【カシミヤのニットを作る話】プログラミング
お一人お一人の設計図を作成
ニット作りは、大まかに「編み」・「リンキング(ニットの縫製)」・「縮絨(風合いだし)」・「乾燥(自然乾燥)」・「仕上げ」の工程で作られます。ニット作りのほとんどは人の手で行いますが、編みだけは最新のマシンです。そのマシンを操作するためにはプログラミングが不可欠です。大量生産でしたら一着分のプログラミングで何百着あるいは何千着も編むことが出来ますがUTОカシミヤはオーダーが特徴ですので、変更があったらその都度プログラミングを変更しなければなりません。
例えば「袖丈を5センチ短く」というご要望があったとします。布帛のように生地を5センチカットするだけなら簡単なのですが、UTОの場合は5センチ短くした袖のプログラムを作成しそのプログラムで編立をしなければなりません。「長くするのに追加料金が発生するのは糸代がかかるので理解できるけど、短くして糸代も少なくなるはずなのに、どうして?」と疑問を持たれることもありますが、糸代以上にこのプログラミングという大きなハードルがあるんです。
プログラムの担当者は、お一人お一人の指示書のプログラミング制作に掛かり切りの大変な作業です。他社がオーダーに踏み切れないのはこの一枚一枚プログラミングをして編み上げという、大量に編みが出来ないのが最大のハードルだと思います。