JPDU代表に就任するにあたって
お久しぶりです。
書きたいことは色々あったけど、構想を文字に起こす時間が中々なく、気づいたら4月になっていました。本当は梅子杯・ワールズで記事を出そうと思い、結構書いていましたが、お蔵入りにします、多分。
さて、本年4月からJPDU代表に就任いたしました。ただ、ふわっとした立候補文と、選挙結果を一言SNSに投稿しただけで、あまり具体的なことに言及した機会がなかったことに気づきました。今更感がありますが、いつ書き出そうかうずうずしているだけでは時間が過ぎてしまうだけなので、色々書きます。
なおここで記すものはあくまでも現時点での個人的な考えに過ぎず、かつ現段階で表に言える一部分のみとなります。ここでの内容に対し、さまざまな意見があるものだと思います。むしろたくさん意見を送ってほしいです(ぼくとそこまで話したことがなくても)。ぼくよりディベートのことを知っている人の方が多いと思いますし、皆さんからたくさん学びたいです。現役の皆さんからの反応を受けて、さらによいコミュニティ作りができればと考えております。
意気込み
はじめはお気持ち表明程度のものを。
まずは先の役員選挙におきまして、過半数の信任をいただきました。ありがとうございました。いただいた期待を背負って、しっかりと1年間取り組んでいきたいと考えています。
また(昔話によると)"各代の強い人がJPDU代表になる"という風潮があったようです。これを踏まえると、ディベート競技者としては歴代最弱の代表ですが、コミュニティを支える熱意だけは歴代最強になれるように頑張ります。
簡単にぼくのディベート経験について、自己紹介を兼ねてしておきます。
ディベート競技に触れ始めたのは、高校2年生の頃(正確には高1の終盤)。当時所属していた部活の先輩から声をかけてもらって、英語ディベートという競技を知りました。実際にやってみようと決めたのは、2020年のHPDU都大会を見学したとき。先輩の試合を見て回っていたんですが、そのときに対戦していた、現在UTDSに所属している某同期のスピーチを見て「かっこええ」と感じたことが、ディベートに取り組むことを決めたきっかけでした。
しかし当時、ディベート部のようなものはなく、ESSとしても活動していない完全なる有志でまとまっていました。正式に形になってからはぼくが2代目。当然リソースもなく、HPDUの大会に出ては1勝して終わり。当時の自分はディベートをそこまで深く知らなかったので、負け続けてしまうことだけ気にしてしまっていました。
そこから大学では続けるのを悩んでいた中、高校時代に誘ってもらった先輩にまた誘われ、気づいたらこんなに沼っていました。
ということからも、ディベート競技に本格的に取り組み始めたのは大学からで、今年で3年目に突入します。1年目はディベーターとして、純粋に競技を楽しんでいました。そしてそのような環境があったのはディベーター以外の人たちがいることに気づき、2年目はジャッジやコミとして関わってきました。
そしてこの2年間は、ディベートコミュニティに救われた日々でした。さまざまな仲間たちと楽しみ喜び、1人で悩み苦しんだときにも助けてくれたのは仲間たちの存在でした。多様な人たちが集まる温かいコミュニティを作り続けていく、そんな1年間にしたいと考えています。
またJPDUの中の人として昨年から関わり、競技者としてではなく、競技普及という面でのニーズを強く感じました。また組織としても、特にコロナ禍前後で時代や社会規範で影響を受けている中、常に変化し続けていく必要があります。かつてあったJPDUの姿を取り戻しつつ、時代にあった形に見直していきます。
役職再編成
前提となる話ということで、事務的なことを先に片付けておきます。
JPDUの役員は、各インステから派遣された代表者が就いています。現在ある役職は以下の通りです。
以下、再編後の役職一覧と、その理由です。
|資料部の総務編入|
資料部は「JPDUTでのブレイクラウンドの動画撮影およびその公開、ディベート資料の整理や公開を主な業務」として設置されていました。しかしながら、動画撮影は各イベントのコミに一任されているほか、動画のアップロードは広報担当に一任されています。またディベート資料の需要がJPDUに対して以前ほど高いものではありません。これらを踏まえ、常駐させる必要性がないことから、関連業務を総務に引き継ぐ形で統合させます。
|名称変更|
「練習会担当」について、以前まではインステ間の練習環境格差を減らすために、月1で練習会が開催されていました。しかしながら(特にコロナ禍後)オンラインでの単独した練習機会の増加やインステから独立した練習会(関西パーラ・ゆるふわ練習会など)が開催されるようになり、JPDU練習会への需要が下がりつつあります。またここ数年はセミナー関連を開催する業務が主となっていることから、JPDU Seminar開催を目的とした部署にします。「地域担当」について、従来は各地方ごとに役員が派遣され、所在するインステの統括を行っていました。残念ながら、コロナ禍により地方インステが激減してしまいました。しかしながら、この1-2年でインステ数が微増している現状もあります。このような新しく資源の少ないインステを支援する目的で「団体支援」として業務を一新させます。また加盟団体からの問い合わせも、基本的には団体支援にて一括で受け付けるものとなります。
派遣コーチ制度
「ピースコ制度」の名称を「派遣コーチ制度」へ変更します。
そもそもピースコは、NAFA(全日本英語討論協会)の取り組みから得た構想でした(詳細)。名称もそこから引っ張って使用しています。
新しくディベートを始める方向けの制度ですが、まず「ピースコ」という言葉を一目見るだけで理解できないと思います。コミュニティ内では理解できても、これではそもそも外から食いついてくる人はいないでしょう。NAFAでも同様の認識があり、2021年度に名称変更がなされています。見出しだけでも理解させるためにも「派遣コーチ制度」とした方が分かりやすいのではないでしょうか。
また派遣コーチ制度を利用する団体同士の合同練習会や交流会の実施も必要だと考えています。この春、とあるピースコ対象校に2度お邪魔しました。その際に、彼ら彼女らには外部との接点がない現状を聞き、Tea CupやNemophila Cupなどで色んな人たちと交流できるのを楽しみにしていることを知りました。自分自身も他インステと交流したからこそ続けられている現実を再認識し、そういった場を提供する立場であることに気付かされました。
またコーチに立候補してくれた方、本当にありがとうございます。より充実した制度にさせられるために、特にコーチの方々にどうリターンを導き出すか、検討する必要があると思います。さまざまご意見を寄せていただけると嬉しいです。
またまだ立候補していないが検討している方へ。結論を言えば、そこまでレベルを感じなくて大丈夫です。コーチ派遣制度の利用を希望する団体の多くが、ディベートを始めてからあまり期間も経っていないことが多く、全員がコンペティティブにやっているとは限りません。また、みんなすごい優しいしエネルギッシュな子たちです。少しでもスキルアップに貢献してあげたい方、是非立候補ください!
