わたしの家族
わたしの家族はちょっと変。
今やったらわかるけど、わたしと弟は精神的虐待を受けてた。
特に弟。
勝手にやらなきゃいけないことを決められ、できなければビンタ、寝させない、怒鳴る、躾と称して車から置いていかれ、10キロ歩かされる。
わたしは何もしなかった。
弟を犠牲に耳を塞いで見なかったことにしていた。
ここで止めたら、次はわたしかもしれない。
そんな罪悪感に苛まれ、独り立ちした5年後、弟に謝った。何もできなくてごめん、って、わたしだけが楽になる謝罪。
弟はいいよ、と言った。お姉ちゃんが入ったら余計拗れてただろ、と。
わたしと弟は約束した。子供は作らない。
恐怖支配を受けた人間は、恐怖支配をするようになってしまう。
そんなわたしと弟は、トラウマに苛まれ、お互いに精神科にお世話になりながら暮らしている。