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tacica TOUR 2023 "物云わぬ物怪" 感想 名古屋Electric Lady Land

tacicaワンマンツアーの4日目。後半戦は東名阪。
今回は整理番号順もよく、猪狩さんの目の前で観戦した。


 感想①

 今まで通りに遊戯の森の環境音が流れ始める中でメンバー登場。そういえば去年のツアー、動物達の遊戯はこの会場始まりだった。
 
 デッドエンドは目の前だったこともあり、いつも以上の迫力を味わうことが出来た。初めの一音から猪狩さんの力強さが沁み渡る。

 小西さんのイカしたベース音から奏でられた
冒険衝動。サビの猪狩さんの声の伸び。間奏の中畑印のドラム。まだ始まったばかりだというのにクライマックスかのような盛り上がりをみせる。

猪「今日で4日目になるんだけど、ファイナルのつもりでやります。かつ初日のつもりでやります」

 感想② いい音

 金糸雀、夜明け前はとにかく格好いい。
金糸雀は歌詞ももちろん、mvを見るとトンネルの中に光が差し込むような演出である。まるで、それこそ夜明け前の光のようである。

猪「ミニアルバムを作りました。定期的に作りたくなって、どうしようもなくなって作ってます。最近、いい音って何だろうってなってます。好きな音がいい音なのかな……
いい音って何?って聞いてくる人がもう嫌になっちゃって。笑。
tacicaの中のいい音の曲をやります」

そのミニアルバムの1曲目に位置しているディスコードが中畑さんのカウントから始まる。 
最前列の特権である猪狩さんの足の動きを凝視。リズムを取ったり、つま先立ちをしたり、小西さん側を向いたり……。忙しなく動いていた。

続く曲もYUGE収録曲のナニユエ。cメロ部分の誰の為の歌〜が心地よく胸に刺さり、自問自答してしまう。

何故に生きているんだろう?

ゆったりとした余韻の残るJADITEで締める。

 感想③ きしょう

 ここでグッズ紹介に入る。小西さんがグッズ紹介している際、猪狩さん、中畑さんがBGM(?)として楽器を鳴らす。

中「今日ベースの日だから」
この日11月11日はベースの日であった。1が4つ並んでいて、その様がベースの弦に見えるということかららしい。(世間的にはポッキーの日として有名な気がするが)
小「あっ、そうですね」とニッコリ笑う。
中「でも小西くんの日じゃないよ」

小「長袖のシャツを作ってきてまして、ようやく長袖が使える時期になったかな、と。
サコッシュは時期的にも……。まあ通年使えますけどね。これからカウントダウンとか年末の"きしょう"とかにも使えると思います。
表面はリップストップという技法を使っていて、汚れとか弾くようになってます。
タオルは長めのではなく、今回はミニタオルを作りました。サコッシュにも入るくらいの大きさです。あと、ナニユエくんも入れてもいいと思います」
 
 snsで上げられているナニユエくんの写真たちは本人たちも見ているそう。俺らよりも色んなところへ行ってるとのこと。
そして、カレンダーは好評につき、今回売り切れたそう。横浜で買っておいてよかった。これさえあれば他のカレンダーはいらない。とは小西さん談。

小「今回からミニアルバムYUGEの販売も行ってて、ジャケットとかそのあたりのことは後で猪狩から話があると思うので」と猪狩さんに投げて、紹介は終了。

中「とりあえず猪狩くんから」堪えきれない様子の中畑さんと猪狩さん。
猪「まず、"きしょう"からだね。帰省だよね」
小西さん苦笑い。観客からも笑い声が。
猪「何で急に起きたんだろうって思った。サコッシュを起きて使う?」
小西さん、尚も苦笑い。
猪「俺が、というよりもみんなからの圧を感じた。このまま帰さないぞみたいな。モッシュ起こりそうだったよ笑」
小「全然自分では気づかなかった」
猪「生涯学習だから」
小「一生涯勉強する」
中「一つまた成長したね」
猪「でも羨ましいよ。ワンピースを読んでないみたいな」
中「俺読んでないよ。漫画あんまり」
猪「そういえば、幽遊白書の実写化のトレーラーが出てて、見た?とりあえず実写化って聞くとハリウッドのドラゴンボールをとりあえず見てからにしてる。ある程度ハードルを下げて」

 感想④小西さんの想い

 アコースティックセットの2曲を続け様に演奏。
幽霊のいない街はJADITEから続くしっとりしたサウンド、ordinary dayでは静かながらも燃えるようなサウンドを醸し出す。

猪「何か喋りますか?」
小「今年も残りわずかで、年内最後のツアーになるんですけど、ミニアルバムを作って、新曲作って、各地に周って、来てくれて本当にありがとうございます。何か改めて感謝をと思いまして。
就職して仕事してっていうのとは訳が違うけど、ここまでやってこれたのは皆さんのおかげだなって思います」
猪「……真面目」
小「まとまらなかった」
猪「でも真面目でいいと思います」
 
