ke-グラフィティ
グラフィティ、英語で書くと graffiti で「落書き」という意味。あんまり聞き馴染みのない言葉かもしれないけど、「渋谷の壁とかで見かける何書いてるかわかんない落書き」って言うと結構わかりやすいかもしれない。都会じゃないとあんま見かけないから、みんなに通じるとしたらバンクシーとか。「東京にバンクシーが来た(かも)!」って騒がれてた正体不明のアーティストの。廃墟とかトンネルの心霊ロケの映像とかで「〇〇参上!卍」とか書いてるのもまあグラフィティっちゃグラフィティ。その横に大抵よくわかんない英語的な何かとか、ドンキのポップみたいな文字らしき何かとかは正真正銘グラフィティ。
なんとなくイメージできただろうか。なんかああいうのは(特に参上!xx年yy日!みたいなのは)ヤンキーがやってるもんだと思われてるかもしれないけど(参上!はまあ多分ヤンキーだけど)、「やりらふぃー」みたいなのより、スケボーとかやってるストリートカルチャー好きが興味があると思う。 というのも、実はグラフィティって結構ストリートカルチャーの中でも重要で、「HIPHOP 要素」とかで調べてもらうとわかるけど、HIPHOP の4大要素(5大要素といってる説もある)の1つなのだ。HIPHOP って音楽のジャンルみたいに認知されがちだけど、実は違くて文化の総称。なんか貧しい地区的なとこにいた人たちが、ナワバリ争いみたいでさ暴力はやめようぜ、平和的に戦おうぜ、みたいな感じで始まったものらしい。実際、HIPHOP の他の要素のラップ、DJ、ブレイクダンスは「バトル」という形式がある。10年前ぐらいに流行ったフリースタイルバトルみたいなやつだ。グラフィティにバトルってあんま聞いたことないけど、それでも「うまいやつの上から書いちゃいけない」というルールは一応あったりする。
ちなみに、グラフィティは基本「描く」じゃなくて、「書く(write)」。あのよくわかんない渋谷の落書きも一応文字であって、自分のニックネームとかメッセージとかを書いてる。
まあなんせグラフィティってラップとかDJと並列ってぐらいすごいんだぞ!ということを言いたかったんだけど、ラップとかDJって結構どデカいカルチャーというか認知度高いのに、なぜにグラフィティはそんなに知られてないんや?というと、普通に純犯罪だからだ。渋谷とかにいっぱいあるやつ、あれを書いてる奴らは全員犯罪者なのだ。バンクシーが顔隠してるのとかもそうで、グラフィティやってる人って表立って「グラフィティやってます!」みたいなこと言えない。まあ現行犯じゃなければ捕まらないとは思うけど…(バンクシーも自身のドキュメンタリー映画「Exit through the gift shop」という映画で、バレそうになって逃げた、みたいな話を何回かしてる) まあ最近はブランドのデザインとかで使われてたりして、なんかアートとして市民権を得てきてる感じはある。バレンシアガとかヴェトモンとかが使ってた記憶ある。うろ覚えだけど。
さて実は自分はこのサークルを作ったとき、グラフィティを一緒にやる人が欲しいな、と思って始めた。もちろん犯罪行為を助長するわけではなく合法なことをしたくて、例えば、ペンで紙とかにそれっぽいサイン書いて「上手いねウフフ」みたいなことを言い合ったり、立て看(東大と京大に残ってる文化で、宣伝で使ったりする看板のこと)を作ったり、今回みたいな雑誌的の作ってなんちゃって作品集出したり…みたいな。 グラフィティってやっぱ名前出せないから教科書みたいなの世にあんまなくて、マジで口伝がほとんどなんじゃないかなと思う。それもこの文化が流行らない理由の1つだと思うけど、このサークルに来ればそれなりに教えられると思うから、もし興味があったらぜひ連絡してほしい!気軽に!このサークルマジで誰でもウェルカムで、高校生とか30歳ぐらいの外人とか幅広く東大生以外もいっぱいいるので!令和はマジでダイバーシティ。あと普通にラップやったりスケボーやったりDJもしてるのでぜひ。ダイバーシティ。
ただ実はグラフィティは自分でやらなくても楽しむ方法はある。どうするかというと、街の落書きを観察してみよう。なんて書いてるかな?とか、このサインいろんなとこで見かけるな?とか、このステッカーおもろいな、とか。実はグラフィティにも種類があったり、界隈?の有名人とかいたりするのだ。そこら辺のことはまた機会があれば紹介したいけど、結構こういうの意識すると街の見え方が変わって散歩とか楽しくなる。ただの落書きでひとくくりだったものに意味が生まれる。グラフィティって自己主張なんだけど、それがたくさん集まって街を作ってるんだなーとか、なんか人間の活動のカオスさにも思いを馳せたり。大袈裟かもだけど。までも特に海外とかはすごいので、なんかちょっとおお…ってなるぐらい感じるものがあったりする。まあそんなわけで、グラフィティって面白いよ。興味持ってもらえたら嬉しい。
ke:UTSCC創始者、博士一年