出産4日目。
入院生活にも慣れてきたと言いたかったが昨夜と早朝は何だか病院に不満を持った人の長電話であまり良い気がしなかった。
場所は守ってくれるので良いが、せめて公共の場で通じる声量であってほしいと思う。パワフルなお母さんだ。
そこは私どもの部屋の前である。
出る母乳の量が増えてきて、3時間起きにきっかり目が覚める上に乳が張って痛いので絞る。
シリンジもいつの間にかランクアップして、今度のがなくなれば哺乳瓶になるらしい。
搾乳は肩こりMAXになるので何ともしんどさが勝っていたたまれなかったが、何とか休憩しながら吸い取っていく。
絞ったら冷蔵庫に入れてもらって、3時間寝る。
そうやって気がつけば起床時間の6時になっていたりする。
今日はお向かいさんが退院なので、若干環境が変わって嫌だなと思いながら静かな人なら良いかと言い聞かせておく。
個室じゃないから仕方ないな。
眠たいながらにシャワーの予約をしにいって、血圧測定やら身の回りの事やらやってから落ち着くと、微妙な搾乳時間になってお腹がペコペコになった所で朝ごはん。
夜食はくるのだが、なにせ足りないのが現状であるし私は高血圧食なのであっさり味で量の制限もあるのだ。
おまけに出産後は余計に血圧があがるらしい。血圧の薬が順調に増えている。
今日は11時からNICUにいくと、赤ちゃんの呼吸も安定してきたからとカンガルーケアをすると話を頂く。
事前に冊子を読んで知ったが、カンガルーケアは肌と肌の触れ合いを主とするらしい。つまり、抱っこができるまでになったのだ。嬉しい。
昼は13時に予約してもらい、いそいそ部屋に戻って昼ごはんを食べる。
丁度血圧測定だったので哺乳瓶の話をし、面会前に持ってきてもらう事になると何だかワクワクしている自分がいた。
昼ごはんを食べて持ってきて貰った哺乳瓶に直搾り乳を捧げると、そのままNICUに持ってって綿棒で吸ってもらう。
ちゅっちゅっと音がなってよく食してるみたいである。可愛い。たまに綿棒掴まれたりオイタされる。
さて、ご飯が終わったらカンガルーケアである。
前を開けて上半身と赤さんをくっつけると、それまで暴れ倒していた赤さんがふっと落ち着く。
そこからじーっと一時間抱っこ。
抱っこの最中も赤さんは静かで、時々頭のポジションを確認するみたいに動かしながら口をもぐもぐさせて寝ている。
少し鼻歌したり話しかけると、目を開けようとしたり動いてくれる。
聞こえてるんだろう。
ゆっったり抱っこしながらずーっと話しかけたり眺めている時間は幸せでしかなかった。
が、肩に限界が来る。座り直したくてスタッフの人にお願いすると、身体が離れた瞬間泣いていた。いや、怒ってるのだ。
ごめんよ〜ママも疲れるのよ〜と言われながら私が座り直せたのでくっつき直す。
泣き止むんかい。
この口を開けたまま寝るのは遺伝だろうなぁ、と思いながら面会終了時間がきたので離れる。
いやあ怒る怒る。
きみそんな泣けるの。肺が未熟だったのよあなた。だから呼吸器をしてるのよ。
それの成熟を待てずに産まれたのよ。
めっちゃ泣くじゃん。
めっちゃ声出るじゃん。
めっちゃ嬉しい。
次の面会は17:30にした。
最後の面会が終わり、部屋に帰るとお祝い膳があった。
料理に舌鼓を打って、新郎と連絡をとりあっていた所までは幸せだった。
幸せだったのだが、ここから血圧最高潮まではねあがるストレスがかかる。
度々連絡がきていた母から再び実家に帰省しないのかと連絡だった。何故か義実家にも連絡するから電話番号を教えてと。
この人だけだ。ずっと自分軸で連絡きてるの。だからしんどいんだ。
義実家連絡する意味がわからん。本人の意志とは。
結局帰らないと返事するとスッキリしたのか了解スタンプを送ってきたが、これまでのストレスや色んな言い回しを考えたり気を遣った自分が馬鹿になったと共に流石に怒りが込み上げた。
スタンプって、なめてんのか。
一度打って消して、ハッキリさせたかっただけなんだね、と聞けば「そうです」だそうだ。
バカにしてんのか。、
やりきれない後に丁度血圧測定が来てくれたから、最近の高血圧は母との連絡でほぼ確定する。
いつも悩んでたら高い。もう連絡すんな。
どうせ自分はスッキリしたから明日の朝にはおはようって連絡がくるのだ。
他人の気持ちを考えるのが難しい。そういった発言がある。自分の感情に囚われて不安感が強くなる。
自己肯定感が低く、視野が狭い。褒められた経験が圧倒的に少ないが故に自身がない。
頑固で曲げにくい。自分の意見が全てだと思う反面、他人が気になって他人軸の特質。
私が働いてきた職場では、そういう人をASDの判定で接するのだ。
あの職場で学んでて良かった。おかげで冷静に客観視は出来るようになったが、今はメンタル的に発言を受け入れられない自分がいる。
退院したら彼女とはしばらく会わないと心に決めた。
そんなこんなで返信してた時間は風呂で、逃してしまったので夜に入れて貰った。
ふろのまえに新郎にやりきれない気持ちがあったことだけ伝えると、新郎も思うところがあったらしい。
子離れ出来ない彼女のマウント発言は新郎にも飛んでる様で、中々怒らない彼もごめんと言いながらムカついたと言っていた。珍しい。
二人で退院したら実家はしばらく離れようと決めて、その日は血圧以外は落ち着いた。
母の通知はオフにした。
私はまず人を嫌いにならないし、なれるだけの自分だとは思ったことがない。苦手はあるけれど。
だから、避けたいタイプの人間がいたとしても生理的に無理になる人が現れるなんて思ったことはなかった。ましてやそれが肉親とは思わなかったが。
タイミングが悪かったのかもしれない。
嫌いじゃない。嫌いじゃない。
嫌いじゃないけどマジで今は生理的に無理。
退院まではそっとしておいてくれ。
友達にも明日話を聞いてもらう事にした。第三者の意見が聞きたい。スクショ取ったし言質も残してあるからな。
ありがたい環境である。
昔、恩師が私の母をちょっとおかしいと言ったことがある。
今ならそれも少しわかるのかもしれない。
今晩の搾乳は一回休もう。少しクラシックを聴いて寝てから考えることにする。
明日も我が子に、会いに行きたい。
早く我が子に会いたい。