2020年2月27日(木) 地域説明会の記録-前編・説明部分-
2020年2月27日(木) 19時30分~22時に、福山市教育委員会主催で、学校再編計画についての地域説明会が、内浦学区・内海学区合同で開催されました。
こちらの様子を、前編と後編に分けてお伝えします。
まずは前編として、福山市教育委員会からの説明部分を書き起こしたものを公開します。
* * *
司会:自己紹介をさせていただきます。
三好:教育長の三好です。
佐藤:教育次長の佐藤です。
金輪?:管理部長の金輪?です。
田丸:学校教育部長・田丸です
縄稚:内海支所長の縄稚です。
藤井:学校再編推進室長の藤井です。
木村?:学校再編推進室主管の木村?です。
小川:学校再編推進室次長の小川です。
司会(小川):前の方、席があいておりますので、よろしければ前の方にお座りください。よろしくお願いいたします。それでは、本日の説明会の流れについて説明いたします。はじめに、前回──昨年5月に開催をしました。地域説明会以降の取り組み状況と学校再編についてご説明をさせていただきます。その説明の後に、みなさまとの意見交換をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
学校再編推進室長(藤井):はい、では、失礼いたします。本日が2回目の地域説明会になります。前回、5月に地域説明会を開催させていただきました。それまで長い期間、保護者や地域役員と意見交換を重ねさせていただいておりましたが、昨年と一昨年10月の意見交換会で、「(仮称)千年小中一貫教育校について具体的な話ができるように、地域のみなさんに説明してほしい」という多数のご意見を受けて開催をさせていただきました。前回の説明会には、両学区全部で106人の方の参加をいただきました。
はじめに、5月に地域説明会を開催して以後の取り組み状況についてご説明します。資料、次第をめくっていただいて1ページへお願いいたします。
地域説明会が終わってすぐ、教育長から「もっとひとりひとりの思いを聞かせてもらいたい」「対話の場が持ちたいと思っている」ということを、内海町教育環境整備推進協議会にお伝えしました。調整に時間がかかってしまいましたが、7月に今後の進め方について役員の方と話し合いました。役員からは、再編について前向きな意見をいただく中、「協議会として保護者の思いが一番大切。保護者の思いを聞いてほしい」と言われました。その後、協議会と保護者役員の間で話し合いが持たれ、9月に小学校と中学校の保護者役員とそれぞれ意見交換をさせていただきました。役員おひとりおひとりの思いや意見をその時聞かせていただきました。そして、小学校・中学校、両方とも、保護者はいろいろな不安や思いを持っている。その不安や思いを教育委員会はしっかり受け止めるべきだ。説明会や意見交換会では、場の雰囲気から自分の意見や思いが言えなかった。聞きたいことが聞けなかった。という意見が多数ある。どのようにしたら保護者がそういった思いや意見を言える状況が作れるかを話し合う中で、教育長が保護者のお気持ちをおひとりおひとり、また少数のグループで聞かせていただくことにしました。
賛成であろうが、反対であろうが、これから子どもたちが学んでいく学校やの教育やその環境について、現在の学校や義務教育学校のこと、よくわからないこと、なんでもいので率直な思い、気持ちを聞かせてほしいと案内を出しました。また、その場を作るにあたっては、周りに気を遣わず話ができた方がよいということで、申し込みは直接教育委員会にメールや電話などで連絡をいただき、場所も内海町内に限らず、仕事帰りに市役所によっていただくなど、できるだけ多くの方に来ていただけるよう、再度、再再度の案内を出して、ぜひ来てほしいということを呼びかけました。期間は10月30日~12月26日までとしていましたが、都合により延期になった方がおられましたので、1月22日が最後になりました。来てくだったみなさまには、学校再編についてだけではなく、子どもの成長や将来への期待、学校教育に対する思いや考えをお聞きし、30分を目安にしていましたが、ほとんどの方は、1時間や2時間、いろいろな話をさせていただきました。ありがとうございました。意見をまとめると、「内海町の今後や集団になじみにくい子供のことを考えると内海に学校は必要」という意見。「学校を残してほしい。しかし再編するのであれば、教育委員会が決めてはっきりと言ってほしい」「中途半端であることが一番不安である。再編するとはっきりさせてほしい」「通学に関することをはじめ、子どもたちが困らないように具体的な話をして準備を進めていきたい」「早く開校準備委員会を立ち上げ、準備を進めていくべき」「学校に子どもが少ないのは不安。いろいろな友達と関わり、いろいろな経験をさせてやりたい」「手をかけすぎるのがよいとは思わない。トラブルもあるだろうが、多様な価値観を認め、ひとりひとりの多様性を伸ばしていくことのできる学校で学ばせたい」「意見交換会の中でいろいろと要望してきたことが改善されてきている。次に進んでいきたいという気持ちに変わった」など、意見としては前向きなものがほとんどでした。
そのあと、保護者を対象にアンケートを行いました。資料の2ページをご覧ください。
対象世帯数は95軒に配布をしましたが、1軒転居があったため、94軒になります。回答は38世帯からいただきました。質問項目は、はじめに教育長の話し合いに参加したかどうか。参加していない方の理由は様々でしたが、「仕事の都合」「役員として話をしたから」「教育委員会としての判断に従うから」「学校再編に反対だから」といったものでした。
