自閉症の我が子が考えている事[ゆっくり育児]その15
今回は自閉症の子が何を考えて生きているのか?をテーマにしたいと思う。
自閉症でもある程度しゃべれば意思疎通ができるが、ジローの場合はしゃべれず喃語を話すので、その喃語からさらに微妙なニュアンスを汲み取ってなにを言いたいかを推測してる。
例えば「ん〜!」と言いながら冷蔵庫を指差ししたらヨーグルトが食べたい、とか
「ん〜!」と言いながら天井を指差してたら音のなるオモチャが欲しい、とか。
しかし単に「ん〜!」と指差す方向だけでは判断できず、その前後の出来事や表情から言いたい事を推測して「ヨーグルト食べたいの?」「音のなるオモチャ取って欲しいの?」とか聞き直して「う〜ン」と言ったら言いたいことが分かりようやく意思疎通ができたことになる。これは聞いたことに対して返事をしてるので受け身な受け答えなので受動的な意思疎通だ。
一方では意思疎通として "ジローのやりたい事や欲しいもの" は分かっても、ジローの考えてる事やうちに秘めている事は分からない。
実はいま「こんな気分」とか「こんなこと考えてる」みたいな自分から発する能動的な会話はできない。
長女のサキエはおしゃべりな子で「サッちゃん(サキエは自分の事をサッちゃんと呼ぶ)は、お気に入りのオモチャで遊んで楽しかったんだ〜」とか「アンパンマンのキャラではバイキンマンがお気に入りなんだ〜」とかよく自分の考えてることをペラペラとしゃべっていた。
だから余計にジローが自分の意思を伝えられないのは、親である私や妻はモドカシイし、そしてジローもモドカシイと感じているであろう。
それほど言葉とは自分の意思を伝えることに重要なツールなのだ。
ジローの場合、自分のやりたい事や欲しいものが伝わらないと、癇癪を起こすので、普段からモドカシサを感じてストレスを溜めているだろうから、自分からの能動的な会話が出来ないことは、余計にストレスを感じているのかも知れない。
逆もそうだ。
つまり私たちからの思いや願いがどれだけジローに届いているのか?
例えば、、、
・オムツをしなくて良いようになって欲しい
・簡単な言葉で良いから会話が出来るくらい言葉を覚えて欲しい
・補助無しで自分で食事ができるようになって欲しい
・自分で歯磨きして欲しい
・排便を自分でできるようになって欲しい
・一人で電車やバスなど公共交通機関に乗れるようになって欲しい
・大人になったら独り立ちして欲しい
などなど列挙したらば、まだまだ足りない。
つまりは一人で生活出来るようになって欲しいのだ。
このような事をことある毎にジローには話す(お願い)するのだが、返事は「はぁぁあああ〜い」と、分かってるようで分かってない返事をする。
さらにふと思う。
私が死んだらジローは悲しんでくれるのか?
「死」と言う概念をジローは持ってるのか?
まだ6歳のジローに死生観は持ち合わせてないだろうが、成長するにつれて芽生えてくるのだろうか?
自分の思い通りにならなかった時は泣くが、人が死ぬと言うことに悲しみの感情はあるのか?
自閉症ゆえに何を考えているのか分からないが、普段の意思疎通だけでは伝わらない心の底にある感情は、言葉で表現できないから故に分からない。。
と、話が少し脱線したが、自閉症の我が子の考えてることは、親として、これからも工夫しながら意思疎通をはかりたいと思う。