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公演直前!山本祐太に聞く、5つの質問【『ヌガー・グラッセが溶けるまで』出演者に1問1答】

2022年3月18日(金) ~ 3月/21日(月祝)にて、けんちくしとうつろろの合同公演『ヌガー・グラッセが溶けるまで』を上演します。

今公演は、脚本・演出 越智良知の「劇団うつろろ」 × 知久貴大・根間健太郎 俳優2人の「演劇ユニットけんちくし」が初のタッグ!愛や羨望、成功と絶望、さまざまな感情が入り混じる生々しい人間ドラマを、魅力的な俳優陣とともに描きます。

公演が直近に迫るなか、特別企画として出演者の1問1答をお届け。今回は元国民的歌手・足立結憂が女将を務める老舗旅館『あだちや』の従業員、『近藤貴之』を演じる山本祐太さんに、5つの質問に答えてもらいました!

けんちくしとうつろろの合同公演『ヌガー・グラッセが溶けるまで』【2022/3/18(金) ~ 3/21(月祝) @遊空間がざびぃ】
12月8日未明、足立結憂が殺されたーー。30年ぶりの記録的な大雪に埋もれる、幻想的な旅館の佇まいとともに、衝撃的なニュースが日本中に報じられた。

15歳でデビューを飾り、国民的なアーティストとして愛されていた足立結憂は、7年前、突如として表舞台から姿を消した。いまだその楽曲の数々は、色褪せず、多くの人の心に勇気を与えている。

犯人は都内の派遣事務として働く、小林瞳。彼女の口から、少しずつ真相が語られはじめる。

「私が信じるのは、足立結憂。そしてあの曲『ヌガー・グラッセが溶けるまで』ーー」 

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①まずは自己紹介をお願いします!(ぜひ芝居との関わりや、これまでの経歴などお答えください!)

山本祐太(やまもとゆうた)愛知県名古屋市出身の28歳です。男の子です。

演劇をはじめたきっかけは自分でもあんまり覚えていなくて。小さい頃からだいぶテレビっ子で、特撮だったり、アニメだったりばかり観て育ち、そういう世界を演じることに憧れがあったのかもしれません。

実際に昔からごっこ遊びが好きで、よくなりきったりして遊んだりもしてました(笑)。

お芝居というか、「演じるのが楽しい」と自覚したのは、小学6年生の学芸会のとき。太宰治の『走れメロス』で、主人公のメロスをやったんですよね。

観ている人すべてが舞台にいる自分に注目し、この瞬間だけは「世界そのもの」になっているんじゃないかと錯覚するほどの体験に、当時胸の高鳴りを感じました。

それからちゃんと演劇に触れたのは、高校で入部した演劇部。

演劇における基礎から、仲間とひとつの作品をつくっていく楽しさを再確認し、3年間の高校演劇で得たものは、今日の僕自身の血肉となっていると実感しています。

高校を卒業して演劇から離れました。ただ自分の中ではお芝居を忘れられず、もやもやを抱えた日々を送っていて。そして時が経ち、縁あって社会人となってから3度、演劇に触れる機会が訪れました。

ブランクはありましたが、皆と「良いものをつくるんだ」と、ひとつの目標に向かうことが、とにかく楽しくて。その瞬間、抱えていたもやもやが晴れた気がして、演じることは、こんなにも自分の中で大きい存在だったんだと再認識しました。

そんなこんなで仕事をこなしつつ、時間を見つけては舞台に立ち続けています。

②芝居をやっていて好きな瞬間は?!

役者をやっていてうれしい場面は、やはり終わった後に「演じたキャラ良かったよ」なんて、お声をいただくことですね。

いまでも強く覚えているのが、高校演劇時代の話で、地区大会の本番が終わった後に行っていた、お客様からアンケート。キャラ人気コーナーなんかもあったりして、そこで自分の演じたキャラが上位にいた時は、けっこう嬉しくてニヤけてました(笑)。

観に来てくれた人達の記憶に残ったんだなぁ、舞台で演じてた瞬間はちゃんとキャラとして生きられてたんだなぁって思ったりなんかして。

自分にとって演じるという行為は、自分ではない他人の人生を歩める瞬間だと思っています。なので自分とかけ離れた、遠い存在を演じると、特に楽しいと感じますね。

かつて「狂った謎の科学者」なんてものを演じた事があったのですが、普段そんな感情を出したり、表現する場面なんてなかったので、とてもやりがいを感じ、役者冥利に尽きるなと当時思っていました。

ただ最近では少し考えが変わってきていて。観に来て下さった方の心に残る作品となるように、自分はあくまで物語を彩る一つだと考えるようになりました。大切なのは、観ていただいた方にどれだけ楽しんでいただけたか。

その中で、どれだけ個としての自分が作品を逸脱しない範囲で表現できるかに全力を注いでいます。

③今回はファンの集う、元国民的歌手が女将として働く「老舗旅館 あだちや」が舞台になります。それにちなみ、好きな場所 or 思い出の場所を教えてください!