 小西さんの熱いmc後には、猪狩さんのカウントから諦める喉の隙間に新しい僕の声が吹く
諦める喉というタイトルから猪狩さんもそういう時があったのだろうなと思わされる。しかし、新しい僕の声が吹くと続くので、まだまだ終わらないぞという意気込みを感じる。

その後のaranami、アロン、人鳥哀歌はクライマックスに相応しい盛り上がりを見せていた。特に人鳥は御三方の全身全霊で演奏する姿に目を惹かれ、歓声と手拍子でそれに応えると、会場が沸き起こる。途中、中畑さんがスティックを一本落とすハプニングもあったが、特に慌てることもなく冷静に対処しているのを見て流石だな、と思った。

 そんな最高潮の余韻の中で暗転していたステージに光が差すと猪狩さんのMCが始まる。
猪「ミニアルバムをCDで作っていて。今の時代CDが売れないとか言われることがあって。俺らがデビューした頃はまだ所謂売れている頃で、その時と比べると確かに売れてないなとは思う。
でも、別にお金稼ぐためにやっているわけじゃないんで。もちろん売れたら嬉しいけど。本当にただ好きなだけなので。 
最近ようやく落ち着いてきてるけど、まだライブハウスに客足が戻ってきてないとか聞くけど、その中でも俺らはワンマンずっと続けられていて恵まれているなと思います。めちゃくちゃ楽しいんで。
また、新しい音源作って、また来ます。延々とライブもこれから結構やります。また来てください」

 荒野を行くで本編終了。
"雨上がり虹色の上で"の部分を"七色の上で"と歌っていた気がする。
CD音源にはないセッションはまさに荒野を行く人たちの背を押すようだった。
喝采の中、ステージを去っていった。

  感想⑤CDについて

 猪「さっき小西がジャケットのことは後でということだったので、紹介します。
見た目とか手触りとかも凝っていて、uvシルクという加工。リーフレットは遊戯の音を撮った森の写真があって、音が聞こえるリーフレットになってます」
「CDケースってプラスチックとこういう紙とどっちがいいですか?」
観客に問いかける。
「プラスチックの方が背の部分でタイトルが分かるし、紙だとラックの高さに合わなかったり、入らなかったりするから、プラスチックの方が好きなんだけど、自分で作るとなるとどうしても凝ってしまうからこういう紙になっちゃう」
個人的にはプラスチックの方が好き。猪狩さんと同じ意見で高さが揃うし、タイトルも分かりやすい。あと今回のような紙だとうっかりCDがケースからこぼれたり、歌詞カードが上手く入らなかったりするのでプラの方が好き。とはいえ、凝るとなると紙の方がいいという意見もわかる。
なので、ミニアルバムは紙、シングル、アルバムはプラにするとまた特別感が出ていいのかなと思う。

猪「あともちろん曲は中畑さんが」
中「あ、うん」
猪「ドラム中畑大樹」
中「よろしくお願いしまーす」
猪「でも、これから叩いてない曲やります。……もしかしたら叩くかも」
中「もしかしたらね」
おっー、っと観客が期待するも、
猪「いや、叩かないです」と少し申し訳なさそうに言う。

 そして、アンコールは宣言通りにぼくら
先行試聴会の時にも語っていたが、弾き語りでやることが多く、バンドサウンドにするのが困難だったらしい。試行錯誤の結果、小西さんのベースがマッチし、遊戯の精神でバンドサウンドに拘らない今回のアレンジになったという。
まさしく"ぼくら"といったサウンド。

 最後に一曲と演奏されたのはまさかのDAN。今までの3公演ではやっていない曲。HERO→アースコード→HEROと来てたので今回はアースコードかなと思いきやまさかまさかのDANに心奪われた。猪狩さんの目の前で猪狩さんを見上げながらに聴く感動は得も言われぬ感動と音の衝撃に胸打たれた。最後はギターをステージに置き去りにして、轟音が鳴り止まぬ中での退場となった。
その後猪狩さんは物販に立ち、手売りをマネージャーと共に行っていた。まさに瞬間移動。


 セットリスト

  1. 遊戯

  2. デッドエンド

  3. 冒険衝動

  4. 金糸雀

  5. 夜明け前

  6. ディスコード

  7. ナニユエ

  8. JADITE

  9. 幽霊のいない街

  10. ordinary day

  11. 諦める喉の隙間に新しい僕の声が吹く

  12. aranami

  13. アロン

  14. 人鳥哀歌

  15. 荒野を行く

  16. en.ぼくら

  17. en.DAN


 おわりに 

 今回は最前列で見たこともあってか、迫力あるステージを体感することが出来た。猪狩さんはもちろんのこと、小西さんの熱い思いを語るMCは珍しく感じた。とはいえ、グッズ紹介はいかにもな、小西節が炸裂しており、その後の猪狩さん、中畑さんのツッコミあるいはダメ出しがコントのように感じる面白さもあり、楽しいライブだった。

 tacicaを続けてくれる限り、いつまでもどこまでも追い続けようとこちらこそ感謝したい夜だった。

 

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