後藤真希と過小評価〜『テレ東音楽祭2020秋』〜
“後藤真希が9月30日放送のテレビ東京『テレ東音楽祭2020秋』にてAKB48とコラボパフォーマンスを披露!“
一般的には “モー娘。のゴマキ“ 止まりでしょうね。
過去メロンとツアーを回っていたこと、話題にも上りませんね。
シツレンジャーの後藤&メロンバージョンのカッコよさを目の当たりにしていたら、今回のコラボの仕上がりは余裕で予想の範囲内ではないでしょうか。
35歳という年齢は気にしていましたが、杞憂に終わりました。
向井地総監督が、
“ダンスにおける見映えする角度の黄金比率を熟知している“といった趣旨のコメントをメイキング映像で残していましたが全くその通りで、それは今に始まった話ではありません。
素行ばかりが先行して、本来であれば安室ちゃんと双璧の活躍が期待できる唯一の人物として個人的にかなり期待していただけに、正当な評価を受けづらい状況を自ら招いてしまったことは誠に残念でなりません。
それでも3分程度の短い時間ながら、その間だけは一般視聴者の脳裏からスキャンダラスなイメージをリセットした後藤真希のパフォーマンスは、現代アイドルのひとつの完成形と言えるものでした。
一方、多く感想のあがっているAKB48については、残念ながら概ね同感ですね。
私はSKE48の創設2年目から現在までのファンですが、仮に珠理奈がAKBの象徴として対峙したとしても、正直今回のパフォーマンスの印象を変えるには至らないであろう強者でした。
現在のAKBは、ほぼ8中心ですが、まゆゆからかなり評価されていた小栗ちゃんも、過去のセンター陣と比較するのは酷な感じで、結局いまだに知名度のある柏木さんが前に出るしかない状況となっています。
センター属性とよく言われていますが、それを持っているメンバーは現在の48グループで誰が思い浮かびますか?
出てきて“ハッ“となるメンバーは誰ですか?
普通の女の子をどうアイドルに仕立てるかは、プロデューサーの手腕だけの問題ではなく、
そもそも果たしてその女の子は普通の女の子だったのか?
これこそが大きな問題です。
つんく♂氏の人選は時に賛否ありますが、人選に関わらなくなって以降のハロプロメンバーよりは、明らかに個性が突出した人物にスポットが当てられていました。
その中において、後藤真希はタイミングとセレクト能力と本人のポテンシャルが見事にマッチした奇跡の逸材でした。
普通の女の子と比べるのは、それこそ酷な話です。
(これはつんく♂氏が普通の女の子を選んでいないという話にもなりますが)
OGの限定復帰といえば、
8月の「24時間テレビ」でAKB48の初期主要メンバーが出演していましたね。
前田、たかみな、板野、篠田の4人でしたが、卒業後集結するのはこれが初めてで、前田に至ってはテレビから4年遠ざかっていた感がとりわけ強かったです。
4人とも思いのほかインパクトに欠けた印象は否めませんが、
図らずも今回の後藤真希とのコラボはそれと対照的なものとなりました。
この差は何かと考えてみると、
芸事として、老舗事務所で歌とダンスを学んできた後藤真希と、
そうではない他のアイドル、ということかと思います。
モーニング娘。は“ヴォーカル&ダンスグループ“を標榜していますし、
今更という話ではありますが、そうではない48グループは
世間からいらぬ比較をされていますね。
例えば1987年解散のおニャン子クラブが、2005年のデビュー以来、2020年現在も存続しているAKB48まで進化してきたと考えれば、これは時を超えたアイドル界の偉業と言えます。
一方、1997年のデビューから今年の9月で23周年。モーニング娘。'20 に2002年卒業の後藤真希がセンターとして電撃復帰したとして、譜久村リーダーとのツートップで更なるピークを狙うことも夢ではないと思えるほど、18年経ってもトップアイドルのパフォーマンスが期待できる戦力を送り出せるアップフロントは、最強のアイドルジェネレーターです。
プロレス好きとしては、“強いだけがレスラーではない“ が結構デカい話ではありますが、
今回のコラボは正直、“猪木が出てきたら猪木見ちゃうな“ という感じです。
AKBには、猪木がいなかったな、と。