怠惰

大人になって、先生に

「あの時もっとやってれば上を目指せたのに」

と言われた事がある。

そんな小4も頭が真っ白のまま終わり、終わった時には自分の思った事を言おうとすると、涙が出て喉が詰まるようになってしまった。

幸い、創作にハマったので俳句にしたり、漫画を描いたり、物語を書く様になったので、多少自分の中で発散が出来た。
そして、この頃から作詞作曲にハマった。

作詞作曲は一番自分の心を表現出来た。

ピアノは、自分が思った音を限りなく自分の手で再現する事ができる。裏切ったりしない。

ピアノは、自分が思った言葉を歌に乗せてくれる。罪悪感は音楽が和らげてくれる。

歌は、発散だ。涙を誘発し、昇華することで次に繋がる。そして、作品を作ることで自分を振り替えり落ち着く事ができる。


また、自分を守るものが出来た。



シンエヴァを見た人がいたら分かるはずだが、ゲンドウが他人と付き合う難しさを語るシーンがあったと思う。

あの台詞は、私には共感でしかない。

そして、シンジ君の心情も、共感できる事が多いし、

カヲル君の言っていることも最もだと思う。


それに気付くのはしばらく先だが、とにもかくにも自分が他者の事を真っ先に考えるようになったのはおそらく小学4年生からであった。


コンクールが終わり、それから私のやる気はもぬけの殻だった。ごっこ遊びで夜更かしが続いた。テストの点数も落ちていったし、何もやる気がしなくなった。

前から思っていたが「どうだった?」とレッスン後に毎回母に聞かれるのが嫌だった。彼女は年中忙しそうでピリピリしていた。



5年生になった。彼女は見る影もなくなったと思われたが、ある日水道で雑巾を洗っていると、「久しぶりー!元気?」と言われた。鳩尾辺りか気持ち悪かった。
何とかその場をやり過ごしたが、あまりよくない感じだけが残った。友達から聞いたが、クラスで浮いているらしい。もはや関係がなかった。



5年の担任は男の先生で、とても好きだった。休憩時間描いた漫画を教材に使われた時はびびった。絵描き友達も増えて、のんびり楽しかった。


連合音楽会があって、伴奏をする事になった。2曲の内片方はどうしてもやりたくなくて練習せずに挑んだら、オーディション後に音楽の先生から、あなたはよく弾けていたけど、もう一人の候補者はちゃんとやってた。だから、あの子の方がちゃんと頑張っていたと言われた。

当時は多分反発心を持ったが、今は痛いほど反省事案だと分かったので、あの先生に出会えて良かったと思う。

伴奏は、楽しかった。自分が弾くと皆が歌う。晴れ舞台だけど、皆が一緒で、新鮮だった。役に立っていると思った。伴奏は貴重なのか、クラスで音楽関連があると便りにされたし、違う子が推薦してくれた。その反対で、やりたかった子から泣かれた。

本番で好きな子の前を通る事になり、ちょっとした舞台ハプニングで助けて貰った。惚れ直した。クラスは違うけど、会うと手を降ってくれた。それを見たポッチャリ男子が囃すので追っかけ回した。

嬉しい事に、その頃ばあちゃんが作ってくれたお手玉を持っていったらクラスで流行って、休憩時間に皆でやっていたはずか投げ合いが流行ってしまい、中止になってしまったが楽しかった。

創作はずっと続いていた。ピアノは弾く曲が変わっても根本的には全然変わらなかった。先生に「もうチャリで来たら」と言われ、母に送り迎えはもう大丈夫、と伝えたら、教室の行き来でフレッシュな気持ちになれた。

ただ、寝不足は続いていた。
気づけば多分ごっこ遊びはねじ曲がって変な遊びになっていた。眠たくて授業が半分聞けない様になっていたが、ノートは取っていた。


この学年ではおばあちゃん達に助けられた。一つはお手玉、もう一つはお雑煮だった。地域のお雑煮を聞かれ、私だけが違うお雑煮だった為におばあちゃんを呼んで皆で作ることになったのだ。

誇らしかった。でも、味見の時に自称料理出来る女子からばあちゃん指名で味見役を仰せつかってしまった時はじろりとみられてしまった。申し訳なかった。

多分あれがあって更にクラスの居心地が良くなった。そして、この頃私は、本にドはまりしていたし、気になる男の子がいた。


本命は変わらないが、その子は色が白くて、背が高くて、きれいなバリトンボイスと裏声が出た。文武両道で上品な、押しとやかだがたまに茶目っ気のある笑顔が好きだった。しかしそれを言うつもりはなかったので、耳をすませばのせいじ君の様に、あの子が読んでいった本を私も読んでいった。私ももしやヤバいやつなのかな

案外戦争の話や昔のを読むから、私も自然とそれを読むようになって、負けん気が発動して漢文を先生に聞きながら読んだ。

サッカーで一緒のチームになってボールを変な所に飛ばしまくった時も、申し訳ない反面爆笑してくれた笑顔が素敵だった。


少しストレスがあったといえば一度だけ彼女が来て、私の友達と喧嘩した事だけだろうか。



そして6年生に進む。






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