JPDU主催イベント・大会について
例年JPDUでは、以下の主催イベントを開催しています。
見ての通りですが、いくつか疑問点を挙げます。
夏セミからJBPまで、4ヶ月連続でJPDU主催イベントが集中している。
GeminiからJBPまで、3ヶ月連続でJPDUTがある。
6月に開催される大会だったことから双子座の英語 "Gemini" と名付けられた大会が、時期外れの9月に開催されている。
唯一開催されている練習会 "Silver Cup" の影響で、春セミの準備ができない。
そもそも夏セミ・春セミが開催されるのかが、2-3ヶ月前にならないと分からない。
こう見ると、色々変えるべきだと感じたため、以下の通りに実施します。
JPDU Sophomon Cup 春開催:Asian Parliamentaryの時期に合わせること、より多くの1-2年生が参加できる機会を作ることを踏まえ、春に開催します。また名称についてもQUDSから許可をいただき、Sophomon Cupを引き継ぎます。
JPDU Spring Seminarの開催:ここ数年、Silver Cupがジャッジレクチャーと練習ラウンド開催の両方をになっており、実質的にセミナーを開催している形になっています。春セミの一部にSilver Cupという練習ラウンドを編入させるという形で、春セミの開催を目指します。
企業・行政との連携
Japan BP 2023にて、さまざまな企業様からご支援いただいたことは皆さんもご承知の通りだと思います。ここで気づいた点として「企業や行政と連携していくことが、JPDU存続に向けて行くべき道である」という点です。裏を返してみれば「今後JPDU単体で生き残っていくことは厳しい」という点です。主に競技者数のことや財政のことなどですが、細かいことは前代表の丈さんが書いてくれているので、こちらをご参照ください。
要するに、JPDUには豊富に優秀な人材がいるのにも関わらず、この財源を活かしきれていないことに課題点を感じました。Japan BP 2023では、これをうまく活用できないか考え、企業様とのニーズに合わせることができたと考えています。ここでの経験を活かし、本年度は官民両方の方々と連携しながら、さまざま取り組んでいきたいと考えています。
これからに向けて
「なんだ、大した内容書いてないじゃん」と思った方、すみません。確かに内容の濃いことは書いていないと思いますし、言える範囲が限られているので…
ぼく自身は、昨年広報役員としてJPDUに加わるまで、ディベートコミュニティや連盟についてなにも知らない人間でした。そして役員として関わっていく中で、少しずつ理解するようになり、JPDUがいかにコミュニティから必要とされている組織なのか、気付かされました。これはまさに、昨年度の執行部が音頭を取ってくれて「活気ある、身近なJPDUへ」という目標に向けて取り組んでいたからだと思います。そのような意味では、今年度ぼくに背負わされたプレッシャーが半端ないです()
ただ、昨年取り組んだ中で最も思い入れがある(達成感のある)取り組みが、Japan BP 2023の協賛活動です。ここで取り組みを成功させられたことが、今年度代表に立候補する原動力に繋がったと思います。
改めて、本格的にディベート競技をスタートさせたのは大学からですが、この2年間、コミュニティを支える立場の大切さを実感してきました。そのような中で代表を務めることとなったことはとても光栄です。
代表職は、数々のレジェンドが務めてきたものです。そういうことからも競技者としては過去最弱ですが、自分にしかできない、自分だからできる取り組みをしていきたいと思っています。
最後に、これは代表としてのお願いです。結論を言えば、JPDU役員の方々に対して、機会があれば感謝の気持ちを伝えていただけると幸いです。JPDU役員には、やる気に満ち溢れた方もいれば、派遣せざるを得ないことから立候補した方も一定数いることは承知しています。しかしながら、JPDUを含めディベート競技ができることには、見えないところで多くの労力をかけている役員の存在があります。これは役員のみならず、大会のコミやACの皆さんにも繋がる話です。コミュニティを支え続ける努力をしている人たちがいるからこそ、競技に取り組む環境が整っています。こういった人たちの存在を、どうか忘れずにいただけると嬉しいです。
改めてですが、2024年度もJPDUの活動にご理解・ご協力を賜りつつ、お力添えいただけますよう、どうぞよろしくお願いします!