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退屈な日々にさようならを

つい昨日のこと。

約2年付き合った恋人と別れた。
これまで、本当に仲良かったし、喧嘩もしたことがなかった。でも、付き合いたてより関係が落ち着いていって、周りが同棲とか結婚していくタイミングでこのまま漠然と関係を続けていいのかわからなくなっていた。

彼はわたしにとって、ほぼ初めてに等しい恋人だった。一緒にいろんなところにお出かけして、これまでになかった経験をした。数年前まで自分なんかに恋愛できる資格はないと思っていたし、はじめて告白された日は、信じられなかった。そんな彼と2年も付き合えるとは思ってはいなかった。
でも、やっぱりこれからもずっと一緒に居たかったよ。一緒にいるときはもう少し生きていてもいいと思えたから。

彼は穏やかな人で常に私に寄り添ってくれた。
笑顔が愛おしかった。周りに優しくできて、誠実なところが好きだった。
大学生活後半から社会人までの2年間はあっという間だった。彼の方が社会人になるのが早かったからアドバイスをくれた。彼がいたから日々は色づいたし、頑張ろうと思えた。

けれど、彼の態度から、彼女はわたしじゃなくてもいいというのが透けて見えてきていた。そう思いたくなくて、彼にたくさん尽くした。
あまりにも彼とぶつからなさすぎた。きっと嫌なことも互いに心の奥に押し込んでいたんだと思う。

彼は別れるときに、「僕のことが好きなのは伝わっていて、応えたいのに応えてあげられない自分がいて、そんな自分が嫌だった。今まで曖昧にしてきてごめん」と言った。
なんとなく、察してはいたけど実際に言葉にされると涙が止まらなくなった。
「自分勝手なのはわかっているけど、別れても友達でいさせてほしい」とも言われた。
気持ちがぐしゃぐしゃになった。本気で好きだったから悔しかった。いっそのこと恋人じゃなくて兄弟、もしくはいとことかだったらよかったのにな。

彼の家から自分の家に帰る電車の中で、カネコアヤノさんの「さよーならあなた EP」がシャッフルで流れてきた。すごく今の自分に染みて涙目で電車に揺られていた。この街にもきっと行かなくなると思って無駄に遠回りしながら帰った。

こんなわたしもいつかは彼を忘れるんだろうか。
無理には忘れたくない想い出が多すぎるから、少しずつ、ゆっくり、さようならしたい。

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