国民民主党はネットで人気?ネットを見ない高齢者には知られてない?検証しました

「国民民主党はネットで支持が広がっているが、ネットを見ない高齢者への支持は広がっていない」

という話を以前からたびたびSNS上で見かけます。
見かけるたびに「それは実態とは異なるんじゃないか」と、何年もずっと言ってるのですが、どうにも伝わらないですね。もどかしいもんです。

1:今の高齢者はネットを利用している

まず統計的事実として、現代の高齢者はネットを利用しています。

令和5年度情報通信白書によると、60歳代でも86.8%、70歳代でも65.5%がインターネットを利用しています。

高齢者は「Twitter」利用者は少ないが、「Youtube」利用者は多い

「でもTwitterだと高齢者はほとんど見かけないぞ!」と思うかもしれません。確かにそれは事実の一面です。

総務省情報通信政策研究所が、主なソーシャルメディア系サービス/アプリの世代別利用率を公表しています。

これを見ると、Twitter(X)の利用率は50代で31.8%、60代で21.0%と低くなっていますが、一方でYoutubeは50代で85.3%、60代で66.2%となっています。

つまり、「Twitterで高齢者ユーザーを見かけない」からといって、「高齢者はネットを見ない」とは断定できません。どちらかといえば、高齢者のネットユーザーはYoutubeに親和性が高いと言えるでしょう。

『ネットの海は広大』です。
あなたの見ているネットだけがネットのすべてではありません。

2:国民民主党の世代別支持率とネットの世代別利用率に相関関係は認めがたい


もしも仮に、「国民民主党はネットで支持が広がっているが、ネットを見ない高齢者への支持は広がっていない」という説を正しいとするならば、世代別のネット利用率と国民民主党の世代別支持率に有意な相関関係が示されるはずです。

先ほどの情報通信白書の統計では、13歳~59歳の各世代におけるインターネットの利用率には大きな差はなく、おおむね95%以上となっています。
もしも世代別のネット利用率と国民民主党の世代別支持率に有意な相関関係があるならば、国民民主党の世代別支持率も、18歳~59歳の層でほぼ均一の数字になっているはずです。

しかし、NHK選挙WEBによる2023年12月のデータを見ると、国民民主党の世代別支持率は39歳以下でやや厚く、次いで40代と70代にわずかな支持があり、50代60代には支持がほとんどありません。

https://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/

つまり、世代別のネット利用率と国民民主党の世代別支持率とは、まったく異なる傾向を示しています。

従って、「ネットを見ているか否か」と、「国民民主党を支持するか否か」には、有意な関係性を認めることはできません。

3:そもそも国民民主党支持はネットでも広がっていない

そもそも、国民民主党の支持は『ネットで広がっている』とは言えません。

前出の令和五年度情報通信白書によると、2022年時点で日本のインターネット利用人口は、総人口比で84.9%となります。

※令和元年調査の調査票の設計が一部例年と異なっていたため、経年比較に際しては注意が必要。

つまり、日本のネット人口はおおよそ1億人程度です。
これに対して、

・国民民主党公式のX(Twitter)フォロワー数:約6.4万人
・玉木雄一郎代表のX(Twitter)フォロワー数:約37万人
・榛葉幹事長の会見ライブ配信:約6万~10万回

となっており、ネット人口全体と比較すると、支持が広がっているとは言い難い状況です。

4:ネット支持層も決して多くない


・2022年参院選比例得票数:3,159,625票
・支持母体労組の人数:約340万人(UAゼンセン:約182万人/ 自動車総連:訳78万人 / 電力総連:約23万人 / 電機連合:約57万人)

これらの数字と、前出の国民民主党関連のSNS規模とを比較すると、国民民主党支持層内においてもネット上の支持層が占める割合は決して高くなく、全体のごく一部であると言えます。

結論:

[誤り】「国民民主党はネットで支持が広がっているが、ネットを見ない高齢者への支持は広がっていない」

【実態】
・国民民主党はネットでも支持が広がっているとは言えない。
・国民民主党支持層の中でも、ネット支持層は全体のごく一部に過ぎない。
・現代は高齢者であってもネットを利用している。
・Twitter(X)には高齢ユーザーは少ないが、Youtubeには一定以上の高齢ユーザーがいる。
・世代別のネット利用率と国民民主党支持率には関連性がない

以上です。