見出し画像

君の笑顔をもう一度……

史緒里:あ、あの私と、付き合ってください!!

〇:……はい!!

高校の時〇〇達は付き合うことになった

学校一仲のいいカップルと言われるほど仲が良く交際も8年過ぎようとしていた

就職もして社会人になったある日1件の連絡が史緒里に届いた

「別れよ」

史緒里はその言葉を見た瞬間すぐに電話をかけた

何度も、何度も、だが出ることは無かった……

史緒里:なんで。どうして……〇〇、お願い。電話に出て。

翌日何もする気力が無くなった史緒里は会社を休み家で〇〇との思い出を振り返っていた

毎年誕生日を盛大に祝ってくれる〇〇

2人の写真は最高の笑顔だった

思い出す度に涙が溢れ思い出のノートを読み切るのに5時間もかかった

その日の夜ある人が家を訪ねてきた

美月:史緒里!!

史緒里:みずき、

美月:どうしたの

史緒里:〇〇が別れよって……

美月:え??嘘でしょ??

史緒里:電話しても出ないし、既読もつかない。

美月:あいつ、何考えてんの

史緒里:どこ行くの??

美月:〇〇の所に決まってんじゃん

史緒里:もう、いいよ……

美月:何言ってんの あんなに愛し合ってたのに

史緒里:史緒里諦めるからさっ!!

もう〇〇無しでも生きていけるから!!

ね?!

怒ってくれるのは嬉しいけど、大丈夫だから!

美月:強がらなくていいんだよ、史緒里、もう弱くなってもいいんだよ

その言葉を聞き史緒里は今まで頑張って繋げてきた糸を切り子供のように泣きじゃくった

美月は何も言わずに頭を撫でて泣き止むまで待っていた

あの日から史緒里はもう泣くことは無かった

今まで通り過ごしていたが〇〇との思い出は捨てられずにいた

心のどこかで帰ってきてくれると信じて……

別れた日から歳を2つ取ろうとしているその日去年と同じく美月が祝ってくれる事になったのだが……

美月:ごめん、今日ちょっと体調悪いから早退するね

史緒里:え、大丈夫??

美月:うん、ごめんね、祝えなくて……

史緒里:ううん!!全然大丈夫っ ゆっくり休んでね??

美月:ありがとう、梅たちにお願いね??

史緒里:うんっ

美月は苦しそうに帰宅し史緒里は定時に終われるように努力し無事に帰宅できることに

史緒里は美波に連絡すると、

美波;一旦家帰ってから来て!

史緒里;どうしたの??

美波;調味料無くなってさ!持ってきて欲しい!

史緒里;わかったっ

史緒里は直ぐに家に帰りリビングに直行すると

美月:お誕生日おめでとう!!

史緒里:え?? 美月?? 体調は??

美月:え??全然大丈夫 

史緒里:あれ、てかなんで家に。私の合鍵持ってる人って、まさか……

〇:史緒里、久し、

史緒里は〇〇の姿を見た瞬間に飛びついた

史緒里:もぉ!!どこ行ってたの、ほんとに心配したんだからぁ〜!!

〇:ごめん、史緒里。

美月:〇〇癌だったんだって もし治らなかったらって理由で言ったんだとっ

〇:別に全部言わなくても……

史緒里:うぅぅぅ、美月は知ってたの??

美月:私も知ったのつい1週間前よ 電話かかってきてこれがしたいって

史緒里:うぅぅぅ、バカッバカッバカッ

〇:ごめん、死ぬかもしれないって言われて史緒里に会ったら耐えられなくなるから。

史緒里:そのまま居なくなっちゃう方が寂しいに決まってるじゃん。何事も全部一緒に乗り越えてきたのに、

〇:………そうだね。ごめん。

史緒里:でも、生きて帰ってきてくれてありがとう〇〇

〇:ありがとう、ねぇ史緒里

史緒里:なに??

〇:史緒里が好きだ、ずっとずっと大、

美月:あらら

史緒里:………これが、史緒里の気持ちだから//

〇:わざわざ美月居てるとこでしなくても。笑

史緒里:あっ、ごめん!美月!!