次に、学校再編について、5つの選択肢から該当する思いを複数選択可で選んでいただきました。「①開校に向け具体的な話合いが始められるよう、早く決断してほしい」「②子どもたちの将来を考えると、再編はやむを得ない」「③再編するのであれば、不安や心配を解消できるようにしてほしい」「④内海町に学校を残してほしい」「⑤教育委員会に任せる」。これらは、これまでの保護者との意見交換の中で聞いてきた意見を項目にしたものです。集計は資料の通りです。また、③の再編にあたっての不安・心配の具体と、④の内海町に学校を残してほしいという理由や思い、またこれからの学校教育に望むこと、義務教育学校に望むことを自由に書いていただきました。
3ページをお願いします。
アンケートの記述内容については、個人が特定される内容は削り、類似の意見はまとめさせていただいております。抜粋をして紹介させていただきます。
(中略)
こうした、いただいた思い・要望を今後の取り組みにしっかりと活かしていきたいと思っております。
取り組み状況に戻ります。1ページにお戻りください。
2月8日に内浦・内海保育所保護者会から要望書を受け取りました。内容は、(仮称)千年小中一貫教育校の整備計画そのものに反対するものではない。少人数教育を必要とする子どもたちの希望が適えられないことのないように、内海町の小中学校と(仮称)千年小中一貫教育校とを選択できる環境を整備することなどを求める内容です。
(以下、要望書の回答を抜粋)
小規模校には、子どもひとりひとりに教員の目が届きやすい、友達同士の人間関係が深まりやすい、個別に役割を与えて活躍する場面を作りやすい、など良い面もあります。しかし、教育委員会は、「変化の激しい社会の中で、自分の夢の実現に向けてたくましく、様々な人と協働して持続可能な社会を創造している」という子どもたちの姿を目指しています。そのためには、多くの友達や教員と出会い、多様な人間関係の中で共に学び、助け合いながら成長できる教育環境が必要です。来年度から小学校で、2021年度から中学校で実施する学習指導要領が求める「主体的・対話的で深い学び」となる効果?~~的な学びのためには、一定の集団規模が欠かせません。内海町に学校を残すことはできませんが、再編後も地域とのつながりを大切にし、自然環境など内海の豊富な地域資源を活用して地域のみなさんと子どもたちが交流し、多くのことを学ぶことができる教育活動を積極的に進めます。さらに、地域と協働した特色ある学校づくりを行っていくため、保護者や地域の意見を学校運営へ取り入れていくコミュニティ・スクールを導入する考えです。開校までの間は、新しい学校生活への不安を軽減できるよう、子ども同士の交流事業を計画的に行い、授業や行事、給食、休憩の時間などを通し、友達関係を深める中で開校を迎えられるように取り組みます。また、集団になじめない子どもに対しては、必要に応じて少人数指導教室を設置し、教員が個別の学習指導を行います。義務教育9年間は子どもたちが豊かな人生を送る基礎を培う極めて重要な時期であり、次代を担う人を育てるため、(仮称)千年小中一貫教育校の整備を責任を持って行い、よりよい学びの環境づくりを進めていく考えです。
と、教育委員会の考えをお答えをさせていただいております。
これが、この間の取り組み状況になります。
福山市教育長(三好):失礼します。
今、この間の取り組みについて説明をさせていただきました。この資料で言うと、10月30日月から1月22日の間、保護者のみなさんとおひとりでも、ひとりだったらなかなか気を、話すのがしんどいから、2人でも3人でもということでご案内をさせていただいて、個別にというんですかね、ここの部屋で、また内海中学校の部屋を借りたこともありました──お話をさせていただくというより、聞かせていただきました。結局は10数名の方だったですけど、おひとりだったり、ご夫婦で来られたり、子どもさんと来られたり。最初30分の予定でしたけれども、そんなに全然時間がつんでませんでしたので、時間はあまりこだわらず、話が尽きるまでという感じで話をさせてもらうと、2時間超えたような方もありました。当分聞かせてもらってました。とにかく、話を聞かせてもらいたいというのがまず最初だったんで。で、何か言われたら、これはああですこうですと言うつもりも全くなく、しかしずっと聞かれているとこれはどうなる──先ほどあったように、スクールバスがどうなるんかですとかですね、新しい学校に行っての不安とかもお話されるし、何も答えないのもどうかなぁと思って、答えた方がいいですかと言って、答えてください言われるから、そうやって聞かれたことに対してお返しするというような感じで、お話をずっと聞かせてもらいました。で、共通してですね、一番強く思ったのは、みなさん内海町という町が大好きだし、人が地域の人や家族も含めて、大好きなんだなぁということを強く感じ増した。とても強く感じました。みんなこれも共通して、できるなら学校があってほしい、残してほしいというのが、これみなさん共通しての思いだということもよくわかりました。しかし、この状況でとか、ここまで少なくなってとか、子どもの将来を考えるとというところでの保護者の方の思いをたくさん聞かせていただきました。その思いはとってもよくわかりました。