ハードディスクは壊れるものなので壊れても良いように対策をしておきましょう
企業の情報システムの情報セキュリティ管理(ISMS)において、情報資産の3要素、機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)について正しく把握しておくことが重要とされます。
この3要素の頭文字を取ってCIAなんて言われることもありますが、もっとわかりやすく書くと以下のようになります。
・機密性:あなたの重要な情報は安全ですか?漏洩しませんか?
・完全性:あなたの重要な情報は常に正しい状態にありますか?誰かに改竄されたりしませんか?
・可用性:あなたの重要な情報は使えなくなることはありませんか?ハードディスクがクラッシュしたら大丈夫ですか?
そしてこの情報セキュリティ管理は、企業システムだけの話ではなく、個人的なシステムの安全性保全にも応用可能です。
一番縁があるのは可用性の不全=ハードディスククラッシュでしょう。続いて、機密性不全=パスワードなどの重要情報の漏洩。
改竄は……家庭内LANでファイル共有してなければ大丈夫かな?ハッキングされるようなことがあれば別ですが、ほとんどの人はそもそもハッキングの対象になりません。
今回はそのハードディスク破損について書きます。
まず前提として、ハードディスクのドライブ(以下HDD)はいつか必ず壊れます。壊れないHDDはありません。どんな工夫をしてもHDDはいつか壊れます。
なので、HDDは壊れるものと想定して、それでもデータを失わないように対策を講じる必要があります。
HDDが破損した際にデータを損失しないためには、何らかの方法でデータのバックアップを取っておく必要があります。
そしてそのバックアップは定期的に取得する必要があり(でないと古いデータしか残りません)、さらに自動で取る必要があります。
なぜ自動取得が必要かというと、手動でやってたら面倒くさくてやらなくなるからです。
そのHDDのバックアップをリアルタイムで自動で取ってくれるのが、RAID1という規格です。
RAIDは複数のHDDを使う場合の規格で、0から5までいろいろありますが(興味があったら検索してみてください)、そのうちRAID1=ミラーリング(二重化)が良く使われます。
RAID1対応の外付けハードディスクケースに同じサイズのHDDを2つ入れておくと、書き込みがあった際には両方のHDDに書き込んでくれます。
片方のHDDが壊れたとしてももう一つあるので、データは失われません。
今のところもっとも安全で手軽なデータ保全方法はこのRAID1ハードディスクだと思っています。
今はHDDも安くなっていて3TBが1万円切ることもザラなので、それほどお金もかかりません。
さらに大きなトラブル、例えば自然災害で家がまるごとダメになった場合は、クラウドストレージを活用する手もありますが、これはこれでネットワークの遅さが気になるので、普段使いならやっぱりRAID1ハードディスクかと。
さらに念を入れて、大事なデータはDVD-RやBD-R等の光学ディスクにもバックアップを取っておくとばっちりでしょう。
なんで今更こんなことを書いているかというと、たまに「ハードディスク壊れちゃったんだけど、なんかいい方法ない?」と聞かれるからです。
事前に対策を取っていればなんとかなるのですが、そうでない場合は、HDDからブートできなくなっただけでデータは生きているのを祈るのみです。
(経験上8割はデータは生きていてブートセクタが飛んだだけでしたが、まるっきりアクセスできないこともありました)
前からPCを扱っていたり、あるいは会社で良く触っているならばこんなのあたりまえの知識なのですが、ただノートPCを買って使っているだけの人はこのような安全策までなかなか辿りつかないことが多いのです。
大事なデータ、写真や動画やアドレス帳や年賀状のデータは普段からしっかりバックアップを取っておきましょう。