(オマケの英語教室 unlock)
2022/5/28
(オマケの英語教室 unlock)
野球ではsave pointというのがあります。抑えのピッチャーが相手に得点を与えずに「抑えた」時に付与されるポイントです。
一方英語では銀行預金の事をsavingsと言います。ATM等に記載されているのをご覧になられた方もいらっしゃるかと思います。
これは邦訳では「預金」「貯金」です。
では我が国でいう「預金」や「貯金」を英語では何故savingsというのかと申せば「支出を抑える(=お金を使わない)」という意味でsaving(s)を使っている様です。つまり正確にはsave the payment=(no using money)
以前にも書きましたが我が国では「預金」なら「(増やして貰う為に)預ける」ですし「貯金」なら「(いざという時に備えて)蓄える、貯めておく」と前向きや積み上げ的な意味で言葉を作るのに対して、英語圏では逆に「使わない、出さない」等「~をしない、~ではない」という言葉づくりが意外と多い様です。
例えば他には「施錠する」がlockであるのに対して「開錠する」が我々からすると以外にも余りに手抜き表現的な作語に思われるunlockであったりします。
一見positive and optimisticに思われる英語圏文化や思惟において何故「鍵を開ける」という前向きな事にこの様な手抜き的且つnegative and pessimisticな表現が用いられるのか不思議に思っていたのですが偶然にも「言葉の経済(暗記の効率化)」という概念を得てからある事を連想いたしました。
曰く
「接頭辞や接尾辞を外した語幹の数を極力抑えて」読み手、書き手、話し手の暗記の負担を軽減するのが目的なのではなかろうか?と。
例えば施錠がlockである時に、開錠がopenとかremoveとかlooseであると全く別の単語を覚えなくてはならなくなりますが、その否定形のunとかim(or in)とかlessといった接頭辞、接尾辞を付けるだけなら語幹は同じですので、わざわざ全く別の単語を覚える手間や煩わしさが省けるという意味で「言葉の経済」が働いているような気がしたのです。
或いは又別の観点ですが、最近わが国でも注意喚起(特にsecurity面においての)効果上は「肯定形より被害結果を直截に連想させる否定形を用いた方が、より効果的である」事が数値的に証明され、以降それ迄よりは是迄タブーとされてきた否定形表現が増えて参りました。
例えば
「鍵を掛けろ」より「鍵を掛け忘れるな」等の様に。
Lock the keyよりNever stay unlockedのように。
英語圏でもそれは同じ様で、特にsecurityに関する事項においては上述の様にNoとun、否定形を2つも用いる事で注意喚起を促す傾向がある様です。
この様に価値観の観点からだけでみると何事においても前向きな価値観(外向け看板)第一優先の我が国では「否定形」は「肯定形」に対して下位のポジション扱いされますが、実利実行面を考えると時には否定形表現の方が効果的な場合(注意喚起効果と咄嗟の思い出し易さ)もありますので、言葉の「見て呉」に囚われて十把一絡げに「否定形」を「否定」するのはよく考えた方がいい様な気も致します。
Anytime, for anything, one by one, step by step, day by day observing and judging is above all important, I think.