そのひとつひとつにきちっと応えていかないといけないという思いを、じっくりと聞かせていただく中で強く感じました。その時間ってとっても私にとって貴重でした。もっと多くの人とお話したかったので、その期間は終わったけれども、さらにお話を聞かせてもらいたい、どうやったら聞かせてもらえるのかと、個別にご家庭を訪問してとかも思いましたけど、押しかけて無理にということにもならないなあということで、10数名の方からお話を聞いたということで、そこでとどまっております。それから、その中でですね、ここに来るということもとてもしんどかったという、これもほとんど共通して言われました。ある方は、もう自分は新しい学校に行かせたい。再編が反対とか賛成とかというよりも新しい学校に行かせたいという思いを持っていると言われる方もおられましたけれども、ここに、教育長と話をしたということがわかったら、わかるのが怖いとかですね、心配だということを言われました。やっぱそれは大丈夫、それは内容を含めて大丈夫です、誰が話したかとかですね、そういう意味で最大限の配慮はしたつもりです。ですから、お話のしやすい場所を指定していただいたら、役所でもいいしどこか別の場所でもいいですしということでしたけれども、ここの支所と内海中学校でした。そしてお話をさせてもらった流れはそういうことです。
それから、地域の役員の方と話を何度もさせていただきました、この間。その中で役員の方々も、おひとりおひとりご意見が違う、同じということではありませんけれども、内海町のこれからを考えた時にこのままではいけないということ。また、子どもさんのことであったり、お孫さんのことだったりすると、子どもの教育の環境としてどうなのか、このままではやはりいけないという思いも伺いました。また、10何年か前に、10数年か前に、内海町員学校を、幼稚園小学校中学校という1つの学校をというような動きがあった時に、町内がなかなかひとつにまとまれなかったということを、私、こちらから言うわけではなく、自らそういう話をされる中で、同じことを繰り返してはいけないというようなことを話してくださったり、そんな時間でした。その中で、先ほど言いましたけれども、みなさん学校はあってほしい、あるにこしたことはない、残したいという思いはみなさん持たれている。それは、地域が好きだし、家族が好きだし、親戚とかみんな知ってる人が好きだから残したい。しかしその、緊密な人間関係の中だけに、家族の中でも反対賛成とかいうことになったら、分かれて、分かれて、それを表立って言うということがとってもしんどい。これも共通して声としていただきました。自分はこうなんだけれども聞けないとか、アンケートに答えるのもなかなか答えられないとか、行くのももっとしんどいと言われてたとか、というふうな声を聞く中で、それはお世話になった方への、一緒にいろんなことをやってきた方々がたくさんおられるわけで、しかし子どもの将来のことやご自身として町のことを考えたご自身のの意見や思いはあっても、家族だったり夫婦だったり兄弟だったり親戚だったりという関係の中でなかなかそれを表立って言えない。言えないからということで、アンケートよう出さないけれどもという連絡をいただいたり、そういうことも含めて、内海町が好きでみなさんが好きなんだなぁという思いをとってもしました。しかし、そういうことも含めて、新たな学校を作るということ、そしてまちづくりについて話を始めたいということがみなさんの総意であるという風に判断いたしました。これから、これから新たな学校をどのようにつくるのかということと、まちづくりに向けて、どうまちづくりを、町をつくっていくのかということを、に向けて、これから話をする、スタートを切る、その区切りの会にさせていただきたいということで今日伺っております。よろしくお願いします。
司会:それでは、ここからみなさんとの意見交換に移りたいと思います。ご発言は内浦・内海学区の保護者のみなさま、地域の方を対象とさせていただいております。ご発言の前に、ご自身のお名前と自治会名、または小中学生就学前の保護者であることなどをお願いを致します。なお、お名前については差し支えがあれば省略いただいても結構です。限られた時間の中でできるだけ多くの方にご意見を伺いたいと思いますので、ご協力をお願い致します。では、ご質問やご意見がありましたら、職員の方が順番にマイクを回しますので。ではお願いいたします。
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個別面談の結果としては、「(再編に)前向きなものがほとんど」というまとめとのことですが、面談に参加したのは対象となる保護者94世帯のうち、10数世帯とのことです。その中にも、「内海町に学校を残してほしい」という話をした世帯もいるのです。ごく一部の人との話を、いかにも大多数であるかのように過大に伝えることによって、説明会の会場で学校存続を希望している保護者・住民はまるで少数派であるかのように感じさせられました。
また、「言えないことがある人がいる」ということを繰り返し繰り返し、そしてそういう人がいかにも大多数であるかのように言われました。しかしそれもよく考えてみれば個別面談をした10数世帯との話にすぎないのです。
後編では、地域住民や保護者からの質疑について紹介します。
個人が特定されるような内容については配慮が必要かなと思いますので、少し編集した状態で公開したいと考えています。
お読みになってのご意見や感想などもぜひお寄せください。