〇：へぇ〜優秀なんだ

飛鳥：飛鳥ちゃんだぞ？？

〇：しかもまぁ合格出来たね 看護師

飛鳥：左手折ってやろうか？

〇：すみませんでした

飛鳥：じゃ また見に来るから

〇：分かった

スマホを触りたくても壊れたまま、目を覚ましたのは夜だったので翌朝家族が見舞いに来ることになった

あれだけ眠っていたが夜になるとすんなり眠りにつけた

？？：お兄ちゃん！！お兄ちゃん！

〇：ん。あ〜和おはよう

和：おはようじゃないでしょ！！ ほんとに心配したんだから！

〇：忙しいのにありがとな 

和：もう、すぐ人の心配する

飛鳥：〇〇おはよう〜 あ、和久しぶり

和：ご無沙汰してます、えー！！看護師になられてたんですか

飛鳥：あ、言ってなかったけ

和：初めてですよ 

飛鳥：メンバーには内緒ね？

和：はいっ 飛鳥さんが面倒みてくれるんですか？？

飛鳥：そっ 

和：ありがとうございます 安心しました

〇：いや、昨日飛鳥が、

和：飛鳥さんね？？

飛鳥：どっちが上なんだか笑

和：こんな兄をよろしくお願いします

飛鳥：了解っ

和：必要な物は次持ってくるから安静にしててよ？

〇：わかったよ  お仕事がんばれよ

和：当然っ 

飛鳥に深くお辞儀をして和は去っていった

飛鳥：朝の検査するよ〜

〇：………ねえ飛鳥

飛鳥：なに

〇：昔体が弱いって言った話し覚えてる？？

飛鳥：………覚えてない 何万人も相手してきたんだから

〇：ハハッ たしかにな それに飛鳥だから覚えてるなん、うぐっ

飛鳥：バカにすんな もうあんたより賢いの

〇：子供がお子ちゃまだからそうは見えないなぁ

飛鳥：ほんとむかつく  注射痛くするよ？？

〇：それは無理！！ごめん！飛鳥！！

飛鳥：無理〜  べーだ！！ はい打つよ〜

〇：ちょ、待っ……あれ、痛くない。

飛鳥：当たり前じゃん なめないでっ

〇：いっぱい練習したんだね

飛鳥：っさいなぁ 異常は無いからご飯食べてゆっくりしてて

〇：どうやって食べるの

飛鳥：え、食べさせろと？？ この飛鳥ちゃんに？？

〇：じゃないと餓死するよ？？

飛鳥：ぐっ、やりゃあいいんでしょ

〇：流石っ 

飛鳥は渋々〇〇に食べさせていると〇〇は微笑みながら食べていた

飛鳥：推しに食べさせられてる気分は最高か？？

〇：そらね、不味い食べ物でも喉が通るよ

飛鳥：ふふっ そっ  それは良かったね〜

〇：昔飛鳥ちゃんこれしてもらってたんでしょ？？

飛鳥：起きれなかったからね 何が言いたい訳

〇：いや、自分で食べた方がはや、んー！！

飛鳥：ならもっと入れてやるよ！！

〇：悪魔おる………

現オタクと元アイドルがここまで交わる事はない世界

〇〇はどんな痛みでも飛鳥がいれば耐えれる気がした

そして半年が経ち大分完治しリハビリでも歩けるようになった頃

〇：はぁ、歩くっていいな

飛鳥：ほんと疲れる、重すぎ

〇：いや、患者の前でそれ言うかね

飛鳥：…………患者じゃなかったらいい訳？？

〇：え、なに急に

飛鳥：………好き。

〇：すき焼き？？

飛鳥：好きだって言ってんの

〇：え、熱ある？？大丈夫？？

飛鳥：無いわ 飛鳥ちゃんの彼氏になるの？？ならないの？？

〇：いや、なりたいけどさ、俺選ぶのは自分で言うのもあれだけどセンスないよ

飛鳥：分かってる

〇：グッ、それ1番くる。

飛鳥：でも、あんたと一生一緒に居れる気がするから

〇：………え？？ ちょ、もっかい言ってよ

飛鳥：はぁ？！女の子に2度言わす訳？！

〇：そのセリフアラームにするからさ！！

飛鳥：ちょ、キモいキモいキモい

〇：おぉ、こっちはオタクだぞ なめんな

飛鳥：こっちは女の子だぞ なめんな

〇：ふふっ

飛鳥：あははははは！！

1年後………

飛鳥：起きろ〜朝だぞ〜

〇：ん〜 飛鳥〜

飛鳥：もう、時間ないんだけど

〇：ふふっとか言って来てくれるじゃん

飛鳥：別に、悪い気はしないし。

〇：素直じゃないなぁ

飛鳥：ちょ、ほんと時間ない 送ってって

〇：わかったよ ならもうちょっと抱きついてて

飛鳥：いや、目玉焼き焦げるから！

〇：あはは いいよ ありがとね

飛鳥：ふんっ

〇〇は仕事に復帰はしたが自宅で仕事をこなし飛鳥は今も看護師を続けている

後には田舎の方にゆっくり住むのが夢だという

飛鳥：じゃっ いってきます

〇：気をつけてな

飛鳥：〇〇も帰り気をつけなよ？？

〇：安全運転で帰るよ

飛鳥：ふふっ じゃあね

〇：おう、人生ってこんな180度変わるもんなんだな……

幸せすぎて怖いわ

飛鳥：いひひっ 今日はちょっと長く居れたっ 今日も頑張ろっ

【完】