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tacica TOUR 2023 "物云わぬ物怪" 仙台ROCKATERIA

 tacicaワンマンツアー「物云わぬ物怪」3日目。
前日埼玉から間を空けずに仙台公演。
全6日ということなので今回はちょうど折り返し地点となる。
 入場前にスタッフの方々が丁寧に列の誘導をしてくれたため、スムーズに入場出来た。


 感想①物云わぬ?物怪

 地下に降りたところに会場があり、数年前に訪れた仙台MACANAを思い出す。今回は猪狩さん側に陣取ってみた。
 ほぼ時間通りに登場。小西さんは前回と同じくまたもオーバーオール。またマネージャーもオーバーオールを着ており、sns上でマリオブラザーズかと思ったとの声が。
 
 埼玉と同じく遊戯からのデッドエンド冒険衝動の順番。遊戯は一年前の動物達の遊戯から作られた曲。一年後に改めて聴くとまた違う。デッドエンドの出だしの猪狩さんのソロから力強さと行き止まり感を堪能。
猪「昨日は、埼玉は西川口だったんですけど、ちょっと喋りすぎたなと……ホテルで反省してました。物云わぬ物怪なのに。なのでちょっと今日は物云わぬようにしていこうかなと」
その発言に観客からえーっという落胆の声が聞こえ、もっと喋ってとの声も上がった。
「ちょっと迷ってます」

 やりまーすとの宣言から金糸雀、夜明け前と続く。夜明け前の猪狩さんのそこはかとない色気と妖しさが尾を引く。そして、ここでMC。

 猪「今回ミニアルバムを作りました。CDを聴く機械を持つ人が居ない中でも作りました。僕らが作りたいから作ってるので。それでツアーが出来て各地に周ることが出来ると……小西が喜びます」
小「ありがとうございます」
猪「今日は物云わぬなので」
小「あっ、喋らない方が良かった?」
猪「いや、別にいいよ」

 今回のアルバムに入ってる曲を、との紹介から中畑さんがカウントを取ってからのディスコードの演奏を始める。終わるとまもなくナニユエの演奏に。儚さを感じられるような歌声と音色が会場を包み込んだ。
 YUGEの曲が続いた後は旧譜のJADITEを演奏。
新曲と過去曲が上手い具合に混ざり合う。

 感想②グッズ

猪狩さんがグッズ紹介を小西さんに振る。
スタッフからパネルとグッズを貰うものの、パネルを開けるのに四苦八苦。
中「開かない?」と見守るように小西さんの方を向いていた。
小「大丈夫です。開きました」パネルを無事開いて、いつものように紹介に入る。
小「半袖シャツは黒でYUGEのジャケットがドン!とのってます。秋なので長袖も作ったんですけど、暑いですよね。どこ行っても。まあそのうち寒くなりますので是非。長袖の方は前にあの……可愛いやつらがプリントされてます」
ちなみに小西さんはオーバーオールの下にこの長袖シャツを着ていた。

小「サコッシュは昨日までの2公演で素材が分からなくて、ツルツルした表面って言ってきたんですけど、調べてきまして……ポリです」
中「ポリ……?」
小「エステルです!ポリエステル100%です」 
サコッシュは撥水性のある表面になっているのでおすすめと力説。
その後は少し駆け足で紹介。 
小「いつもこうやって紹介してるんですけど、最近物販に立ってないなと思って。なので今日は自分が物販に立ちます。もしも誰も来なかったら、帰りの車内で泣きながらご飯食べます」
中「小西くんが泣いてるの嫌だよね」
猪「いや、全然いいと思います」
この言葉通り、小西さんは終演後に物販に立っていた。もちろん行列も出来ていた。なので泣きながら帰ることはなかったと思われる笑。
 
猪「小西がサコッシュを言えてなくて、サコッスって言ってたのにツボってしまった。全部破裂音じゃん」
小「あれ?言えてなかったかな」
猪「こんなとんでもない奴がグッズ紹介してるなんてね……。今日謝りながら物販立つんでしょ?」
小「すいませんって言いながら」
猪「グッズの素材聞かれちゃうよ?」
 