思い出の場所と言ったら、故郷の名古屋に住んでたとき、お昼に家族でよく食べに行っていた喫茶店ですね。

そこの『鉄板ナポリタン』が絶品で。今でも自分の中で、それを超える鉄板ナポリタンとは出会えてないです!

好きな場所で言うと、変かもしれないんですけど。『トイザらス』が昔から大好きです。

よくおもちゃを買ってもらっていたのもそうなんですけど、特に気に入ってるのが店内に入ったときの「鼻に入ってくる匂い」。何がそんなにいいのか、自分でも説明できないのですが、兎に角、他では嗅げないものに心奪われています。

④今回は「近藤貴之」を演じます。この役の「推し」ポイントはなんでしょう?!

近藤は「ハンバーグプレートの端の方にある野菜」なんだと思って演じています。

決して主役ではないのだけれど、無くてはならない存在となりたいなと。

最初に演出の越智さんに言われた「近藤は他のキャラをまわす役割だから」、というのがけっこう印象的で。「どういうこと?」みたいに思ってました(笑)。

ただ演じていく内におっしゃっていた意味がわかり、だんだんと近藤というキャラを掴めてきた気がします。

近藤は作中でも、自分から何かを発信するというより、登場人物たちの心情を吐露させる場面が多いです。観客と同じ目線、代弁者。さしずめ物語の観測者として、役割を徹底しています。

そして近藤にはもうひとつ側面もあって。物語は否応なく進み続け、後半はかなり重たいシーンの連続となっていきます。そんな中でも近藤が出てくるシーンは安心できる、言わば"セーブポイント"のように感じていただけたらいいなと演じています。

ただやっぱり僕は、この演じる近藤が観ていただいた方の記憶に残るキャラクターになりたい。そういう野心を持ちながら、安心安全の近藤という人物として、舞台上で懸命に生きていこうと思います。

⑤最後に、読んでいただいている方へメッセージをお願いします!

ようやく演劇の世界に戻ってこられたんだなと、しみじみ感じております。

ちょうど2年前、コロナ禍となる前、本番直前に皆で話し合い、公演中止となった舞台がありました。

その時は悔しいというか、喪失感だったり、悪い空気からの解放感だったりと色々なものが自分の中を駆け巡りました。

そこからは公演やオーディション、役者募集なども少なくなり、自分自身も、このまま自然と役者でなくなってしまうんじゃないかという、漠然とした不安を感じていました。

そんな折、かつて社会人になって、初めて舞台出演を誘ってくれた主宰の知久さんから、今回再びのオファーをもらい。一気に感情が昂りました。これは何かしらの運命なんだと。そんなこんなで、再び舞台に立つことができています。

2年ぶりとしても、舞台に立つ以上ブランクを感じさせない、僕自身の思いの丈を、芝居にぶつける勢いで公演に臨んでいます。

けっこう重めの話ではありますが、とてもおもしろく仕上がっているんじゃないかなと。公演を観終わった後に、どうしてそうなったのか、自分もそうなってしまうんじゃないかなど、考察などもしていただけるとうれしいですね。

なかなか出口の見えないコロナ禍という現実ですが、少しでも観ていただいた方の記憶に残る舞台になるよう、役者、演出、スタッフ一同、皆が力を合わせて仕上げて参ります。ぜひぜひ劇場まで足を運んでいただけましたら幸いです。

けんちくしとうつろろの合同公演『ヌガー・グラッセが溶けるまで』【2022/3/18(金) ~ 3/21(月祝) @遊空間がざびぃ】
12月8日未明、足立結憂が殺されたーー。30年ぶりの記録的な大雪に埋もれる、幻想的な旅館の佇まいとともに、衝撃的なニュースが日本中に報じられた。

15歳でデビューを飾り、国民的なアーティストとして愛されていた足立結憂は、7年前、突如として表舞台から姿を消した。いまだその楽曲の数々は、色褪せず、多くの人の心に勇気を与えている。

犯人は都内の派遣事務として働く、小林瞳。彼女の口から、少しずつ真相が語られはじめる。

「私が信じるのは、足立結憂。そしてあの曲『ヌガー・グラッセが溶けるまで』ーー」 

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