誰もが日常的にインターネットを利用するようになりました。例えばパソコンで調べごとをしたり、スマホで動画を見たり、最近では授業や会議をオンラインでしたり、当然のように好きな情報にアクセスできているように見えます。一方、手元の端末に表示されるデータは、突然そこに現れているわけではありません。端末はインターネット越しに適切な通信相手を発見し、データはパケットに分割されて、銅線や光ファイバを通り、ルータと呼ばれる装置によって世界のどこかにいる通信相手へと運ばれて行きます。
そんなインターネットは、実は1つのネットワークではありません。実際は10万を超える独立したネットワークの集合体です。多数のネットワークが相互に繋がることで成り立っているインターネットは、おそらく地球上で最大の分散システムと言えるでしょう。このインターネットを支えるため、私自身を含め、世界中でさまざまな研究が行われています。
ふだん何気なくスマホやパソコンを使うとき、その裏側にある人類の生み出した巨大な情報通信網に思いを馳せてみるのも、一興かもしれません。