中「そういえば小西くんってさ、グッズ紹介のとき何でベース置かないの?」
小「何か結局またベース持つのもな……って」 
中畑さんが何か分かるかも……と頷く。
猪「いや、何か鎧なんですよ。僕もギター置くと手持ち無沙汰というか……。そういうことでしょ?」
小「……うん」何となく猪狩さんの言葉に肯定する。
猪「……狡っ」
小「でも確かに置くと何か違和感があるんだよね。肩軽いなーみたいな」

 感想③史上最長の曲名

 猪「怖い話してもいいですか?」
して欲しい、と観客から声が飛ぶも
「また来た時に話します」と躱す。
えー、っという落胆の声が聞こえるもお化けの話ということからか、「幽霊のいない街という曲をやります」とうまく繋げる。
今回のツアータイトルにもなっている物怪に相応しいこちらの曲。その後、ordinary day。

猪「ミニアルバムのツアーなので、いわゆる過去曲もやらなきゃいけないんだけど楽しいです。振り返ってみると意外と長い期間やってきてて、その時ごとの流行があって。コードとか作り方とかが違っていて。……もうなんかそういうことを考えてしまう歳になってしまった。
バンド史上最長タイトルの曲をやります」

 ここで諦める喉の隙間に新しい僕の声が吹く。新しい森の情報が出た時に、このタイトルを見て思わず驚いたのを思い出す。
中畑さんのコーラスが響いた後にはaranamiの強烈な音が鳴り響いた。
ちなみにこの日は起用されたアニメ、波よ聞いてくれの主人公鼓田ミナレの誕生日だったらしい。

 その後に先の2公演とも盛り上がりを見せたエネルギッシュな人鳥哀歌。しかし、最初のギター音が鳴らないというハプニングが。もう一度仕切り直しで改めて演奏された。
小西さんがベースを持ち替えるとアロンを演奏。
今までの公演の中で一番激しいセトリの流れだった。
「また音源作って、また来ます。最後に荒野を行くという曲をやります。ありがとう」
そして本編最後は荒野を行くで〆。

 感想④もっと原始的に

猪「ミニアルバムを作ったのは作りたいから。今の時代、CDが売れないとか物価が高いとか色々あるけど、そういうのみんなは気にしなくていいと思う」
「今ってSNSとか色々あって、情報が勝手に入ってくるじゃん。その中で自分に必要な情報だけを得る方法とか、そういうタイトルの自己啓発本がいっぱいあるけど、そんなこと出来ねぇよと思うんだよね。
だから、もっと原始的でいいと思う。好きだからやる。みんなも聴きたいから聴く。なので買いたいと思ったなら買ってください」
「ライブもさっきみたいに音が出なかったらするけど、それもそのライブ感だし。みんなも聴きたいからここに来て、俺らもやりたいからこうやって来てるんだって自分を慰めてます」
物云い過ぎたと少し反省してから曲へ移った。

 昨年のsingularityからCDは会場限定での販売となっており、昨年のツアーにおいても同じようなことを語っていた。謙遜しながら好きな人に好きなだけ届けばいい、と語る猪狩さん、tacicaにこれからもついて行こうと思った。

 アンコールはぼくら、そして、HEROの2曲だった。HEROでは最後立ちながらドラムを叩く中畑さんが印象に残った。

 セットリスト

  1. 遊戯

  2. デッドエンド

  3. 冒険衝動

  4. 金糸雀

  5. 夜明け前

  6. ディスコード

  7. ナニユエ

  8. JADITE

  9. 幽霊のいない街

  10. ordinary day

  11. 諦める喉の隙間に新しい僕の声が吹く

  12. aranami

  13. 人鳥哀歌

  14. アロン

  15. 荒野を行く

  16. en.ぼくら

  17. en.HERO

   
 終わりに

 最後のアンコールのMCに痺れた。今、CDに限ったことではないがどんどんと"物体"が無くなっている。本、チケット、お金……などなど。所謂電子化、レス化というのが進み、目に見えないものがありふれた世の中になったなと思う。
猪狩さんが好きだから作っている、好きだからやっている、もっと原始的でいいと語っており、このバンドを好きになって良かったなと改めて思えた夜だった。


翌日、松島まで観光へ。


ナニユエくんと。


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