緑光憩音祭・最終日行ってきた!
X(Twitter)にのせようとつらつら感想書いてたら、長くなったのでnoteデビューしました。
8月10日に表参道の能楽堂にて行われたライブの感想です。
滞空時間と私
滞空時間さん初見だった私。特に下調べもせず、楽しむ事にした。
開演時間となり、照明と、会場の空気が変わる。
袖口から現れ、一歩一歩ゆっくりと、楽器を鳴らしメイン舞台へと歩いてくる川上さん。他のメンバーもまた各々何かを持ち、鳴らし、集まり、曲が始まる。
不思議な言葉の並びに、歌詞の意味は分からずとも情景が浮かぶ。
見知らぬ時代のどこかの島の農作業。収穫の時期。たわわに実る稲穂が風になびく。
かと思えば、夜の森。
ぱらぱらぽとりと落ちていく星の雫。
地面一面に星が瞬いて木霊のようにはしゃぎ、駆けまわる。
別の夜には激しい川の流れの中、少々急き立てられるように人々が神に祈り歌い踊る。
そんな幻を脳内に浮かべながら、奏でられる曲達を楽しんだ。
沢山の鉄鍋に見えた楽器を叩くと、弾む雨音のような音色が響く。
ゆったりと流れるベースの音。ベースの弦は、はじくだけではないのだ。
バイオリンもサクソフォンもトランペットもスティールパンも名前の知らない楽器達も綺麗な歌声も物語の一部となって溶けていく。
激しい曲も、穏やかな曲も、想像力を掻き立てられた有意義な時間でした。
後で調べたら架空の島の民謡をコンセプトにしているとのこと。まんまだった。流石。
でも、鉄琴(かな?)をたたいてたアレは楽器に疎い私にはトンカチにしか見えなかったよゴメンナサイ。
影絵と演奏が普段の活動らしいので、今度は、そっちを楽しみたいな。
朝崎郁恵さんと私
ライブは2部編成。滞空時間さんが終わり、舞台の模様替えが始まり、朝崎さんの部へと入った。
実は、ずっとこの人のライブに行ってみたかった。念願叶って大満足。
なんだか惹きつけられてしまう唯一無二の唄声なんだよな。
今年、米寿になられるとのことなのでおめでたい。
山吹色の羽織をまとって、スタッフに促されながら登場した時には、テンション上がった。
そして、その口から紡がれる唄は私の望んでいたそのもので。なんだろ、涙が出そうだった。
ああ、御本人だ。あの声だと。
MCでは茶目っ気たっぷりの可愛らしいおばあちゃんって感じで、周りの演者さん達も皆んなで補い合う感じが和んだ。
演奏も吉俣さんの穏やかなピアノとタナカさんの唄声が男性ながらハイトーンで伸びやかで、朝崎さんとのハーモニーも良かった。滞空時間の方々も一緒に演奏してくれて。その時だけのひとつの曲に仕上がるところが、また、ライブの醍醐味だよな。
あはがりも十九の春も聴けて嬉しい。10年以上前かな。テレビであはがり聴いて、唄声が忘れられなくて、いつかライブ行けたらなんてぼんやり思ってたら時が過ぎ去って。
本当にこないだ偶然ライブ見つけて、7月末のは間に合わなかったけど、こっちなら行けるって思ってチケットとって良かった。
時期も時期だから、もしかしたら嘉儀丸のうたあるかななんて思ってたけど、多分聴いたら涙腺崩壊してたと思うからあのセトリで良かった。
会場も凄く良かった。
能楽堂なんて初めて入ったよ。
目立たないように流れる自然の音色と、会場を包むお香の薫りが公演が始まるまで特別な空間を盛り上げてくれて。
良いライブでした。