Linkbateに挑戦する方に向けて
(2年前に1〜2本ほど記事を書いてましたが、下書きに戻して非公開にしました…初めてディベートについて書きます。)
先日、Linkbateに参加しました。約80チームが参加する、海外のNovice大会としては最大規模(?)な大会です。「Linkbate出る〜?」みたいなノリで相方を誘って出てみたら、16位ブレイクからのOpen Grand Finalまで進むことができました。
2位・4位・6位でシード突破したチームとGFで当たったことを踏まえると、予選R1〜R5・Pre-QF・QF・SF・GFと、気づいたら2日間ノンストップで9ラウンドも試合に出続けた唯一のチームに。
率直な感想としては、大学でディベートを始めて1年ぐらい経ち、コンスタントに国内大会に出続けて頑張ってきた方は、是非Linkbateに挑戦して欲しいなと思いました。Novice大会なので、いきなりメジャーな国際大会に出るよりも、コテンパンにやられてメンタルを削られることは少ないんじゃないかなって思います。ボコされたラウンドはありましたが()
ということで、これからLinkbateに挑戦する方向けに、色々書き記しておこうと思い、1本書いてみようと思います。あくまでも自分の感想なので、鵜呑みにして間違った対策はしないようにして欲しいです。
Linkbateとは?
正式な大会名は "Linkbate Debating Championship"。香港発の国際Novice大会。20部屋以上ある、そこそこ大規模なオンライン大会でした。半年に1回開催されているらしいです。
大会情報はここから: https://www.facebook.com/groups/770416840145381
ちなみにNoviceの定義は、簡単に言えば、メジャーなオープン大会でのブレイク経験が5回以下であることが条件です(詳細は下にあります)。
参加層について、中高生と大学生が半々ぐらいかなって思っていましたが、実際対戦した相手は中高生が多めな肌感覚。GFも、大学生チームは僕らだけで、ほか3チームは中高生チームでした。ヨーロッパ時間に合わせるためか(表示は香港時間GMT+8だったものの)15時に大会スタートでしたが、アジアからの参加が多く、欧米圏からの参加もほんの少しありました。ちなみに日本からは、8チーム(中高生3チーム・大学生4チーム・社会人1チーム)の参加で、なんとGFは日本勢が2チーム参戦。もう1チームが優勝していたので、マジですごかった。
どんな感じだったか
ぼく個人として感じたことを書いていきます。
まずはガバガバさから()
大会進行が1時間遅れるのは仕方ないにせよ、余裕でPOIを6分過ぎてもしてくるや、チャットでPOIを書いていたからか6分過ぎてから取ろうとする人や、その辺りの注意もジャッジからなかったり、GFでZoomが乗っ取られたり。とりまカオスでした。
僕はアウター(Leader / Whip)をしました。Leaderではいつも通りぱぱーっとやった感じですが(相変わらずコンスト苦手芸人)、Whipは比較(weighing/comparison)を普段以上に丁寧に扱いました。「それってマジで良いの?悪いの?」みたいなことを考えながら聞いていた感じです。相対的な比較を気にしながらスピーチ構成を立てていくと、かなりきれいに洗い流せたりします。これまでは比較が上手くできずうにゃあってなっていましたが、大会を通して色々やり方を試行錯誤してみて、正攻法を見つけていった感じです。
過去に参加された方から「訛りが面倒」って話を聞いていました。英米のような訛りではなく、参加者の8割方が香港や東南アジアからだったこともあり、アジア系の訛りがかなり特徴的だったのは確かにそうです。個人的なバッググラウンドもあり、あまり苦には感じませんでしたが、香港英語やシングリッシュ系のイントネーションで苦しむ人もいるかもしれないです。でも気にするほどではないですし、気にしてたら国際大会なんて出られないですからね。スピードもそこまで早くないので、落ち着いて聞けば、フローを取って反論や比較を考える余裕はあります。
地域差に関する話で、Noviceの国際大会あるあるなのかもしれないですが、めっちゃlocal exampleを出してきます。フィリピンのディベーターが「フィリピンでは〜」と話し出したり、R2で香港のディベーターが「C-Popってね〜」と言ってみたり。「いや知らんがな」という感じのexampleがよくありました(主にPreliminary Rounds)。
あと「POI大事」ってめっちゃ言われました。どのラウンドのジャッジも「POIはengagementのうちの1つだから I recommend all debaters to do at least one POI to reflect your contribution to speaker scores」と言われました。確かにBPはPOI(特に斜め)が大事なので、頑張ろう!
