得しないことは損ではない

仕事、プライベート、どちらの場合でも「得するはずが得しなかった」という事があります。
そのようなときに、「ああ損した」と考えてしまいがちですが、実は「得をしない」ことは「損した」ことではありません。

「得」というのは、想定よりも入ってくる金額が多いことです。
「損」というのは、想定よりも「無駄な」支出が多いことです。
どちらも収入~支出の数直線上で支出側に動く現象なので、同じものと思いがちですが、様々な面で違いがあります。

1.得しなかった場合は現状維持だが、損した場合はマイナス。
2.得するには運的要素が必要だが、損しないためには準備が必要。
 つまり「得しなかった」は運がなかった話だが、「損した」は準備不足。

(ギャンブルで損した場合はどうなのよ?と思われるかもしれませんが、金策のためにギャンブルに手を出すことこそがもう準備不足です。論外です。)

なにより、それまでの「得するかも」という期待=ポジティブな印象を「損した」というネガティブな印象で上書きしてしまう(※)のは精神的にも良くないです。
せめて「やっぱり得しなかったわー」くらいの捉え方でニュートラルに戻すくらいにしておきたいものです。

※:人間の感情や印象の変化には加速度がつきます。なので同じ量の相反する動きの場合、後者の方に引きずられがちです。
例:ラーメン美味しかった→でも店員の態度が悪かった…悪印象が残ります
例:お父さんに怒られた→でも後でラーメンをごちそうしてくれた…いいお父さんですね

どうしても「得をしなかった」ことを「損した」ととらえてしまう場合は、少し深く考えてみましょう。
損というのは無駄な支出のことです。では無駄ではなかったら損ではありませんね。

例:早起きすれば先着30名のタダ券が貰えたのに!損した!
→寝たかったんだからしょうがない。今はすっきり元気なんだから、あの睡眠時間は無駄じゃなかったのだ。

あるいは、もっと酷かった場合のことを考えて留飲を下げる手もあります。

例:ヤフオク1万円で落札したあのグッズ、さっき8千円で落札してた人がいた!損した!
→でもその前にアマゾンで買おうとしてたわ。買ってたら2万円だったわ。危なかったわー。

猛暑だったり新型コロナだったり、巷にはフラストレーションを感じる出来事が山盛りです。
うまく思考を切り替えて、心穏やかに過ごすことを心掛けたいですね。

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