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山寺駅
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「葉書1枚のスペースに織り込んだ思い」
祖父の7回忌の法事のために秋田へ行った帰り、ふと立ち寄った仙山線・山寺駅。生まれて初めて訪れたはずなのに、何故か懐かしい。そんな気持ちを、心の中のスクリーンだけでなく、形あるものとして残そうと思い、カメラのシャッターを切りました。写真はよく写ってはいたけれど、自分の抱いた懐かしさへの憧憬を語るには余りにも弱すぎて、物足りなくて・・・。それで、写真では判らない大切な感情を紙に託して線を引き、版を重ね、この様な形にたどり着きました。
大人にはなりたいけれど、嫌な大人、汚い大人にはなりたくない。心のどこかに“忘れていた何か”を残していたい。いつまでも子供の頃の心を持ち続けていたい。そういった小さな願いも、葉書1枚のスペースに織り込んだつもりです。「なるほどそうだったのか」こんな風に納得をしながらこの作品を見て頂ければ幸いです。
<郵政大臣賞「受賞の言葉」より 1991年3月8日※原文のまま>
岩に巖(いわお)を重ねて山とし……かつて松尾芭蕉が訪れ、このように書き記した山形県の立石寺(りっしゃくじ)、通称山寺。山頂で人々を待ち受けるその寺の玄関口である山寺駅の造りも、また風流なり。藤子不二雄の『山寺グラフィティ』に触発されて制作した作品。(1991年)
第15回手作りの絵はがきコンクール(理想教育財団主催)郵政大臣賞受賞作。