Motion
大した話はできないですが、コメントを足せるところだけ書いておきます。
1日目
Round 1
Round 2
カルチャーに疎遠な2人にとって、マジでなにすれば良いかがわからず。PMで "East Asian's identity" の話をしましたかね。他のチームからは "OG does not have a full understanding of pop cultures in East Asia" って言われまくって3位でしたぴえん。
Round 3
これはめっちゃやりやすかった。Oppが "monetary support" はしないで "encourageするだけ" っていうスタンスで話していたので、どっちの方がeffectiveなのかをかなりきれいに洗い流せた感じです。なぜかspksは低くつけられましたが、今まで上手くできなかったBest/Worst Case比較とLong-term/Short-term比較を7分にきれいに収めることができました。
Round 4 (Silent Round)
2日目
R5から始まる2日目の15時。ここから5ラウンド続くとは思っていなかった。
Round 5
Break Announcement
日本チームのブレイクは以下の通り
Open Partial Double Quarterfinals
シード権は1〜8位。9〜24位まではPre-QFへ。
Open Quarterfinals
Whipの役目をしっかり果たせたと思う(自己満)。Whipって反論をするだけではなく、勝ち筋や比較を提示させる役割があることはいうまでもないですが。ここで新しく実践したこと(?)は、議論の軌道修正をすることです。motionで明確に"long-term or short-term" と比較軸を出しているのに、なぜかOpeningで独占が起こるかどうかっていう論になってました(主にOOだけどOGもそんな感じだった)。
"This debate isn't about monopoly is blah blah blah… or Anti-Trust Law is blah blah blah…. This debate is about how countries can maximize their economic benefits either by supporting long-term or short-term profit seekers."
Silentなのでどこまで効果的だったか分からないですが、Closing Teamsの勝ちでした。
あともう1つ、Whipは具体例を付け足してargumentを描写させることもできるわけですが、より鮮明で質のある具体例を出すことが大切だなと思いました。
やったこととしては、OGが "innovationが大事だ!" みたいなことを言っていて、落ちどころが分からなかったものの、その中身がなかったなっていう感じでした。
そこで付け加えた具体例が「日本の高度経済成長」について(local example出してるやないかい!)。新幹線や高速道路など、戦後間もない日本で当時innovativeなものを次々と作り出し、GDP世界1位に迫ったように、長期にわたって経済成長を遂げることができた。そして中国に抜かれたのは、中国がどんどん長期的な視野で新しいものに投資を続け伸びまくったから、みたいなことを話しました。対してShort-termだとその場凌ぎだから、ということを含めて、プリに持って行った感じです。
振り返ると不十分なmechだなって思いますが、割とこのmotionに直結する具体例を出せたんじゃないかな。事前に準備せずその場の思いつきで話しましたが、インパクトのあるドンピシャな具体例を出すことが大切だと気づきました。
Open Semifinals
プレパ中にWi-Fiが落ちて、プレパ不完全で突入しました。
PMで女性と子供でキャラを分けて分析し、DPMでLGBTQなどのソーシャルマイノリティなどについて言及してくれました。「女性のジェンダーロールが強調される」ということを言ったときに、具体例で日本のイクメンについて話せられたらなーと思ったり。
Open Grand Final
PMのスピーチが始まろうとしたときに気づいた。
「GFの開始時刻は深夜1時20分。Opp Whipの僕がスピーチを始めるのって2時20分ぐらい???」
まぁ時差以外でも大変でした。相方がMOスピーチをしている途中にZoomが乗っ取られて。 "Zoom Bombing" っていうらしいんですが、突然ポルノ動画が流れたり、人種差別的な言葉がチャットに流れまくったり。マジで怖過ぎて、Gov Whipのスピーチに集中できなかったし、自分の出番でも手が震えまくって、言いたいことの半分すら言えなかった。元々Shoutoutをするつもりはなかったんだけど、緊張ほぐすためにした(おい)。
WADの先輩方が見に来てくれた(嬉しかった!)ものの、すごい出来が悪くて悔しい。でもラウンド自体はすごいよかった。
まとめ
とりあえずダラダラ書きましたが、学びがたくさん得られた大会でした。
大学で最初に出る国際大会として、LinkbateのほかにもNEADC(東アジア大会)もあるかと思います(僕は学部日程の都合上出られず)。ただオープン大会である以上、上級生や上手い方たちがめっちゃいるので、負担が若干重いなって思う方もいるかもしれません。
それに対してNovice大会であるLinkbateは、大学で1年間続けた後に出てみる最初の国際大会として、ちょうど良いんじゃないかなと。国内大会で努力を重ねてきてからの力試しとして、ぜひ挑戦してみてください〜