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昔話をするために今を生きてる

今日、大阪で就活のイベントがあったので行ってきました。
メンバーは僕を入れて4人。全員高校からの付き合いで、何度かnoteにも書いているグループの人たちです。

昼からのスタートだったので、昼前に集まってまずは腹ごしらえ。
そのあと電車を乗り継いで会場に向かい、イベント終了の17時までひととおり企業の説明を聞いたあと、再び集まって晩ごはんを食べるという流れでした。

塩ラーメン (昼)
お好み焼き (夜)

帰りの電車で得た情報を共有しあい、お互いの進路について真剣に考え始めます。自分の研究分野だったらここに勤務になりそう、自分だったらここかな、と話をしていると、いまの状況がずっと続いていくわけではないことが、嫌になるほど鮮やかにわかってきました。
あと2年もしたら、僕たちはそう簡単には会えない間柄になってしまうのだろうと考えると、漠然と悲しくなりました。それだけ僕はこのグループが好きで、このグループに依存していたわけです。

同時に密かな期待も寄せていました。
「きっと今日のことを、これからずっと先、みんなで集まった時に思い出して、話をするんだろうな」そんな無根拠な予感があったからか、少しは前向きになれた気がします。


今は頻繁に会っている僕たちも、これからお互いに大きく進路が分かれ、住む場所もやることも食べるものも、どんどん別々になっていくはずです。収入の差があれば生活の質も変わるし、家族が増えたり家を持ったり車を持ったり、それぞれにいろんな生活の仕方を身につけて歳を重ねていく。これだけ違うと共通の話題なんてあったものではありません。新しい話題を一から説明することに疲れてくると、次第に話せることもなくなってきます。

ここで昔話の出番です。
みんなが覚えていて価値観を共有できる、「みんながまだ一緒に遊んでいた頃のこと」を、きっと僕たちは話し始めるようになる。
「昔の話ばっかりしてる」と、あれだけ長いことANNのレギュラーを続けているオードリーさんがラジオで言っていたのでまず間違いないと思います。


最近も少し似た経験がありました。
自販機と連動させて使うことのできる「TenTen」というCoke onの下位互換みたいなアプリがあります。このアプリのサービス終了がメールで送られてきました。TenTenの登録をしたのは半年ほど前、いつものメンバーで旅行に行ったときだったので、そのことをグループLINEで送ってみると

嘘だろ… もう横取りできないじゃねえか…
と、Nから返信がありました。


あれは鎌倉や江ノ島へ旅行に行った時のことです。
ゲストハウスを貸し切って泊まることになっていた僕たちは、家の風呂だと狭いという理由で銭湯を探して汗を流すことにしました。銭湯に入り休憩所に向かうと、「TenTenに登録すると1本無料」と広告の貼られた自販機を見つけました。無料の2文字に釣られ、会員登録をしてジュースやお茶を買うことになりました。

TenTenを自販機につなげて1本商品を購入すると、スタンプが1個貯まる仕組みになっています。それぞれスタンプが貯まるのを確認していると、

「あれ?スタンプもらえてないんやけど?」
と困惑し始めたのは、リーダー的存在のMでした。

そこでそれぞれアプリを確認すると、なぜかNのアプリだけスタンプが2個貯まっていました。どうやらMがお茶を買ったその時、Nが近くでスマホを触っていたため、間違ってNの方にスタンプが反映されてしまったようです。こんなことあっていいのかという話ですが、「NがMのスタンプを横取りした」という文脈で、ひと笑い起こって事はおさまりました。


旅行の中でもほんの1つの、小さな思い出。多分Nがそのことを話題に出していなかったら、思い出すことはなかったはずの記憶。

「これこそ昔話だ」そう確信しました。きっとこれから幾度となく、僕らのグループではこの手の話をしていくんだと、思うと不思議と嬉しくて、笑みが溢れてしまいました。


きっと今日のことも、いつかそう遠くない未来に話をするんだと思います。
それはもしかすると、「雨だというのにうつろが折り畳み傘を忘れてきた」とかいうようなすごく小さい部分かもしれません。仮にそうだとしても、それすら思い返して懐かしいと思える精神性が、きっとその頃には備わっているはずです。

今辛いことも、無意味だと思うことも、いつか必ず昔話になって、仲間と共に語らい合うことができるようになります。
辛いことも終わってしまえば思い出です。

笑い話にしましょう。
昔話をするために、僕らは今を生きているのだから。

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