美月:ふふっ 良かった良かった

よし!ご飯用意しよ!

史緒里:あれ、梅たちは?

美月:協力してもらっただけだよ 

梅澤;〇〇 今度私たちにご飯奢ってよ??

〇:あ、分かりました笑

史緒里:史緒里も行くからね!

梅澤;わかったわかった笑 じゃあ楽しんでねっ

与田;ばいばーい

美月:はーいっ

梅澤との電話を切り3人はケーキやピザなどを用意した

美月:よし、準備出来たし私帰るよ?

史緒里:え??帰っちゃうの??

〇:せっかく居るのにたべて帰りなよ

美月:せっかく再開したんだから2人で居たいでしょ?? 史緒里もそんな顔してるし笑

史緒里:あ、え、いや……そんなことは、

〇:いいのか??

美月:うんっ 梅の所行くから大丈夫っ じゃっあとは楽しんでっ

史緒里:うん、ありがとう、何から何まで。

美月:いいのいいの 

〇:あ、じゃあ下まで送ってくよ 史緒里ちょっと待ってて??

史緒里:私も行くよ??

〇:寒いから中で待ってて??

史緒里:わかったっ またねっ美月!

美月:うんっ 

2人は玄関を開けて外に出て階段を降りながら会話をしていた

美月:うぅぅぅ 寒ぃ〜

〇:一気に冬になったな

美月:ほんと、私の心みたい笑

〇:ふふっ美月も彼氏作らないとな

美月:作らないだけですぅ〜 作ろうと思えばすぐ作れるしっ

〇:あははっ 確かに可愛いからな

美月:………そ、そう!! 

〇:照れるなよ 幼なじみなんだから笑

美月:はぁ??照れる訳ないじゃん〇〇なんかに言われて

〇:ふーん あ、美月ありがとな おかげで元に戻れた

美月:当然っ 史緒里には幸せになって欲しいからねぇ あんた次こんなことあったらただじゃ済まないよ?

〇:肝に銘じておくよ笑

美月:あれ、タクシー呼んでくれてたの??

〇:寒いから歩いて帰る訳には行かないだろ??

お金も払ってあるからゆっくり帰りな

美月:じゃっありがたく乗せてもらお

〇:おうっ  またなっ

美月:じゃっ お願いします

運転手:はいよっ

〇〇は美月の車が見えなくなるまで見送った

美月:………私もあんな恋したかったな、

運転手:優しい方ですね

美月:え、あ、はい。

運転手:このアクリル防音聞いてるので歌ってもらっても構いませんよ笑

美月:え、大丈夫です笑 あれ、何で泣いてるんだろ……やっぱり私〇〇の事好きなんだ。

美月は静かに涙を流し続けた

運転手は何も言わず目的地まで送った

〇:ただいま

史緒里:無事送れた??

〇:うんっ 

史緒里:そっか。ねぇ……〇〇

〇:ん??

史緒里:私と美月どっちが好き??

〇:え、どうしたの急に

史緒里:私の事好きで居てくれてるのは嬉しいけど、美月のあんな顔みてられないよ。

〇:………

史緒里:だって私より美月の方が〇〇の事大好きに決まってるじゃん

悔しいけど負けてる気がする

〇:史緒里なんでそんなこと、

史緒里:史緒里はずっと〇〇の事大好きだよ??

でも付き合わせてくれたのも全部美月のおかげだから今度は美月に幸せになって欲しい

だから私と、別れて??

〇:本気で言ってるのか??

史緒里:うんっ そのまま繋がっても文句は無いもん

だから美月の所に行ってあげて?? 今頃泣いてるはずだから

〇:………

史緒里:〇〇!!男だろ!!泣いてる子の所に行ってやれ!!

〇:……ごめん、史緒里。

〇〇は美月を追いかけ美月に説明し1年限定で付き合うことになった

そして1年後〇〇が選んだ選択は………

〇:史緒里!!

史緒里:ん??

〇:もう一度、僕のそばで笑ってくれませんか

僕はあなたの笑顔が見たい

史緒里:………へへっ おかえり〇〇

〇:ただいま史緒里

[完]

いいなと思ったら応援しよう!