うとQ世話し 雨にも負けず、風にも負けず
2020/10/30
(うとQ世話し 雨にも負けず、風にも負けず )
「好事魔多し」
状態や業績が良ければよいほど、その時の中にこそ最も多くの魔が潜んでいる。
そして言葉は悪いですが
「豚も煽てりゃ木に登る」
褒めて囃せば、実力が伴わない事でもついつい図に乗ってやってしまう。
例えば、昨今のコロナ禍に於いて「巣ごもり需要」による業績の件で、ビジネス雑誌や新聞は「勝ち組負け組」「勝ち組の中での業績アップ率ベスト3社」等と書き立て「成功の秘訣は?」とか「需要の先取りをした視点は?」等のインタビュー記事をてんこ盛りで載せ、いやが上にも囃し立てます。
そうしてインタビューされた方は、業績が良くて、おまけに褒め上げられるものですから、ついつい万能感に陥り「我が行く道はこれしかない」と思い込んでしまいます。
この時点で、その正反対のストーリーや視野視点は切り捨てられてしまうか忘れ去られてしまう為に、選択肢や視界が半分になってしまいます。要するに持ち駒が半分に。
そうなると、視界が半分になった分「選択と集中投資」等と言い出して、同じパターン分野に過度の投資をする事になります。
褒められた手前、今の業績を更に「急峻にアップ」させなくてはならないと自分自身に強迫観念を植え付けてしまうわけです。
こうなると正に「好事魔多し」の縮図が完成されてしまいます。煽てられて木に登ってしまった豚である自分の事はすっかり忘れて。
ここで注意点。
期間内急峻業績アップには要注意。急峻アップの後には必ずその反動で急降下業績がやって来ます。
ならばそれを避ける為にはどうしたらいいのか?
答えは「好事魔多し」である事を常に念頭に置き「煽てられても木に登らない豚」になる事以外にはありません。
もう少し具体的の申し上げますと期間内業績の一期間の区切りをまず外し、複数期間(中長期間)に伸ばしてみる事と、単一期間内の過去最高業績等というものは追いかけずに、如何に長期間、事業を存続させるかにだけ目をやることでしょう。
更に具体的なイメージで申し上げれば、小石を一つ一つ埋め込んで叩き上げながらうっすらと上り坂の石畳を作り続ける様な、それこそ「地道造り」とでも申しましょうか。
要するに派手な脚光を浴びる表舞台に立たずに、土台作りに徹した黒子裏方稼業に徹せよと。
そうしてその時の姿として宮沢賢治のあの一節を思い出すのが宜しいのではないかと。
曰く
「雨にも負けず、風にも負けず」
が。