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メッセージの一貫性は読者にダイレクトに伝わる 〜みんなの知らない出版の世界シリーズ#36〜

みなさん、こんにちは!UTSUWA出版編集長&世界一周中の岩井です。
みんなの知らない出版の世界シリーズの第36弾』をお届けします。テーマは「メッセージの一貫性は読者にダイレクトに伝わる」です。

本の企画を考える際に、「メインメッセージ」を決めます。

メインメッセージとは「この本で伝えたいことを一言、一文章で言うなら?」です。

このメインメッセージと企画(特に「目的」「誰が」)の一貫性は、本のクオリティと同じと言っても過言ではないのです。


メインメッセージ×目的×誰に

企画とは、
・メインメッセージ
・目的
・誰に
・誰が
・どのように
という、本の根幹となる要素を決めることです。

「誰が」「どのように」ももちろん大切ですが、特に大切なのは「メインメッセージ×目的×誰に」が一貫性をもつことです。

ここに一貫性があることで、本の内容は何倍も良くなり、結果的に読んだ人の心を突き動かし、遂には読者に行動を起こさせる本になります。

具体的にイメージできるように、まずは良い例から見ていきましょう。

  • メインメッセージ:人生を変えたければ挑戦しろ!

  • 目的:

    • 本を読んだ会社員が「副業をはじめる」「起業を意識する」「挑戦をはじめる」

    • 本気になった読者が自らのコミュニティに入って、人生を変えはじめる

  • 誰に:

    • 人生を変えたいと考えている会社員

    • すでに起業の本を読む、セミナーに通う、ネットで自身のスキルを売るなどの行動を起こしている人

    • 夢や理想の達成のために行動し続けられる体力のある体育会系

どうでしょうか? 企画の一部ですが、すでにどのような本かイメージがつきませんか?

企画を読んで「こんな本になるな!」とイメージがつく場合、本のメッセージ性はすでに十分にあるため、あとはそのメッセージを文章という形に落とし込むだけなのです。

そして「著者さんの体験(オリジナリティ)」や「著者さんの知識(信頼性・権威性・専門性)」を足していけば、メッセージ性のある本が完成します。

企画が「本の質を決める」

反対の、悪い例を見ていきましょう(太字の箇所が、先ほどの例と異なる部分です)。

  • メインメッセージ:人生を変えたければ挑戦をしろ!

  • 目的:

    • 本を読んだ読者が「副業をはじめる」「起業を意識する」「挑戦をはじめる」

    • 本気になった読者が自らのコミュニティに入って、人生を変えはじめる

    • 誰に:

      • 人生を変えたいと考えている人全員

      • 現状が辛くて抜け出したいと考えている人

      • 夢や理想のある人

この企画の弱い部分は『「誰に」が曖昧なうえ、メインメッセージとの一貫性が乏しい』です。

「誰に」の項目は、ほとんどの人に当てはまるものであり、読者が具体的にどんな人物なのか想像できません。

読者が想像できないと、何を書くのか、何を書かないのかの選別ができません。

また上記の「誰に」のペルソナが、「挑戦する」というワードに対して反応するでしょうか?

たとえば、現状が辛くてたまらない人に、新たなことに挑戦する余裕はないでしょう。

現状から抜け出しつつある人であれば大丈夫ですが、今まさに辛く苦しい思いをしている人に「もっと頑張れば大丈夫!」というメッセージは刺さりません。

良い例であげたペルソナは「すでに行動を起こしている人」であり、他の項目から「向上心のある人」がペルソナだと十分にわかります。

そのため「挑戦しろ」という言葉は、彼らの心を十分に動かせると判断できるのです。

良い企画は、それだけで本の内容、魅力が想像できます。

企画が本の質を決める、本を書く際はとにかく企画を丁寧に、そして一貫性を意識して決めてください!


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