9/16(金) Varrentia presents “ARCHITECT” vol.01 ライブレポ(tacica)
はじめに
Varrentia主催のイベント。 渋谷Spotify O-Crestにて19時開始。tacicaは先行。サポートドラムは恒例の中畑さん。
singularityツアーからおよそ一ヶ月ぶり。11月に三大博物館の開催も発表されている中でのライブ。singularityの先行視聴会の際に中畑さん、野村さんがtacicaは楽をしない、休まないと評していたがまさにその通りだと思う。思い返せば今年はベストアルバムツアー、ビルボードライブ、アルバムツアーとコンスタントにライブを続けてきている。猪狩さんに至っては10月も弾き語りが数本ある。ツアーファイナル時にも話していたが、やりたいからやっているという事が伝わってくる。
セットリスト
黄色いカラス
冒険衝動
BROWN
ハイライト
デッドエンド
アロン
LEO
人鳥哀歌
アースコード
新旧を織り交ぜたセットリストだなという印象。
感想
登場してまず、「元を辿れば〜」と猪狩さんの歌声から始まる。Varrentiaの渡井さんにとって黄色いカラスは初めてコピーした曲だそう。だから、一曲目にやってくれたんだろうとは渡井さん談。今回、ダメ元でtacicaにアポを取ったところOKが出て、今回のイベントに至ったという。
黄色いカラスの演奏が終わり、すぐに小西さんのベースが鳴り響き、中畑さんのドラムが入ってくる。この掻き立てるような音はまさに衝動に駆られる気になる冒険衝動が始まった。
アップテンポな曲二つを終えたところで「tacicaです。Varrentia呼んでくれてありがとう。一生懸命やります。最後までよろしく」と手短に挨拶を済ますとファズの音が劈き、BROWNへ続いた。
遠吠えという歌詞が登場するが、猪狩さんの声はまさしく遠吠えに近い。アウトロの中畑さんのドラムも必聴もの。
ここでmc。
猪狩「皆、迷わなかった?O-なんとかっていっぱいあるから。小西は迷ってたよね」
小西「入り口分かんなかった」
猪狩「前、O-nestに行っちゃったんだよね」
小西「うん。O-crest行くつもりがO-nestに言ってた」
猪狩「じゃあ、O-crest行くときはO-nestって伝えればいいんだね」
どういうことだよと思いつつ、嗚呼、なんてtacicaらしいmcなんだろうと思っていた。
mc明けでハイライトが始まる。3rdアルバムに収録されている曲だが、ベストアルバムにも収録されているところをみると思い入れのある曲なのかなと思う。ギターを一音鳴らしてから「争い事や急なお別れに〜」とデッドエンドに移る。真っ赤な照明がステージを照らす。絶望感も希望感も合わさり、非常にマッチしていた。
小西さんが珍しくベースのチューニングをしていたのでまさかと思ったら、そのまさかのアロン。
個人的にライブで化けた曲。(もちろんCD音源も大好きだが)カッコいいの一言。ツイッター上でも絶賛の嵐だった。Varrentiaファンの方もアロンになるとめちゃくちゃノっていた気がした。singularityツアーのときと少しドラムのアレンジを変えていた。個人的好きポイントは2番の猪狩さんに合わせて小西さんのコーラスが入るところ。ツインボーカルな感がでて良い。
mcで「Varrentia呼んでくれてありがとう」と仕切りに感謝を述べていた
猪狩「俺らっていわゆる対バンとかのイベントって呼ばれなくて。断ってるわけじゃないんだよ。呼ばれなくて……」とどこか寂しそうに吐露していた。
猪狩「だから、あんまり分かんなくて。この間も女の子(hump back)たちとやったんだけど、そのときにワンマンのつもりでやりますって言っちゃって、なんか後悔してるんだよね」
小西「向こうのほうが一枚上手だったよね。hump backはツーマンのつもりでやってるっていってたし」
猪狩「でも、俺らより後輩から呼んでもらえるのはすごい嬉しい。Varrentia呼んでくれてありがとう」
LEOではラストサビの「また笑えるだろうか」を歌った後、マイクから離れてもう一度「また笑えるだろうか」と歌ってたのが印象的。弾き語りでは割とよくやるのだが、ライブで見るのはもしかしたら初めてだったかもしれない。
続く曲はライブ恒例曲の人鳥哀歌。tacicaのキラーチューン。いつもに増して暴れてる印象だった。猪狩さんは頭を振り、中畑さんと向かい合い、小西さんも小西さんでベースを高く突き上げたり、とにかく楽しんでることが伝わってきた。幾度も見てきた曲なのに全然違う曲のようにも見えた。
猪狩「ちょっと宣伝いいですか」断りを入れて説明をするのは凄く猪狩さんらしいなと思う。
猪狩「11月にライブがあるんですけど、三大博物館っていって。あ、でも本当の博物館じゃないですよ。東名阪でやるんだけど。名古屋、大阪やって、東京はちょっと間が空くんだけど、そこで青森県の弘前で別館をやります」とまさかの追加公演が発表された。
中畑さんが青森出身であり、またマグネットというライブハウスが閉店し、tacicaとも繋がりのある店長との縁で新しく開くライブハウスに呼ばれたとのこと。
猪狩「実はその人、高校の頃教育実習生で来てて。教師になると思いきや、ライブハウスの店長になってた。小西のレスリング部でスパーリングとかしてたんだよね?」
小西「うん。抱き合ってたよ」
その言葉にえっ、と若干猪狩さんが引いてた。
猪狩「あと来月、渡井くんと弾き語りを名古屋でやります。皆、このまま来てください。顔覚えておくんで」とニヤリと笑っていた。
最後を飾ったのはアースコード。アルバムラストに相応しい壮大な曲はやっぱりライブのラストに聴いても良い曲。
おわりに
今回は割とmc多めに感じた。singularityツアーからいつのまにか一ヶ月近く経ち、まだまだ余韻が残っていたが、更なる進化を遂げていたなという印象が強かった。黄色いカラスだったり、人鳥哀歌はどんどん深みが増していくし、BROWNやアロンはライブとしてはまだ数をこなしていない曲なのにもう何十回も演奏してきたようにしっくりきていた。
こちらでは割愛するが、初めてだったがVarrentiaもとても良かった。tacicaへの憧れや熱い想いが語られていた。アンコールではまさかのSilent Frogのカバーを披露するなど最高のツーマンであったと思う。
ささやかな願いだが、次のツーマンライブでは是非セッションをして欲しい。